ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

高齢者の健康寿命を延ばす為のゲーム方式リハビリ機器開発

富士電子株式会社

この事例のポイント

  • 高齢者が楽しく継続してリハビリできる機器は少なく、既存のゲーム機能付きリハビリ機器は単調で長続きしないのが現状だった。
  • スロットマシンをヒントに、東北芸術工科大学教授の協力を得てデザインを重視したリハビリ機器のプロトタイプを開発した。
  • 高齢者が楽しく継続的にリハビリできる「夢リハ」の開発に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名富士電子株式会社
所在地山形県 山形市
業種電気機械器具製造業
従業員数120人
資本金1.5億円
設立1984年

事業の背景

日本の総人口に占める65歳以上の高齢者人口割合は約3割となり、日本人の平均寿命は女性が87.14歳、男性が80.98歳と、いずれも過去最高を更新した(平成28年度)。厚生労働省の健康寿命は平均寿命と比較して男性で9年、女性で12年短く、この期間は介護が必要となると想定されている。超高齢化社会の日本では高齢者向けの商品が多く販売されており、ゲーム機能を備えたリハビリ機器もあるが、単調で長続きしないのが現状である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術高齢者が楽しく継続してリハビリできる機器は少なく、既存のゲーム機能付きリハビリ機器は単調で長続きしないのが現状だった。
  • 新製品・新技術単調になりがちなリハビリを楽しく継続できる夢のあるリハビリ機器の開発が必要だった。

やったこと

スロットマシンをヒントに、東北芸術工科大学教授の協力を得てデザインを重視したリハビリ機器のプロトタイプを開発した。大きさ、機能性、ぬくもりを感じられるよう木材を使用した機構設計を行い、回転部分には高齢者にも親しみやすい山形らしい図柄(山形の果物、地図、花笠、樹氷)を採用した。レバーを引く動作は腕を大きく動かし上半身を使うリハビリになるようにし、図柄を止めるボタンを押す動作はタイミングを計ることで集中力を鍛えられるように工夫した。試作品を使用してもらいながら感想を聞き、改良を重ねた。

その他リハビリ機器「夢リハ」

新しい製品・サービス:スロットマシンゲームタイプのリハビリ機器「夢リハ」

事業の効果

高齢者が楽しく継続的にリハビリできる「夢リハ」の開発に成功した。木目を活かした高齢者に優しいデザインとし、レバーを引くことで腕を大きく動かすリハビリ機能を搭載した。簡単に当たりが出ないようにして反射神経と集中力を鍛えられるようにし、効果音で当たりとハズレを耳でも認識できるようにした。一方、デザイン重視のためコストがかかっており、安全面にも改良が必要である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    自社の主力は受託製造で、リハビリ機器の自社開発がこれまでの事業とどう連続しているかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢者施設でのデモで概ね好評とあり市場の手応えはうかがえるが、競合との比較や自社の強みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    デザイン重視でコストがかかることや安全面の改良が必要との課題認識は書かれているが、解決に向けた事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    量産化後の市場確保や販路開拓・売上拡大をめざすとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員120名、設立年や本社工場の記載はあるが、補助事業を遂行する担当体制や人材の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    デイサービス利用者をメインターゲットとし、ゲーム方式で楽しく継続できる点が価値として具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産化に向けて大きさ・価格・安全性・耐久性の本設計見直しを行うとあるが、スケジュールや解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    単調で続かない従来のリハビリ機器との差別化として、ゲーム方式で楽しく継続できる機器を高水準で目指している。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    平均寿命と健康寿命の差や介護施設利用者の増加が背景に示され、高齢化対策という社会的意義はうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    木材を使った機構設計や山形らしい図柄はあるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    超高齢化社会への対応として高齢者向け市場に進出する姿勢はうかがえるが、産業構造の転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    山形の果物・地図・花笠・樹氷を図柄に採用し地域性を活かしているが、雇用や地域経済の成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在、高齢者施設などでデモを行っており、高齢者にも介護福祉士にも概ね好評である。量産化に向けて大きさ・価格・安全性・耐久性の面で基本設計から見直しを行っている。当社のリハビリ機器はデイサービス利用者をメインターゲットにしており、量産化が実現すれば市場は確保できると見込む。販路開拓・売上拡大をめざす。

業種と困りごとが近い成果事例

秋田県製造業平成25年度

自動車向けネジ・ボルトの亜鉛-鉄合金めっきバレル工程の確立

富士重工向けバンパーのネジを対象に、日本表面化学株式会社の「ストロンジンク 亜鉛-鉄合金めっきプロセス」のめっき液を使い、ネジに適しためっ…

効果:1,500時間の塩水噴霧試験でも錆等の発生はなく、高い耐食性が確認できた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。