ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

複合加工機導入による半導体製造装置向け消耗部材の精度向上と納期短縮

株式会社ヤマザキテクノ

この事例のポイント

  • 半導体基板の研磨機用消耗部品・治具の引き合いが殺到し、現状の生産工程では顧客ごとのニーズにきめ細かく即応できない危機的な状況にあった。
  • 内径研磨装置(ガラスプラッタHDD基板)向けの高速回転対応型ブラシホルダー・ブラシサポートユニットを試作開発した。
  • 複合加工機、高精度ツーリング、3次元測定機の導入により、消耗部品や治具を素材から完成品まで短時間で高精度に加工できる生産プロセスを構築した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマザキテクノ
所在地群馬県 太田市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

スマホ・タブレットの急速な普及により、4Gなどの機器の高性能化やIoT、クラウドコンピューティングの普及が進んでいる。これに伴い、端末に組み込まれる半導体や高周波フィルタ、データセンター向けHDDの需要が増加している。当社が納品してきた端面研磨機・外周研磨装置・内径研磨装置はフル稼働し続けており、これらで使用される消耗部品・治具の引き合いが殺到していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程半導体基板の研磨機用消耗部品・治具の引き合いが殺到し、現状の生産工程では顧客ごとのニーズにきめ細かく即応できない危機的な状況にあった。
  • 生産能力オーダーへの即応に加え、将来の市場も視野に入れた高度な生産プロセスへの転換が喫緊の課題となっていた。

やったこと

内径研磨装置(ガラスプラッタHDD基板)向けの高速回転対応型ブラシホルダー・ブラシサポートユニットを試作開発した。端面研磨装置向けワークセット治具は、セット枚数を増やすための試作開発を行った。IoTを活用したスマートファクトリーに取り組み、実績の見える化と管理工程の低減により生産性を高め、試作では作業時間を76%削減した。3次元測定機を導入し、測定結果を前工程に利用することで、より高精度な加工を実現した。

加工機最新型の旋盤型複合加工機
その他高精度な加工に最適なツーリング
検査測定最新型の3次元測定機

新しい製品・サービス:研磨装置用高回転対応型消耗部品、増産対応型ワークセット治具など

事業の効果

複合加工機、高精度ツーリング、3次元測定機の導入により、消耗部品や治具を素材から完成品まで短時間で高精度に加工できる生産プロセスを構築した。2つの試作開発は両者とも高精度な加工を達成し、試作では作業時間が76%削減された。3次元測定機の導入で熟練工の勘や経験に頼っていた測定を見直し、製品精度と納期対応力が向上した。増産要望の強い3社への供給により、売上の増加も見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    スマホ・半導体需要の急増を背景に研磨機消耗部品の引き合いが殺到し、既存納品装置の延長で対応する事業と読めるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既納品の端面研磨機・外周研磨装置・内径研磨装置がフル稼働し顧客需要に即応できない状況と書かれるが、自社の強み・弱みの分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    顧客即応の危機を課題として挙げ、複合旋盤導入と納期短縮で試作の作業時間が76%削減と具体的な改善が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    初年度売上目標2,000万円、5年目4,000万円と数字が示され、増産ニーズのある取引先3社への提供計画も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人の企業と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は研磨機消耗部品の引き合いが殺到する取引先で、高回転対応や増産対応のセット治具を提供すると書かれるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    試作の成果を量産に移す段階と、3社への提供で5年目目標を置く流れが示され、目標達成に向けたスケジュールが読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度な内径研磨用ブラシホルダーやタイトな高精度加工を目指すとあるが、分野の認知度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    スマホ・IoT・HDD需要の増加を背景に、半導体基板工場の生産を支える部材供給という役割が書かれている。

  • 費用対効果3

    試作の作業時間76%削減と売上目標は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTを活用したスマートファクトリーで実績の見える化を行い、測定結果を前工程に活かす取組があるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体・スマホ市場の成長分野に関わるとうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及2

    太田市の企業であることは記載されるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長牽引の記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

増産要望の強い取引先3社合計で、初年度の売上目標2,000万円、5年目に4,000万円を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。