ものづくり補助金平成24年度新潟県

3Dプリンター造型機導入とダイレクト鋳造の実現による精密鋳造品の開発

株式会社三雄工芸

成果納期 7日→1日

この事例のポイント

  • 高度な技術を要する製品は外注に出さざるを得ず、サンプル作成や製品化までのタイムラグが大きい。
  • 3Dプリンター造型機を導入し、自社で3Dプリンターによるサンプル作成と、ダイレクト鋳造技術の導入を行った。
  • 納期 7日→1日。自社で3Dプリンターによるサンプル作成と高度な技術を要する製品の鋳造が可能となり、ワンストップ化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三雄工芸
所在地新潟県 見附市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数32人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社はジュエリー、アクセサリーの製造・販売・卸を手がけ、2009年に自社ブランド『アトリエ・クラム』を立ち上げてオーダーメイドのウェディング・リングを製造している。オーダーメイドジュエリー業界では大企業がほとんどなく中小企業(町工場)が多くを占める。国内の町工場は、デザインから原型製作、鋳造、販売まで各段階で分業化されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高度な技術を要する製品は外注に出さざるを得ず、サンプル作成や製品化までのタイムラグが大きい。
  • コスト・採算外注によるコストが大きく、品質にばらつきがあって使えず廃棄する場合もあった。
  • 新製品・新技術顧客への提案材料が3D-CAD図面に限定されており、サンプルを用いた提案ができなかった。

やったこと

3Dプリンター造型機を導入し、自社で3Dプリンターによるサンプル作成と、ダイレクト鋳造技術の導入を行った。素材ごとの最適な製造条件を確立するため、ダイレクト鋳造による試作品の製造・開発を行った。試作品の品質(精密性・デザインの忠実性)とコストを検討し、設計・デザイン段階へフィードバックした。実現した新技術を既存製品に融合させ、顧客への商品提案力を高めた。

加工機3Dプリンター造型機

新しい製品・サービス:3Dプリンターとダイレクト鋳造による精密鋳造品(試作品製造を含む)

事業の効果

  • 納期 7日→1日
  • サンプル製造コスト 50,000円→5,000円

自社で3Dプリンターによるサンプル作成と高度な技術を要する製品の鋳造が可能となり、ワンストップ化が実現した。サンプル作成と鋳造の時間が短縮され、サンプルを用いた提案までのスピードや納期が大幅に改善した。外注と比べ製造コストも下がり、コストダウンが可能となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のジュエリー生産の内製化と試作・鋳造の強化が事業の流れとして書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    分業化された町工場の中で一貫体制を強みとすることが書かれ、競争優位の方向性はうかがえるが、市場動向の数値的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外注による納期1週間、試作コスト約5万円といった課題が具体的に示され、3Dプリンター導入で1日・約10分の1に改善した点が記されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    納期短縮やコスト削減の結果は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数32人や設立年などは書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材配置の記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    マリッジリング等の顧客ターゲットや、指紋・イラスト等の刻印、提案から商品提供までの速さといった選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    手順1〜4として導入、試作、設計へのフィードバック、提案方法の革新の流れが示されるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ダイレクト鋳造による精密鋳造品は高品質・高付加価値の方向性が示されるが、市場での普及度の数値は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内町工場の分業化や海外生産移転が背景として書かれ、わずかに社会的意義がうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    外注費用約5万円が約10分の1に下がった点は示されるが、補助金投入額に対する効果の算定は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンターによる造型とダイレクト鋳造の導入が示されるが、地域やサプライチェーン全体への波及は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    工業製品の試作品製造分野への参入が目指されているとあり、わずかに成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    新潟県見附市の町工場であることや、長岡・新潟の店舗展開が書かれ、地域の事業であることは読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新事業の育成にも注力し、細かな製品の製造ノウハウを活用して異業種からの細かな製品の製造受注を行う事業を強化していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。