ものづくり補助金平成24年度神奈川県

発泡性を付加した日本酒を夏でも安定した品質で常温流通可能にするための設備導入計画

泉橋酒造株式会社

この事例のポイント

  • 夏場の生酒の販売増加に対応するための製造能力が不足していた。
  • ベテラン杜氏を中心に外部のアドバイザーを加え、常温流通が可能な発泡日本酒の開発を試行錯誤しながら進めた。
  • 補助事業終了後、常温で流通できる発泡日本酒の販売を始め、現在で既に5回目の夏を迎えている。

事業者のプロフィール

事業者名泉橋酒造株式会社
所在地神奈川県 海老名市
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数25人
資本金2,000万円
設立1857年

事業の背景

酒米の栽培から精米・醸造まで一貫して行う酒造メーカーで、平成17年から精米工程の内製化に取り組んできた。補助事業の前には製造設備の取換投資を計画していたが、夏場の生酒の販売増加という経営課題もあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力夏場の生酒の販売増加に対応するための製造能力が不足していた。
  • 新製品・新技術夏でも常温で流通できる発泡日本酒の製造が難しかった。
  • コスト・採算低温流通にかかる費用が負担になっていた。

やったこと

ベテラン杜氏を中心に外部のアドバイザーを加え、常温流通が可能な発泡日本酒の開発を試行錯誤しながら進めた。試作品のテストと試飲を繰り返し、微発泡にごり純米酒「とんぼスパークリング」を完成させた。発泡日本酒の製造に必要な設備を追加で導入した。補助事業終了後、耐圧・耐熱性の高い720mlの瓶も瓶製造メーカーと協力して開発した。

  • 加工機発泡日本酒の製造に必要な設備

新しい製品・サービス:常温流通が可能な微発泡にごり純米酒「とんぼスパークリング」

事業の効果

補助事業終了後、常温で流通できる発泡日本酒の販売を始め、現在で既に5回目の夏を迎えている。常温流通が可能なため、低温流通のコスト高騰の影響を受けていない。東南アジア各国や上海への輸出実績もあり、事業計画は成功したと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成17年から経営革新計画で精米工程の内製化に取り組み、地域資源活用補助金も採択されており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    夏場の生酒販売増加という経営課題と、常温流通可能な発泡日本酒の開発の関係は読み取れるが、市場動向や競合との比較は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    夏場の生酒販売増加と低温流通コスト高騰という課題を挙げ、常温流通可能な発泡酒で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    常温流通や売上好調の記述はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    ベテラン杜氏と外部アドバイザーを巻き込んで試作を行い、申請書を自分で作成したとあり、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    夏でも常温で流通でき、東南アジア各国や上海から引き合いがあるという、製品の価値と選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    完成後の販売開始や、追加で720mlの瓶を開発している中長期の展開が書かれているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    常温流通が可能な発泡日本酒という新商品で、夏場の生酒の課題に応えており、一般的でない高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の酒米生産者や農業技術センターとの連携、約40ヘクタールの栽培面積がうかがえるが、国が補助する積極的理由としては書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金で計画を発展させたことや売上好調は書かれているが、補助金額に対する付加価値額や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外への輸出実績や東南アジア・上海からの引き合いがうかがえ、市場拡大の方向性は示されている。

  • 地域経済への波及4

    海老名市や座間市、相模原市で酒米を栽培し地元産95%余りを使うなど、地域資源を活かした事業が具体的に書かれている。

今後の展望

発泡日本酒の火入れに耐える720mlの瓶が完成し、近く販売を開始できる段階にある。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。