ものづくり補助金平成26年度製造業山梨県

熱対策樹脂基板用全自動パターン検査機の全自動化の開発について

新旭電子工業山梨 株式会社

成果不良流出 0

この事例のポイント

  • 断線やショートに加え、電気検査でも検出できない「しかかり」と呼ばれる不具合モードが増え、リコールなどの甚大なクレームにつながるリスクが高まっている。
  • 熱対策樹脂基板用全自動パターン検査機を開発し、全自動のインライン型で導入した。
  • 不良流出 0。全自動パターン検査機の開発が完了し、熱対策樹脂基板の量産化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名新旭電子工業山梨 株式会社
所在地山梨県 南アルプス市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数245人
資本金1億円
設立2015年

事業の背景

当社の主力は、自動車に搭載されるナビゲーターや計器に使われるプリント配線板である。自動運転への関心が高まるなか、自動車分野では絶対の安全性が求められ、パターン検査は生産ロット全数を保証する方法が必須になっている。当社は熱対策樹脂基板を自動車向けに拡大することを目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度断線やショートに加え、電気検査でも検出できない「しかかり」と呼ばれる不具合モードが増え、リコールなどの甚大なクレームにつながるリスクが高まっている。
  • コスト・採算既存のパターン検査機は手動設備しかなく、全数保証でコストを下げるには高速で全自動の検査機が必要だった。
  • 生産能力熱対策樹脂基板は検査工程が量産化のネックになっており、現有の検査機では量産化や品質保証の効率化に課題があった。

やったこと

熱対策樹脂基板用全自動パターン検査機を開発し、全自動のインライン型で導入した。DESライン(エッチングライン)からパターン形成された基板をそのままコンベアで検査機へ搬送し、両面同時にパターン検査を行うため、人の介在なく検査が終了する。検査結果は検査員がデータで確認し、良品・不良品を判定する。目標は不良流出0、検査コスト90%削減、生産性5.0倍であった。

検査測定熱対策樹脂基板用全自動パターン検査機

新しい製品・サービス:熱対策樹脂基板

事業の効果

  • 不良流出 0
  • 検査コスト 100%→10%
  • 生産性 1倍→5倍

全自動パターン検査機の開発が完了し、熱対策樹脂基板の量産化が可能になった。全数検査の自動化により、不良流出0、検査コスト90%削減、生産性5.0倍を目標として実現できた。独自性が高く高品質な製品を顧客に提供できるようになり、事業拡大への大きな課題が解決された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    熱対策樹脂基板は自社の加工技術で開発されたとあり、中期販売計画に位置付けられている。過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    現在他社に全自動の検査機はなく、車載分野での拡大を考えている自社で、生産性とコストに優位性があると記載されている。

  • 課題の認識と解決4

    課題はパターン検査工程がネックになっていることと明記され、全自動化で不良流出0、検査コスト90%削減、生産性5.0倍の目標を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    不良流出0、検査コスト90%削減、生産性5.0倍という数値目標が示され、開発完了と記載されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    実施主体や人材体制、事務処理能力について記載は少なく、開発完了の記述のみでうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは自動車用途のエンジンECU、EVモータ、ADASなどで、高品質・低コストという顧客ニーズが具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    開発は完了したとあるが、中長期の遂行方法やスケジュールは書かれておらず、顧客との開発件名が推進中とあるのみ。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    熱対策樹脂基板は銅厚100〜300μmで一般家電の4〜50μmより厚く、現在は他社に全自動機がないとされ、高付加価値の分野にある。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動運転など車載の安全性需要に触れているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    検査コスト90%削減や生産性5.0倍は示されるが、補助金額に対する付加価値増加は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    全自動インライン検査は先端的な自動化だが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    HV・EVの電動機の大電流・高発熱対策という成長分野への対応が書かれ、日本の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客との開発案件が現在推進中である。

事業者の声

今回の熱対策樹脂基板用全自動パターン検査機は現在他社にはなく、車載分野での拡大を考えている自社において、生産性、コストに対し非常に優位性がある。この開発設備は、今後更に品質要求が高まると考えられる中、他社との差別化を品質、コストの両軸で訴求できることは中期販売計画を達成するうえで大きなファクターとなると考えられる。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。