ものづくり補助金平成24年度神奈川県

内視鏡・血管内手術を再現した低侵襲手術トレーニング装置の開発

株式会社JMC

この事例のポイント

  • どの手術の練習モデルを作るべきか決めきれず、手術用練習モデルの開発は手探りだった。
  • 臓器や血管などを3Dプリンターで作成し、医療機関、教育機関、医療機器メーカー向けに手術の練習ができるトレーニングモデルを開発した。
  • 補助事業で開発した試作品を展示会に出展したところ、顧客から様々な提案を受けた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社JMC
所在地神奈川県 横浜市
業種その他の製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数60人
資本金2.63億円
設立1992年

事業の背景

1992年創業の会社で、業界に先駆けて3Dプリンター出力事業を始め、その後鋳造事業と医療モデル受託開発・製作事業へ事業を広げてきた。医療用モデルは従来から受託製造を行っていた。3Dプリンター出力事業では品質と納期にこだわり、24時間365日稼働して受注品を最短翌日配送できる体制を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術どの手術の練習モデルを作るべきか決めきれず、手術用練習モデルの開発は手探りだった。
  • 品質・精度内臓は図面も業界基準もなく実物に触れられないため、本物に近い形と感触を再現することが難しかった。
  • 品質・精度顧客の医師ごとに感覚が異なり、すべての医師が満足する製品を開発することが難しかった。

やったこと

臓器や血管などを3Dプリンターで作成し、医療機関、教育機関、医療機器メーカー向けに手術の練習ができるトレーニングモデルを開発した。医療用データのOT画像を元に解剖学的に正しいモデルを作成した。実際の手術で使う医療器具や超音波画像装置が使えるようにした。顧客からの使用感のアドバイスを反映し、位置、素材、色等に改良を重ねて試作品を作り上げた。開発のために多くのサンプルを製造した。

新しい製品・サービス:腹腔鏡下胆嚢摘出手術の練習用トレーニングモデル

事業の効果

補助事業で開発した試作品を展示会に出展したところ、顧客から様々な提案を受けた。欧州を中心とした動物を使った手術練習を禁止する流れは、今後日本にも影響すると思われる。競合他社は少なく、高品質な手術用練習モデルは十分な競争優位性があると感じている。補助事業で得た素材の知見を、今後は3Dプリンター出力事業にも展開していく考えである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    1992年創業以来、業界に先駆けて3Dプリンター出力事業を行い、従来から医療用モデルの受託製造を続けてきた延長上に本事業が位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    3Dデータの編集・加工ができる強みを活かし、競合は少なく高品質な手術練習モデルは競争優位性があると述べられている。数値の裏付けは示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    動物を使う手術練習の禁止の流れを課題・好機として捉えているが、高付加価値化の具体的な計画や数値目標は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。付加価値や賃上げの目標値は記載されていません。

  • 事業を進める体制3

    従業員60名、24時間365日稼働の生産体制、社内一貫体制の鋳造事業などが書かれており、開発を担う体制はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機関・教育機関・医療機器メーカーを顧客とし、医師の手術感覚に近い感触と医療データに基づく正確さを重視して開発したと記載されている。

  • 事業化までの道筋3

    補助事業期間が限られていたため開発を加速し、OT画像データの活用や素材・色の改良を重ねて試作品を作ったと経緯が書かれている。今後の工程表は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    手術練習用の医療モデルは一般に広く普及した分野ではなく、競合が少ないと述べられている。ただし市場規模や価格水準の数字は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    航空宇宙など新分野への進出に触れているが、本事業による雨波及効果や雇用創出の具体的な記述は見当たらない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。補助金投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は記載されていません。

  • イノベーションへの貢献3

    診断画像から3Dデータ、STL変換、3Dプリンター出力までのデジタル工程を活用している。サプライチェーン全体への波及は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    動物を使った手術練習の禁止という社会変化に対応し、医療トレーニング分野へ進出する点は構造転換の一例として読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    横浜市知財みらい企業や神奈川県優良工場として表彰されたと記載されているが、地域経済の成長を牽引する効果は書かれていない。

今後の展望

欧州を中心とした動物を使った手術練習の禁止の流れは今後日本にも影響すると思われ、競合他社は少なく、高品質な手術用練習モデルは競争優位性があると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。