ものづくり補助金平成24年度神奈川県

環境配慮型プラズマ滅菌処理装置の開発

株式会社片桐エンジニアリング

この事例のポイント

  • 現在普及しているガス減菌器は毒性のあるガス種に依存しており、ガス漏れなどが起きると使用者に害が及び、安全・環境対策や取り扱いの作業負担が大きい。
  • 酸素などのクリーンなガスを一度プラズマ化し、その力を借りて効率的に滅菌処理する環境配慮型プラズマ減菌処理装置の開発に取り組んだ。
  • ガス減菌器に比べて安全性や環境負荷の面で優位性を持つプラズマ減菌器の実用化を目指している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社片桐エンジニアリング
所在地神奈川県 横浜市鶴見区
業種生産用機械器具製造業
技術分野真空
従業員数44人
資本金1,000万円
設立1991年

事業の背景

当社は真空装置、半導体製造装置、一般機械装置の開発・設計・製作を行い、プラズマCVD装置やドライエッチング装置などの経験を持つ。自社で開発から試験検査まで一貫して行える体制があり、産・官・学連携の共同研究にも積極的に取り組んできた。滅菌分野では毒ガス減菌器が依然使われており、過酸化水素やホルマリンなど競合の存在も出てきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他現在普及しているガス減菌器は毒性のあるガス種に依存しており、ガス漏れなどが起きると使用者に害が及び、安全・環境対策や取り扱いの作業負担が大きい。
  • 新製品・新技術プラズマ減菌は処理時間がガス減菌ほど短縮できておらず、ガス減菌器からの移行が進まないことが課題である。

やったこと

酸素などのクリーンなガスを一度プラズマ化し、その力を借りて効率的に滅菌処理する環境配慮型プラズマ減菌処理装置の開発に取り組んだ。九州大学と医工連携の準備を進め、当社のプラズマ技術を医療分野へ応用する方向で開発を行った。プラズマ減菌器としての原理検証をクリアし、一定条件での受注・販売ができる状態にある。医療機器として製造・販売するため、医薬品医療機器等法に基づく製造所の登録と製造販売業の許可について検討を進めている。

  • その他環境配慮型プラズマ減菌処理装置

新しい製品・サービス:環境配慮型プラズマ減菌処理装置(酸素などのクリーンなガスをプラズマ化して滅菌する装置)

事業の効果

ガス減菌器に比べて安全性や環境負荷の面で優位性を持つプラズマ減菌器の実用化を目指している。現時点では他の減菌方法と比べて優位性が大きくないため、積極的な販売は行っていない。同じ装置を複数台作ることでコストが下がるため、一定台数以上の販売を期待している。今後も改良を続け、医療機器としての販売体制を整える計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成3年創業以来、プラズマCVDやドライエッチング装置の開発に取り組んできたことが読み取れ、プラズマ減菌への展開も連続性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ガス減菌の安全・環境面の課題とプラズマ減菌の優位性を比較し、九州大学との医工連携など強みを活かす記述がある。

  • 課題の認識と解決3

    ガス減菌より処理時間が長い課題を認識し改良の必要性を示しているが、高付加価値化や成長に向けた具体的な計画は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売目標として年に3台以上、売上の10〜20%程度を期待するとあるが、高付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    設計・製作・試験検査まで自社で一貫して行える体制と、産学官連携の実績が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ガス減菌の安全性や後処理の手間に対する優位性は述べられているが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理しきれていない。

  • 事業化までの道筋3

    薬事法の製造販売業許可が未承認であり販売戦略を検討中と課題を示しているが、スケジュールや解決方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ガス減菌が主流の中で、環境配慮型のプラズマ減菌器を開発し、競合の過酸化水素やホルマリンも認識していると述べている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    環境配慮型の減菌技術として医療分野への展開が語られるが、雇用創出や波及効果の具体的な記述はない。

  • 費用対効果2

    同一機を3台以上作るとコストが下がるといった点は触れられているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    医工連携や産学官連携によるプラズマ減菌の開発が記述され、医療分野のイノベーションにつながる可能性がうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

同じものを3台以上製造するとコストが下がるため、一定台数以上の販売を期待している。医療機器としての販売戦略を検討しながら、改良の余地があるとして開発を続ける見通しである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。