ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

3次元CAD/CAM・3Dプリンターの導入によるロボットの短納期による製品開発の実現

会川鉄工株式会社

成果設計図面を作成する工数は88時間も短縮した

この事例のポイント

  • 駆動部に搭載するジュラルミン部材の図面製作に約100時間を要し、多大な作業工数を掛けていた。
  • 3次元CAD/CAMとあわせて3Dプリンターを導入し、図面作成から模型製作、検査までを内製化した。
  • 設計図面を作成する工数は88時間も短縮した。設計から製作までの一連の工程を内製化し、短納期化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名会川鉄工株式会社
所在地福島県 いわき市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,立体造形
従業員数100人
資本金3,000万円
設立1958年

事業の背景

昭和21年に製缶・鋳鉄・銅合金鋳物の製造販売から始まり、エネルギー・環境衛生・建設・機械などの基幹分野へプラントや資材を供給してきた。平成29年6月にわが国初の風力発電タワー専用工場が操業を開始した。震災と原発事故の翌年に産学官コンソーシアムへ参画し、風力発電を新分野として育成を図ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力駆動部に搭載するジュラルミン部材の図面製作に約100時間を要し、多大な作業工数を掛けていた。
  • コスト・採算切削加工をアウトソーシングしていたため、コスト高を招いていた。
  • 納期・工程設計開発から納品まで3ヵ月を要していた。

やったこと

3次元CAD/CAMとあわせて3Dプリンターを導入し、図面作成から模型製作、検査までを内製化した。ロボット部材の模型を2タイプ3Dプリンターで試作した。組立図に基づく単品図(A3サイズ)150枚の作成を、データ上での設計に置き換えた。図面引き・設計図の検証・図面作成の工程を省略し、設計図面作成の工数を88時間短縮した。

ソフト3次元CAD/CAMシステム
その他3Dプリンター

新しい製品・サービス:災害対応ロボット

事業の効果

  • 設計図面を作成する工数は88時間も短縮した
  • 設計開発から納品までの期間 3ヵ月→1ヵ月

設計から製作までの一連の工程を内製化し、短納期化を実現した。設計開発から納品までの期間は3ヵ月から1ヵ月に短縮され、設計図面作成の工数も88時間削減された。内製化により開発製造コストや外注費を抑えるめどが立ち、新しい工法の定着が期待される。立体造形や機械制御の技術は、災害対応ロボットから風力発電施設、医療・介護分野へ波及する可能性がある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    風力発電タワー製作を成長戦略の象徴と位置付け、2017年6月の専用工場稼働や災害ロボット開発への展開が時系列で示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内の小型・海外の大型など市場別供給に触れる一方、自社の強み・弱みと競争優位の関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ジュラルミン部材の図面製作約100時間や切削のアウトソーシングによるコスト高という課題を示し、内製化で解決する流れが書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    設計開発から納品まで3ヵ月が1ヵ月になったと短納期化の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    50年以上のベテラン職人が多く揃うと人材面に触れているが、補助事業を遂行する体制の具体的な配置や事務体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    災害対応ロボットの市場調査や自治体の消防部門へのアプローチ予定にわずかに触れるが、顧客ニーズの裏付けは示されていない。

  • 事業化までの道筋3

    1年目からの市場調査や開発費削減と性能アップを前提にした事業展開の方針が書かれているが、スケジュールの詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    風力発電タワーを国内で初めての専用工場で手がけ、災害対応ロボットも新分野として挙げられている。市場での普及度の比較は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    災害対応ロボットや風力発電など、地域の再生可能エネルギーや浜通りの産業創出への貢献が書かれているが、国が補助する理由の定量的根拠はない。

  • 費用対効果2

    設備投資効果による品質向上や製造コスト抑制に触れるが、補助金投入額に対する付加価値額の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CAD/CAMと3Dプリンターを災害ロボットや医療・介護へ応用できる可能性が示されているが、サプライチェーンへの波及は具体的でない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    再生可能エネルギーを新分野として育成し、風力発電タワーを海外へ発信する方針が書かれているが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及3

    福島県の再生可能エネルギー関連産業推進協議会への参画や浜通りのプロジェクトへの関与が書かれ、地域特性を活かす姿勢がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

災害対応ロボットの事業化に向けて市場調査を1年目から実施し、開発費削減と性能向上を確実にした上で自治体の消防部門へアプローチする。風力発電、建設、医療・介護と並ぶ事業分野の育成を本格化し、東北・全国へ対象エリアを広げる。

事業者の声

風力を通じて日本のモノづくり・匠の技を若手に伝承し、国内・海外に発信していくことが当社の使命であると感じております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。