ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

木材の高度立体造形加工による新分野進出に向けた試作の取り組み

株式会社朝日相扶製作所

この事例のポイント

  • 医療分野は未体験の分野で、医療と木製家具の結びつきがイメージしにくい。
  • 3Dスキャナ、3次元CAD・CAMを導入し、試作開発を行った。
  • 初年度で一次試作品が完成品として実際に座れる形になり、3Dスキャナ、3次元CAD・CAMを導入して具体的な商品を製品として示せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社朝日相扶製作所
所在地山形県 西村山郡朝日町
業種家具・装備品製造業
技術分野情報処理,立体造形
従業員数145人
資本金4,970万円
設立1970年

事業の背景

当社は自社ブランドを持たない木工製造のOEMメーカーである。医療分野は未体験の分野だが、MRI検査室に入る際に患者の車椅子が木製であれば、無機質で冷たい空間でも多少は和らいだ気持ちで検査を受けられるのではないかと考えた。そこに新たな市場開拓の可能性を求めて事業を計画した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信医療分野は未体験の分野で、医療と木製家具の結びつきがイメージしにくい。
  • 新製品・新技術車椅子の部品の寸法を正確に計測して形どりする手段が必要で、そのためには3Dスキャナや3次元CAD・CAMによる試作開発が求められる。
  • 販路・情報発信新規開拓先を広げるため、医療機器を手がける既存顧客などに具体的な製品を形にしてアピールする必要がある。

やったこと

3Dスキャナ、3次元CAD・CAMを導入し、試作開発を行った。車椅子のブレーキ、車輪、車軸、ステップは市販品を使用し、カタログに記載のないパーツの寸法は既存パーツを3Dスキャナで読み取り、3次元CAD・CAMの画面上で設計した。製作のイメージが決まったらデータをもとに加工機で実際のパーツ単位の部品を製作し、サイズがわからないものは3Dで読み込んで製作した。心の不安を多少でもやわらげるため、木製で製作した。初年度に一次試作品を完成品として実際に座れるものにし、その後二次試作、三次試作と進めて、デザイン性や人間工学的に優れたユニバーサルデザインまで煮詰めた。CAD・CAM操作は半年弱で習得した。

検査測定3Dスキャナ
ソフト3次元CAD・CAM
加工機加工機

新しい製品・サービス:木製で製作した医療分野向けの車椅子(ブレーキ・車輪・車軸・ステップなどのパーツを含む)

事業の効果

初年度で一次試作品が完成品として実際に座れる形になり、3Dスキャナ、3次元CAD・CAMを導入して具体的な商品を製品として示せるようになった。二次・三次試作を経て、デザインと人間工学を取り入れた製品まで仕上げた。病院の待合室やロビーなどで木製の椅子を指定される場合もあり、新分野の受注につながる見込みも生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    OEMで家具製造を続けてきた事業の延長で医療分野へ進む構想が示されるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    無機質な空間に木製をという発想や、義手・義足メーカーを新規開拓先とする考えはあるが、強みと市場の関係は簡潔にしか書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    医療分野の新市場への参入は示されるが、現状課題の認識と高付加価値化につながる計画の具体性は読み取れない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは、高付加価値創出や賃上げの目標値は読み取れません。

  • 事業を進める体制4

    従業員145名で、家具製造に関する現有技術系統や3次元CAD/CAMによる開発技術など体制面の記載がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    病院のMRI検査室や待合室で木製の椅子を求められる例、心の不安をやわらげる製品という価値とターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    一次試作完成後、二次・三次試作と進める段階的な遂行方法が示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは、財務状況や資金調達の見込みは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療分野で木製家具を用いる点は新しい試みとして読み取れるが、高水準の高付加価値化を示す数値的根拠は薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    国際競争力のある医療分野への取り組みとの見出しや、ヨーロッパ市場の可能性はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは、補助金投入額に対する費用対効果は読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    3Dスキャナーや3次元CAD・CAMの導入によるデジタル活用はあるが、地域やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出を通じた事業転換の意図はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    西村山郡朝日町の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記載は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

成長分野に向けて海外販売も念頭に置いている。現在の取引先は国連に納品した椅子の販売元であるデンマーク1社のみだが、告知によりヨーロッパ市場へのアピールができれば、かなりの数の受注の可能性が期待できる。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。