ものづくり補助金平成24年度富山県

金型資産のデータベース化により海外企業との差別化をはかり海外市場に販路拡大

株式会社フジタ

この事例のポイント

  • 海外企業と差別化するため、ものづくりを基本としつつ常識にとらわれない発想で挑戦する必要があった。
  • 平成24年3月にCNC三次元測定機を導入した。
  • CNC三次元測定機の導入により、スキャニングによる新規事業が広がり、設備を持たない企業や個人からのスキャニング依頼にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フジタ
所在地富山県 高岡市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数13人
資本金1,500万円
設立1963年

事業の背景

リーマンショック後、製造業界は生産拠点の海外シフトに拍車がかかり、大きな打撃を受けた。当社は総合金型メーカーとして、アルミ鋳造金型の設計・製作やアルミ削り出し加工を行い、アルミホイールや自動車部品向けのアルミ鋳造金型が主力製品である。海外企業と差別化を図り生き残るため、ものづくりを根底としつつ常識にとらわれない発想で挑戦する「創造企業」を目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術海外企業と差別化するため、ものづくりを基本としつつ常識にとらわれない発想で挑戦する必要があった。
  • 新製品・新技術出荷後に残る金型の図面とモデルデータを資産として活かせていなかった。
  • 品質・精度金型製作の精密加工技術を高めるとともに、ワイヤーカット放電加工のボトルネックを解消する必要があった。

やったこと

平成24年3月にCNC三次元測定機を導入した。この測定機はタッチプローブによる接触測定とレーザープローブによる非接触測定の両方が可能で、スキャニングによる複雑形状の測定とデジタル保存ができるようになった。これにより、図面のない金型や修理・改良を依頼された金型を測定し、蓄積されたデータと照合・比較して迅速に対応できるようになった。さらに25年度の補助金でワイヤーカット放電加工機を1台増設し、金型製作の精密加工技術向上とボトルネック解消を図った。

検査測定CNC三次元測定機
加工機ワイヤーカット放電加工機

事業の効果

CNC三次元測定機の導入により、スキャニングによる新規事業が広がり、設備を持たない企業や個人からのスキャニング依頼にも対応できるようになった。金型資産のデータベース化が実現し、寸法精度の高精度化により顧客からの信用度も上がった。ワイヤーカット放電加工機の増設では加工時間が短縮され、48時間の自動運転が可能になったことで、省人化と多能工化による新たな生産プロセスを構築できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    金型設計・製作の事業で、金型資産のデータベース化と測定機導入が継続的な取組として書かれているが、経営戦略上の位置づけは具体的に述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    海外企業との差別化や『創造企業』を目指すとあるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は記載がなく、わずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決3

    図面が無い金型や修理依頼金型を測定・照合できるようになったと課題解決の方向は読めるが、高付加価値化の数値目標などは書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    インターンシップや多能工化に向けた人材育成に取り組んでいることは読み取れるが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    スキャニングで設備を持たない企業や個人の依頼に対応する点は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として新事業や既存売上拡大が語られるが、スケジュールや課題解決の方法は明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    三次元測定機で井波彫刻欄間をスキャンしアルミ欄間を制作した点は独自性があるが、分野の普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要の創出への言及は弱く、地域経済への波及効果はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    ワイヤーカット放電加工機の増設で加工時間が短縮され48時間自動運転が可能になったとあるが、費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元測定機によるデジタル保存やスキャニング事業など、デジタル技術の活用は具体的に読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    データを活用した新規事業や製造業以外への展開が示唆されるが、日本経済の構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及3

    高岡市の町工場として井波彫刻と組み合わせたメタルアート展開や産業観光への取組が地域特性を活かしていると読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造業に留まらず、サービス業や小売業、産業観光などにも取り組めば、小さな町工場でも可能性はまだまだある。五感を使って新たなアイデアで創造することを目指し、ミュージアムでの実験的な取り組みやノウハウ、ネットワーク、マーケティングを既存事業の売上拡大にも生かしたい。また、学生との長期インターンシップで得たノウハウを次の事業につなげる構想もある。

事業者の声

世界でひとつ町工場にメタルアート美術館を

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。