ものづくり補助金平成24年度石川県

樹脂成形製品の新たな生産システム構築のため金型製造を不要とした生産設備の導入

株式会社不二ゴム工業

成果5年で600社以上増えた

この事例のポイント

  • 樹脂製品の生産には金型製造が一般的だが、金型費用は10〜50万円ほどかかり、生産数量に関係なく必要になるため少量生産でも高額になる。
  • 試作品開発で金型を不要とし、低コストかつ高精度に成形できる3Dプリンターを導入し、提案される試作開発に対応できる生産設備を確保した。
  • 5年で600社以上増えた。3Dプリンターにより、あらゆる業種の試作開発案件に対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社不二ゴム工業
所在地石川県 かほく市
業種ゴム製品製造業
技術分野金型
従業員数51人
資本金2億円
設立1980年

事業の背景

多種多様な分野の製品開発で使われる樹脂(ゴム)製品は、試作品は国内で製造し、コストの安い東南アジアなどの国外で量産する形態に変化している。そのため国内ゴム製品製造企業の売上の中心は試作品用の樹脂製品の生産へシフトしてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算樹脂製品の生産には金型製造が一般的だが、金型費用は10〜50万円ほどかかり、生産数量に関係なく必要になるため少量生産でも高額になる。
  • 生産能力金型を使わない手作業の切削加工は低コストだが、発注者の求める精度に対応できないケースがあり、市場に普及していない。
  • コスト・採算試作開発でも低コストな海外への流出が懸念され、国内ゴム製品製造企業の主軸事業の衰退につながるおそれがある。

やったこと

試作品開発で金型を不要とし、低コストかつ高精度に成形できる3Dプリンターを導入し、提案される試作開発に対応できる生産設備を確保した。この3Dプリンターにより、安価で高精度な樹脂製品を短納期で生産できる新たな生産システムを構築した。特に試作品開発において大きな効果を発揮する。

加工機3Dプリンター

新しい製品・サービス:3Dプリンターを用いた樹脂製品のスピード試作・量産初期生産

事業の効果

  • 5年で600社以上増えた

3Dプリンターにより、あらゆる業種の試作開発案件に対応できるようになった。試作の問い合わせ件数が増え、取引先企業数は5年で600社以上増えた。従来業務の各種ゴム製品の引き合いも増え、試作から量産初期の製品納品までを一貫して行うワンストップ型の企業へと変わった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来のゴム製品製造から試作・量産へ広げ、3Dプリンター導入で設計・試作分野に進出したと読めるが、経営戦略上の明確な位置付けは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国外流出や金型費用10〜50万円という外部環境と、試作〜量産初期に強い小回りの良さという強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    金型費用が課題と認識され、3Dプリンターで金型不要の生産システムを構築する解決策が示されている。成長につながる見込みも述べられている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    取引先企業数が5年で600社以上増えたとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず実現可能性の判断材料が乏しい。

  • 事業を進める体制3

    従業員数51人、設立年月や取引先が記載されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    試作分野〜量産初期に強み、コストと精度のバランス、要望に合わせた提案試作など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋2

    今後は3Dプリントに付加価値をつけていくとあるが、遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金型不要の3Dプリント試作は普及度が低い分野と読め、精度を維持した低価格成形という高付加価値化の取り組みが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    海外流出の抑止と国内ゴム製品企業の主軸事業維持が述べられ、国内産業への意義はうかがえるが波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や費用対効果の数値は書かれていないが、取引先600社増加という成果がわずかに読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンターによる金型不要の生産システムは新技術活用だが、地域やサプライチェーンへの波及は記述が薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国内ゴム製品企業の売上が試作へシフトした変化は触れられるが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及3

    かほく市所在の地域企業で、地域の製造業の受け皿になっている点は読み取れるが、地域特性の活用の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3Dプリンターにおいてもニーズは高く、今後は3Dプリントをただ造形するだけでなく、不二ゴムだからこそできる付加価値をつけていくことが望まれる。

事業者の声

不二ゴム工業では、どこでもできるものではなく「不二ゴムだからできるものづくり」をモットーに日々の活動を行っております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。