ものづくり補助金平成24年度神奈川県

排水中のレアアースやレアメタル等を効率的に捕捉する回収装置の開発

日本濾水機工業株式会社

成果ある程度精度を落として数万円前後で販売できるフィルターを製作した

この事例のポイント

  • セラミックフィルターの研究開発を創業当初から行っていたが、新製品開発を10年以上行っておらず、社内にフィルターの研究人材がいなかった。
  • 排水中のレアアースなどを回収する装置のため、セラミックフィルターの試作開発を行った。
  • ある程度精度を落として数万円前後で販売できるフィルターを製作した。レアアース市場はリユースが少なく、日本の代替品開発で価格が下がったため、業界団体の反応も薄く販売を中止した。

事業者のプロフィール

事業者名日本濾水機工業株式会社
所在地神奈川県 横浜市
業種はん用機械器具製造業
技術分野粉末治金
従業員数75人
資本金6,000万円
設立1918年

事業の背景

大正7年創業で、セラミックフィルターの製造・販売を主としてきた。現在は売上の7~8割を水処理装置関連が占め、セラミックフィルター・濾過機は売上の2~3割である。従来は横浜市の補助金を利用していたが、神奈川県のものづくり補助金を教えられて応募した。大手はRO膜など細かいフィルターを開発しているが、比較的大きな物質を除去するニッチな市場を狙う方針を立てた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術セラミックフィルターの研究開発を創業当初から行っていたが、新製品開発を10年以上行っておらず、社内にフィルターの研究人材がいなかった。
  • 人手・技能フィルターは穴の大きさを均一にすることが重要だが、開発当初はそのやり方が分からない状態だった。

やったこと

排水中のレアアースなどを回収する装置のため、セラミックフィルターの試作開発を行った。フィルターに空いた穴の大きさを調べたうえで、穴の大きさを一定基準以内に保つようにコントロールする方針で試作を進めた。大手の1本何十万円もする高精度品ほどの精度は求めず、精度を落として数万円前後で販売できるフィルターを製作した。

新しい製品・サービス:レアアース回収用のセラミックフィルター「セラボポア」

事業の効果

  • ある程度精度を落として数万円前後で販売できるフィルターを製作した

レアアース市場はリユースが少なく、日本の代替品開発で価格が下がったため、業界団体の反応も薄く販売を中止した。その後、ワインメーカーと共同で、通常6~7日かかるワインの濾過工程を短縮する研究を進めている。ブドウの種類や温度による差があり、難しさが残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業当初からフィルター研究を行い、売上の2〜3割を占めると書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手がROなど細かいフィルターに注力する一方、比較的大きい物質を除去するニッチ市場を狙う方針が示され、自社の強みを踏まえた位置付けが読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    新製品開発が10年以上途絶えていた課題を認識し、ゼロから開発し数万円前後の低価格品を作ったと書かれるが、事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。数万円前後で販売できるフィルターを製作したとの記述のみ。

  • 事業を進める体制3

    社内にフィルター研究の人材がいなかった点が課題として挙げられ、一貫生産体制を持つことは書かれるが、補助事業の遂行体制は具体的に示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ニッチ市場の顧客ニーズを想定し、1本何十万円の高精度品に対し数万円前後の低価格品を狙った点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    市場の反応が乏しく販売中止に至った経緯と、ワインメーカーとの共同研究への展開が書かれるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大手が手がけないニッチな大粒除去フィルター市場を狙い、低価格品で差別化を図る方針が書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    レアアースのリユース拡大や雇用創出への言及は乏しく、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは補助金投入額に対する付加価値増加の数値は読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイン濾過の日程短縮による生産効率向上を研究している点はうかがえるが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは日本経済の構造転換への寄与は読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    横浜市の企業として地域に根ざす様子はうかがえるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は乏しい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。