ものづくり補助金平成24年度新潟県

薄板材を切削加工する超高速小径エンドミル加工機の開発

株式会社片山抜型製作所

成果製造工程数 2工程→1工程

この事例のポイント

  • 市販の汎用機では大きな加工面積で主軸回転数が低く、高速回転の機種は加工面積が小さいため薄板素材の加工に不向きであった。
  • 大面積の薄板材を専用に切削加工する超高速エンドミル加工機の試作機を製作した。
  • 製造工程数 2工程→1工程。試作機を元に薄板精密加工機「DiemexPP-118」が完成し、販売製品として販売している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社片山抜型製作所
所在地新潟県 長岡市
業種その他の製造業
技術分野金型
従業員数34人
資本金1,560万円
設立1971年

事業の背景

当社は印刷紙器製造業界で紙箱を打ち抜く抜型の製造販売を専業として発展してきた。抜型の市場規模は約200億円と想定されている。需要が伸びると予測し、メタル・ダイとメタルカウンタープレートを組み合わせた製造で対応しようとした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力市販の汎用機では大きな加工面積で主軸回転数が低く、高速回転の機種は加工面積が小さいため薄板素材の加工に不向きであった。
  • コスト・採算市販の汎用機Aでは加工時間が長くなり、汎用機Bでは加工時間は短縮できるものの設計と加工データの準備が複雑で工数が増えた。
  • 品質・精度ベニヤ合板のレーザー・ダイは温度・湿度の影響で寸法精度が安定せず、耐久性と高精度を求める需要に対応できなかった。

やったこと

大面積の薄板材を専用に切削加工する超高速エンドミル加工機の試作機を製作した。試作機は4万回転の主軸と大面積の加工範囲(1100×800mm)を持つ超高速小型マシニングセンタとして、紙器パッケージの打抜き加工に用いる抜型および面板加工に最適化した。アルミやSUSなどの薄板(1-3mm厚)に細い溝(0.7-1.5mm幅)を加工する技術を基盤とし、温度変化による広い加工面内での寸法変動の抑制、集塵(切粉回収)設備の検討(最適なノズル形状等)に注力して検証改良を行った。試作機は長岡事業所に設置して生産ラインで稼働させ、性能と生産性の向上を実証しつつ製造工程を改善した。

加工機超高速小型マシニングセンタ(薄板精密加工機 DiemexPP-118)

新しい製品・サービス:高速エンドミル加工機(薄板精密加工機)「DiemexPP-118」

事業の効果

  • 製造工程数 2工程→1工程
  • 機械性能の大幅な向上によって切削加工時間を25%削減した。
  • 前述の1工程の削減と併せて全加工時間の40%削減を実現した。
  • 機械性能の向上に伴う製品仕上がり品質の向上によって、仕上げ等の作業時間を42%削減した。
  • 消費電力量、人件費等を削減し、製造コストを20%削減した。

試作機を元に薄板精密加工機「DiemexPP-118」が完成し、販売製品として販売している。製造工程が1工程削減され、全加工時間は40%削減された。人手による仕上げ等の作業時間も42%削減された。消費電力量や人件費の削減により製造コストは20%削減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    市販の汎用機では加工面積や主軸回転数の課題があり、専用機開発に取り組んだと書かれているが、過去の取組との連続性までは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存汎用機の不都合を整理し、高速回転と大面積加工を両立する専用機を目指したと具体的に書かれ、強みの説明がある。

  • 課題の認識と解決4

    2工程を1工程に削減、加工時間25%削減など、課題に対する実効性ある改善が数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間25%削減、全加工時間40%削減、仕上げ作業42%削減、製造コスト20%削減と数値目標の成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員34人の会社で試作機を長岡事業所の生産ラインで検証したとあるが、補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金属抜型は樹脂に比べ1000万~2000万ショットと耐久性が高く、品質向上の利点が具体的な数字で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、検証改良、販売製品への展開という流れは書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    レーザー・ダイの市場規模約200億円に対し、金属抜型は高水準の耐久性と精度を持つ高付加価値化を図る点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    市場規模約200億円や取引先への付加価値提供に触れるが、地域波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    加工時間40%削減や製造コスト20%削減など効果は数値で示されるが、補助金額との対比による費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高速エンドミル加工機の開発による専用機化は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    薄板の精密加工機という専用機開発は読み取れるが、日本経済の構造転換に資する点までは書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    新潟県長岡市の地元企業の協力を得て開発したとあり、地域との関わりがうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

同機で製造した抜型を使って加工された紙箱の抜きあがり製品の品質は、従来の木型や樹脂の抜型に比べて格段に「品質が向上している」と日根哲製造部部長は言う。取引先に対し「付加価値を提供できると思う。メタルカウンターをもっと普及させていきたい」と話している。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。