ものづくり補助金平成24年度東京都

世界トップクラスの技術を誇る分光放射計の開発

英弘精機株式会社

この事例のポイント

  • 屋外で連続して分光放射強度を全天候で計測できる分光放射計は世界でもほとんどなく、そのような装置の開発が必要だった。
  • 太陽光を波長ごとに分解して強度を測定する屋外用の分光放射計を開発した。
  • 屋外で全天候型に連続して分光放射強度を計測できる世界的にも珍しい分光放射計を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名英弘精機株式会社
所在地東京都 渋谷区
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数83人
資本金4,000万円
設立1927年

事業の背景

英弘精機は1927年創業で、環境機器事業部と物性・分析機器事業部の2事業を持つ。環境機器事業部は日射計など太陽エネルギー関連の計測機を開発・製造し、1950年代に日本初の全天日射計を開発した。分光放射計は研究機関での利用が中心で、使用数は限られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力屋外で連続して分光放射強度を全天候で計測できる分光放射計は世界でもほとんどなく、そのような装置の開発が必要だった。
  • 品質・精度屋外に置いて朝昼や季節、気温の変化があっても精度よく測定するには高度な設計が必要だった。
  • コスト・採算特注品として2,500nm付近まで観測できる分光放射計はあるが、普及品として低コスト化する必要がある。

やったこと

太陽光を波長ごとに分解して強度を測定する屋外用の分光放射計を開発した。日射計で蓄積した温度特性や角度特性の技術を活かし、斜めからの光でも一定の基準に収まる設計とした。分光器を含むオリジナルの分光器を自社で開発し、屋外に雨ざらしで連続計測できる構造とした。日射計より大きく重くなったが、朝昼や季節を問わず精度よく測定できる仕様とした。

検査測定全天候型分光放射計

新しい製品・サービス:紫外域から近赤外域を計測する全天候型分光放射計

事業の効果

屋外で全天候型に連続して分光放射強度を計測できる世界的にも珍しい分光放射計を実現した。太陽光発電の太陽電池デバイス開発やモジュール評価などで需要が見込まれる。今後は普及品として低コスト化を進め、新エネルギーや環境・気象計測の分野で事業を展開する方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    日射計の技術蓄積を生かし分光放射計を開発したと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    屋外で連続計測できる分光放射計は世界でもほとんどなく、研究機関での使用実績があると具体的に書かれ、競争優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    普及品向けに低コスト化するという課題と方向性は書かれているが、事業計画としての数値目標や実効性の詳細は薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員数83名や2事業部体制への言及はあるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    太陽電池デバイス開発やモジュール比較評価といった用途と、屋外全天候型で角度特性を保つ特徴が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は低コスト化が課題とされ、検討の方向性はわずかにうかがえるが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    屋外で連続計測できる分光放射計は世界でもほとんどなく、研究機関で使われる高水準の製品と具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用4

    太陽光発電や大気環境、地球温暖化に関わる環境計測の重要性が具体的に述べられ、国が支援する理由がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    新エネルギーや環境・気象計測への展開は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    新エネルギー・省エネ・環境計測分野への進出が書かれ、成長分野への展開として読み取れるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新エネルギーや省エネ、環境・気象計測の分野に力を入れ、低コストの普及品を製作して世界の中で存在感のある会社として展開していきたいとしている。

  • 目標:特注品として2,500nmほどの範囲まで観測可能な機械がある(開発前の数値ではない)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。