ものづくり補助金平成24年度新潟県

透明体等ウェーハのキズ・パーティクル自動検査装置の試作開発

株式会社ジャステム

成果パーティクル検出精度の目標1.0μmは達成できた。

この事例のポイント

  • 透明体等ウェーハ製造の品質や歩留まり向上のため、表面のキズやパーティクルの自動検査が課題となっている。
  • 照明光源をワークであるウェーハ面の中心からの仰角で任意の角度に位置決めできる機構を設計し、正反射光線の影響を低減する機構も設計した。
  • パーティクル検出精度の目標1.0μmは達成できた。本開発により、透明体等ウェーハの検査を自動化し、品質や歩留まり向上、検査の省力化につながる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジャステム
所在地新潟県 新潟市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野位置決め
従業員数13人

事業の背景

同社は検査測定自動化装置の開発・設計・製造を手がけている。省エネルギー効果の高い次世代パワー半導体SiCやGaNウェーハは今後毎年10%以上の成長が見込まれ、現在の売上100億円から2020年までには1,700億円に拡大すると予測されている。透明体ウェーハを必要とする電子部品の需要拡大を受け、ウェーハメーカでは生産ラインの増設も本格化している。本事業の検査装置はニッチ分野だが、市場規模は数十億円に成長すると予測される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度透明体等ウェーハ製造の品質や歩留まり向上のため、表面のキズやパーティクルの自動検査が課題となっている。
  • 人手・技能検査の省力化が求められているが、従来の検査は目視に頼っており省力化が進んでいない。
  • コスト・採算微小なキズやパーティクルを検査するレーザー照射散乱光検査方式の装置は高価である。

やったこと

照明光源をワークであるウェーハ面の中心からの仰角で任意の角度に位置決めできる機構を設計し、正反射光線の影響を低減する機構も設計した。機械的完成度はほぼ十分で、完成度は95%と考えている。ワークサイズは4〜8インチを対象とし、タクトの目標は20〜60秒/枚とした。装置は8インチを測定できる機構としたが、事業ではサンプルとして4インチを購入し、4インチで20秒/枚を目標に測定技術の確立を目指した。0.2、0.3、1.0μmの各種標準粒子を塗布したウェーハをサンプルとして、粒子を認識できる照明光源の色味や仰角などの最適条件を抽出した。画像処理ライブラリー機能を活用して、キズ、パーティクル、汚れの大きさ、数、位置座標を算出するアルゴリズムを確立し、粒子サイズごとの判定基準を決定した。PLCによる装置の駆動・位置決め・照明切替えのソフトと、検査結果をモニタ上にマップ表示するPCソフトも開発した。

  • 検査測定透明体等ウェーハ検査装置画像処理自動検査装置
  • その他照明切替え・位置決め機構
  • ソフトPLC制御ソフト検査結果マップ表示PCソフト

新しい製品・サービス:透明体等ウェーハ表面のキズ・パーティクルを画像処理で自動検査する検査装置

事業の効果

  • パーティクル検出精度の目標1.0μmは達成できた。
  • 機械的完成度は95%と考える。

本開発により、透明体等ウェーハの検査を自動化し、品質や歩留まり向上、検査の省力化につながる見込みである。コスト抑制型の画像処理検査装置は、レーザー方式に比べて価格面で優位性があり、類似引き合いへの対応技術も蓄積できた。今後はMEMSや極小プリズムなど新分野の外観検査にも応用して新たな販路を開拓し、売上アップと収益強化を目指す。導入ユーザーでは省力化や品質・歩留まり向上により競争力強化が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の検査測定自動化装置の開発・設計・製造を事業とし、画像処理検査技術の確立が今後の受注につながると書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    レーザー方式が数千万円に対し、画像処理方式は1,500万円程度と価格優位性が示されているが、市場シェアや競合の強みの分析は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    キズ・パーティクル検査の課題を挙げ、検出精度や判定基準の課題も示されるが、高付加価値化につながる具体的な事業計画は読み取れない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    検出精度は1.0μmのみ達成、タクトは目標20秒/枚に対し短縮が課題と記載され、高付加価値や賃上げの目標値は見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    試作開発の実施体制や技術蓄積は書かれているが、従業員13人の中での人員配置や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対象は透明体ウェーハの表面検査で、顧客企業は1.0μm以下の検出を求めると明記され、顧客ニーズと価格面の選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    課題として検出精度向上とタクト短縮が挙げられ、今後の課題が示されるが、スケジュールや解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ウェーハ検査はニッチ分野で、画像処理方式は従来のレーザー方式より低価格である点が具体的に示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    SiCやGaNの市場が2020年までに100億円から1,700億円へ拡大すると予測され、産業への波及効果が数字で示されている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加額、生産性向上の数値は示されず、費用対効果はうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理による自動検査で省力化や歩留まり向上を図り、自動車・電子部品・医療機器にも展開すると書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    パワー半導体やウェーハ市場の成長分野への進出と読めるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

今後は1.0μm以下のパーティクル検出に向けて検出精度をさらに高める必要がある。透明体等ウェーハ生産や応用電子部品・製品は今後の大きな成長分野であり、MEMS、極小プリズムなど新分野の外観検査にも展開する。自動車部品、電子部品、医療器具部品メーカなどへの画像処理検査装置の活用も今後具体的に進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。