ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

3次元造形を軸とした線材製品製造工程の標準化と高能率化

株式会社サカイテック

成果納期はこれまで2週間程度かかっていたが、治具製作の納期短縮を武器に拡販活動に入った。

この事例のポイント

  • 線材加工製品の製造工程で、位置決め作業と加工精度測定が不安定で、製造工程全般の標準化を難しくしている。
  • 熟練技術に頼らない製造工程を構築するため、位置決め作業の標準化と加工精度測定の標準化のための治具・装置を開発した。
  • 納期はこれまで2週間程度かかっていたが、治具製作の納期短縮を武器に拡販活動に入った。検査用測定治具の作成により検査時間が短縮され、検査のばらつきもなくして標準化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サカイテック
所在地大阪府 堺市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測,立体造形
従業員数30人
資本金2,500万円
設立1986年

事業の背景

昭和61年に創業し、プレス加工から始まり、パイプ加工、溶接加工、レーザー切断加工、板金加工、丸棒加工と社内設備を整えてきた。大量生産の時代から多品種少量生産へと移行し、商品サイクルの短期化により多品種変量生産の時代に入った。治具の納期は従来約2週間かかっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力線材加工製品の製造工程で、位置決め作業と加工精度測定が不安定で、製造工程全般の標準化を難しくしている。
  • 人手・技能位置決め治具・精度測定治具を外注加工で製作しており、現有設備では仕様の検討・加工を外注するしかない。
  • 納期・工程完成形状に制約が多く仕様のすりあわせに時間を要するため納期が長くなり、変更などの迅速な対応に障害が出ていた。

やったこと

熟練技術に頼らない製造工程を構築するため、位置決め作業の標準化と加工精度測定の標準化のための治具・装置を開発した。3DCADを導入し、サンプル製作などを通じて操作を習熟して治具設計が可能になった。3Dプリンターは液体樹脂を紫外線ランプで硬化させて造形する方式で、精度の高さを最も重視して選定した。平成27年6月に3DCADと3Dプリンターともに稼働可能となり、治具製作の納期短縮を実現した。

ソフト3DCAD
その他3Dプリンター

新しい製品・サービス:丸棒などを曲げてからねじ加工できる新たな曲げ加工機

事業の効果

  • 納期はこれまで2週間程度かかっていたが、治具製作の納期短縮を武器に拡販活動に入った。
  • 検査の誤差範囲 0.5mm→0.1mm
  • 平成27年12月期は受注が前年度比5%増えた。

検査用測定治具の作成により検査時間が短縮され、検査のばらつきもなくして標準化が可能になった。不良部分も数値化でき、合格・不合格を一瞬で判断できるようになった。治具の納期は短縮され、3次元造形の導入で新たな受注が増え、平成27年12月期は前年度比5%増となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来のプレス・溶接・丸棒加工の経験を深め、3次元造形を軸に位置付けた方針が記載され、過去の取組との連続性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種変量生産への移行という外部環境を示し、3Dプリンター導入後に受注が前年度比5%増えたと数字で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    位置決め作業と加工精度測定の不安定さという課題を明示し、3次元造形で標準化する解決策と納期短縮の効果が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注増を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が少ない。

  • 事業を進める体制3

    社員30名、60歳以上の熟練者、ベトナム研修生の受け入れなど人員面の記載はあるが、補助事業の遂行体制として具体的な役割分担は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期・高精度を武器に顧客へ最適生産を提供すると述べ、±0.5mmから±0.1mmへの精度向上など顧客価値が数字で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後、製造段階の位置決め治具も開発すると次の計画が示されているが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    3Dプリンターによる治具製作は高精度を重視した手法だが、分野の普及度や高価格化の水準についての記載はわずかである。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    熟練技術に頼らない製造工程により雇用の機会を創出すると記載されているが、経済波及効果の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    検査時間の短縮や納期の短縮は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3DCADと3Dプリンターを導入して治具製作の納期を短縮したと書かれ、デジタル技術の活用は読み取れるが、業界全体への貢献は不明。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    多品種変量生産の時代への移行に対応すると述べられているが、日本経済の構造転換に資するとの記載は限定的である。

  • 地域経済への波及2

    堺市の企業として地域の団体や異業種交流団体の役員を務めると書かれているが、地域の特性を活かした成長の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

検査用測定治具だけでなく、製造段階の位置決め用治具も近いうちに開発する。3次元造形技術をさらに高め、丸棒・線材加工部品の加工精度を向上し受注増を目指す。熟練技術の伝承を容易にし、社員個々の技術を向上させる。

事業者の声

「図面さえいただければ即日製品化できる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。