ものづくり補助金平成24年度東京都

取引先から試作品の加工で頼られる、下町のバレル研磨加工

株式会社早川研磨工業

この事例のポイント

  • サプライチェーンを構成する企業の多くが海外進出し、従来の加工サービスでは受注の確保や売上の拡大が厳しい状況にあった。
  • 株式会社キーエンスの表面性状測定装置VK-X100を導入した。
  • 表面性状測定装置の導入により、形状や表面粗さを精緻に測定でき、バリの除去状態を確認して研磨剤や媒材を高度に検証できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社早川研磨工業
所在地東京都 墨田区
業種金属製品製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数25人
資本金300万円
設立1984年

事業の背景

昭和59年設立の当社は、創業以来一貫して自動車部品や精密機器部品のバレル研磨加工を行ってきた。周囲の中小製造業が淘汰されていく中、下町という立地を活かし、従来は不可能と思われていた新しい技術開発にも力を注いでいる。サプライチェーンを構成する企業の多くが海外進出しており、従来の加工サービスでは受注の確保や売上の拡大が厳しい状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信サプライチェーンを構成する企業の多くが海外進出し、従来の加工サービスでは受注の確保や売上の拡大が厳しい状況にあった。
  • 生産能力付加価値のある製品を安定供給していく必要に迫られていた。
  • 品質・精度以前は取引先に品質検査を依頼していたため、加工品の検証に時間がかかっていた。

やったこと

株式会社キーエンスの表面性状測定装置VK-X100を導入した。これにより形状測定及び表面の粗さ測定が精緻にできるようになり、バリが潰れたのか又は削れたのかを確認できるようになった。そのため、使用する研磨剤や媒材について、より高度な検証と分析が可能になった。導入後は全品検査を行い、品質管理を徹底している。

検査測定表面性状測定装置 VK-X100(株式会社キーエンス)

事業の効果

表面性状測定装置の導入により、形状や表面粗さを精緻に測定でき、バリの除去状態を確認して研磨剤や媒材を高度に検証できるようになった。品質検査が社内でできるようになったことで、加工品の検証にかかっていた時間が解消された。その結果、取引先から様々な試作品が持ち込まれるようになり、小さく繊細な部品の加工も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のバレル研磨加工の継続と、表面性状測定装置導入による品質管理強化が示され、既存事業との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外企業に及ばない10μm単位のバリ除去技術や、大手メーカーの要望に応える加工管理データ添付体制が強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    海外進出で受注が厳しい課題に対し、検査体制充実で付加価値製品を安定供給する方針が示されており、課題と対応が対応している。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員25人と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はうかがえる程度にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療分野の部品、自動車部品の試作段階からの共同研磨など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    プラスチック部品の加工経験10年や材質置換の予測など今後の展望は示されるが、スケジュールや課題解決方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    バレル研磨は既存分野であり、高精度・プラスチック加工という高付加価値化の方向性は読み取れるが、数値的な根拠は薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    国内でしかできないサービスを提供する方針はうかがえるが、経済波及や雇用創出などの公的な必要性は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    表面性状測定装置による検証とデジタル的な品質管理の導入はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品の転換期に対し医療分野へ展開する方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    下町という立地を活かした技術開発と地域の中小製造業の現状は書かれるが、地域成長への波及は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車部品は大きな転換期にあり、今後数年で材質から置き換えられる部品も出てくると予想される。金属とは異なるプラスチックのバレル研磨で10年の経験があり、医療分野の高度な品質管理にも対応してきた技術の優位性を基に、さらなる発展を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。