ものづくり補助金平成24年度東京都

緊急避難時の呼びかけを、体感(振動)と文字で知らせる「腕時計型送受信機」の試作開発

株式会社東京信友

この事例のポイント

  • 従来の屋内信号装置は屋内でしか使えず、屋外で利用するには送受信距離の長距離化と双方向通信への対応が必要だった。
  • 既存の屋内信号装置「シルウォッチ」を屋外でも使えるよう、腕時計型受信機の試作開発を行った。
  • 双方向・長距離通信が可能となり、製造現場での機械・装置の稼働管理や災害時の緊急通報などへの活用が期待されている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東京信友
所在地東京都 新宿区
業種業務用機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数6人
資本金2,000万円
設立1985年

事業の背景

株式会社東京信友は昭和60年設立の会社で、聴覚障がい者向けに「光、振動、文字表示」で情報を伝える情報機器を開発している。特に腕時計型の小型ポータブル受信機に強みを持つ。従来の聴覚障がい者の日常生活は、屋内に設置されたランプが光るだけで内容を自分で確かめる必要があり、不自由が多かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の屋内信号装置は屋内でしか使えず、屋外で利用するには送受信距離の長距離化と双方向通信への対応が必要だった。
  • 新製品・新技術小型化、電池寿命の延長、電波の受信距離の長距離化といった技術的な課題を克服する必要があった。

やったこと

既存の屋内信号装置「シルウォッチ」を屋外でも使えるよう、腕時計型受信機の試作開発を行った。送受信距離を長距離化し、双方向通信を可能とする中継器を開発した。振動(体感)と文字(視覚)で情報を伝える腕時計型送受信機に、双方向通信と通信距離の延伸を加えた。試作開発により双方向・長距離通信が可能となった。

その他腕時計型送受信機(シルウォッチ)
その他中継器

新しい製品・サービス:振動と文字で情報を伝える双方向・長距離通信対応の腕時計型送受信機「シルウォッチ」

事業の効果

双方向・長距離通信が可能となり、製造現場での機械・装置の稼働管理や災害時の緊急通報などへの活用が期待されている。その後、工場や建設現場、大型商業施設などに導入が広がり、人手不足や現場の安全確認に役立っている。受信者側が対応状況を全員に共有できるなど利便性も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    聴覚障がい者向け情報機器の開発を続けてきた経緯が書かれ、以前の屋内信号装置を屋外用へ発展させたとあるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    携帯電話が持ち込めない場所でも連絡できる点や、大手企業の工場・建築現場への導入が書かれ、強みは読み取れるが市場分析は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    製造現場での稼働管理や災害時通報への活用が期待とあるが、課題認識と高付加価値化の計画は具体的に書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社長が70歳で起業し従業員6人と書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    聴覚障がい者の日常の不便、通常は腕時計として動作し振動と文字で知らせる仕組みなど、製品価値と利用場面が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作後にユーザーの声を取り入れ改良を重ね、令和元年秋に最新型が発表されたと書かれ、遂行の流れは読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    双方向通信と長距離化により、腕時計型受信機の分野で工場や建設現場への導入が進んだと具体的に書かれ、新規性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    人手不足や現場の安全確認に役立つとあり、障がい者の生活改善や災害時の緊急通報への公共性も書かれている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    双方向通信やメッセージ管理をパソコン等で行えるようにし、避難勧告や誰が確認したかの確認に使えると具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    工場や建築現場での人手不足対策として活用が広がったとあり、産業の省力化に関わる可能性がうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

令和元年秋に最新型が発表され、拡張ユニットで接点数を64(カスタマイズで最大160)まで拡大できる。パソコンやタブレットへのソフトウエア導入によりメッセージやグループ設定が可能になり、災害時の避難勧告や双方向の確認作業にも利用できるようになっている。

事業者の声

私自身も補聴器を利用しているため、少しでも聴覚障がい者の方のお役に立ちたいという気持ちから起業しました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。