ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

次世代火力発電プラントのための量産金型の試作開発

株式会社宮本金型製作所

成果対応サイズ 2,500mm〜3,500mmまで

この事例のポイント

  • 年間12〜16種類の金型開発というハイペース開発が要求されており、既存設備では能力が不足していた。
  • 本事業では5軸制御門型マシニングセンタを導入し、2種類の鋼材を使用する特殊形状金型の加工を可能にした。
  • 対応サイズ 2,500mm〜3,500mmまで。5軸制御門型マシニングセンタの導入により、2種類の鋼材を使う特殊形状金型の加工が可能になり、手作業工程の自動化や複数工…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社宮本金型製作所
所在地奈良県 生駒市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
設立1968年

事業の背景

当社の既存マーケットである自動車部品用金型製造業界は、海外生産との競争が激化する一方、国内の同業他社は中小零細規模が多く年々淘汰されつつあった。当社も危機的状況に陥ったが立て直し、自動車部品業界のみでなく他分野への進出と、金型製造に加え試作開発や最終製品製造への注力による事業の多角化を模索していた。そうした折、試作品開発の受託実績がある顧客から火力発電プラント用排気管部品の試験研究用試作開発の依頼を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力年間12〜16種類の金型開発というハイペース開発が要求されており、既存設備では能力が不足していた。
  • 新製品・新技術火力発電プラント用の量産金型では、素材の特性から一部を耐熱・耐久性に優れた素材に置き換える必要があり、2種類の鋼材を用いる特殊加工への対応が求められた。
  • 新製品・新技術新たな領域である環境エネルギー分野の金型製造へ主力事業を水平展開するため、対応力の確立が必要だった。

やったこと

本事業では5軸制御門型マシニングセンタを導入し、2種類の鋼材を使用する特殊形状金型の加工を可能にした。対応サイズは2,500mm〜3,500mmまで。全56回の仕様・設計変更に対応しながら試作開発を繰り返し、顧客が必要とする鋼材の開発と必要な部品の設計を完了させた。その後、量産用金型の開発要請を受けて本事業に着手した。新型機導入により手作業工程の自動化、複数工程の1工程への圧縮によりリードタイムを短縮し、要求される開発ペースを満たす目途を立てた。さらにIoT・AI技術でマシニングセンタ同士をネットワーク化して連携させ、クラウドを通じて監視・診断することで作業効率を改善した。

加工機サーボプレス800t(富士スチール工業)
加工機油圧プレス1200t(アミノ)
加工機門型5軸対応マシニングセンタ(三菱重工 MVR-30FM/MVR-30EX)
加工機5軸制御門型マシニングセンタ
加工機門型5面対応マシニングセンタ(三菱重工 MVR-25FM)
加工機3次元レーザー加工機(三菱電機 VZ10-30CF-R)
検査測定多関節式三次元測定機(ベクトロン VMC6646MPls)

新しい製品・サービス:火力発電プラント用排気管部品の量産用金型

事業の効果

  • 対応サイズ 2,500mm〜3,500mmまで

5軸制御門型マシニングセンタの導入により、2種類の鋼材を使う特殊形状金型の加工が可能になり、手作業工程の自動化や複数工程の1工程への圧縮によりリードタイムが短縮された。要求される開発ペースを満たす目途が立った。IoT・AI技術でマシニングセンタ同士を連携させ、クラウドで監視・診断することで、さらなる作業効率の改善を達成し、新分野へ進出するに足る成果を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    川上・川下への事業展開を平成24・25年度の補助事業から継続し、環境エネルギー分野へ水平展開すると明記されており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    リーマンショック後の同業者廃業で競合が激減したことや、深絞り・薄板部品の得意分野、試作対応の評価が書かれており、強みと外部環境の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    既存設備では能力不足という課題と、5軸制御門型マシニングセンタ導入による改善は書かれているが、高付加価値化や収益の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年間12〜16種類の金型開発や全56回の仕様変更は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    創業以来の金型製造実績や試作開発の経験が書かれているが、補助事業を担う人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    火力発電プラント用排気管部品の試験研究用試作依頼を受けた経緯はあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由を整理した記述は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    新型機導入、IoT・AIによるネットワーク化、クラウド監視・診断という方法は書かれているが、スケジュールや課題解決の段取りは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    火力発電向け量産金型で2種類の鋼材を使う特殊加工に対応すると書かれているが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    川上・川下への波及や新分野(環境エネルギー)進出は書かれているが、雇用創出や社会的インフラとしての国の補助の必要性は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献4

    IoT・AIでマシニングセンタ同士をネットワーク化し、クラウドで監視・診断して作業効率を改善したと具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    火力発電や環境エネルギー分野への進出が書かれており、構造転換への関連はうかがえるが、市場成長の根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県生駒市の企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

主要取引分野である自動車関連に加え、航空機関連や本事業によって道が拓かれた環境エネルギー分野を開拓し、金型製造の水平展開と、試作品開発・最終製品製造事業の規模拡大を目指す。品質向上・生産効率向上に努め、困難な要求にも柔軟に対応できる体制構築に取り組む。

  • 目標:全56回の仕様・設計変更に対応

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。