ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

コンパクト3Dスキャナー導入による靴型精度向上と新規分野への参入

福山ゴム工業株式会社

成果靴型サンプルの製作コスト 20万円/件→1万円/件

この事例のポイント

  • 靴型(ラスト)製作にかかる時間と経費が膨大で、足型データが十分に集められず、お客様の足に合う靴の開発が困難だった。
  • コンパクト3Dスキャナーを導入し、わずか15秒程度で直接足型を測定・データ化できるようにした。
  • 靴型サンプルの製作コスト 20万円/件→1万円/件。靴型サンプルの製作コストと測定・データ化時間が大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名福山ゴム工業株式会社
所在地広島県 福山市
業種ゴム製品製造業
技術分野デザイン
従業員数160人
資本金4,680万円
設立1947年

事業の背景

当社はワークシューズ(安全靴や長靴など)の製造・販売を手がけている。中国や新興国からの価格や外観を重視した製品が市場に多く出回り、「足に合う」ことが軽視された状況にあった。当社はこうした製品と差別化し、医療・介護分野への新規参入を果たしたいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力靴型(ラスト)製作にかかる時間と経費が膨大で、足型データが十分に集められず、お客様の足に合う靴の開発が困難だった。
  • コスト・採算靴型サンプルの外注コストが1件あたり約20万円、製作に8時間かかっていた。
  • コスト・採算靴型データ化に1件あたり約24時間かかっていた。
  • 新製品・新技術サンプルの少ない医療・介護分野は、石膏等で足型を採る方式で現場での採取が難しく、新規参入が困難だった。

やったこと

コンパクト3Dスキャナーを導入し、わずか15秒程度で直接足型を測定・データ化できるようにした。多数の計測データをCAD上で参照・合成し、より「足に合う」靴型データを製作する体制を整えた。スキャナー本体がコンパクトで持ち出し測定ができるため、開発対象ごとのサンプル・データを取得できるようになった。これにより正確な足型データが必要な医療患者や要介護者の測定も容易になった。

検査測定コンパクト3Dスキャナー

新しい製品・サービス:新製品「ラスティングブル」

事業の効果

  • 靴型サンプルの製作コスト 20万円/件→1万円/件
  • 測定・データ化時間 24時間/件→0.25時間/件

靴型サンプルの製作コストと測定・データ化時間が大幅に削減された。多数のサンプル・データを基に靴型の精度が向上し、既存部門でより「足に合う」靴を開発できるようになった。機器の持ち出し測定により、医療・介護分野への新規参入も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ワークシューズの足に合う品質を重視する方針と、医療・介護分野への新規参入を目指す流れは読み取れるが、過去の取組との連続性までは示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国や新興国の外観重視の等閑品が多い市場と、足に合う製品での差別化という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    靴型サンプル外注費1件約20万円・製作8時間、データ化24時間という課題を示し、スキャナー導入で1件1万円、15秒に削減すると数値で示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    約19万円のコスト削減と約32時間の測定・データ化時間削減という目標実績が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    足に合う靴の提供と医療・介護分野への展開というターゲットと差別化の理由が、製品名や開発手順とともに整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    将来のCAD設計応用や海外工場でのサンプル製作の展望は書かれているが、スケジュールや課題解決の具体的な手順は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    足に合う靴という差別化は示されるが、同分野の高付加価値化や高価格化の水準を示す数字や事実は書かれていない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    医療・介護分野の足型データ不足という社会的ニーズへの対応は示されるが、雇用創出や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果4

    約19万円のサンプル製作コスト削減と約32時間の時間削減という費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナーによる足型データ活用と、インターネット経由の海外工場へのデータ送信構想が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・介護分野への新規参入は書かれるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    広島県福山市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

靴型の精度向上により、ワークシューズ製品を中心に売上拡大を図る。医療・介護分野等の市場拡大を見込み、新規製品を投入する。将来的には靴型データを靴底設計やインソール設計に応用し、インターネットでのデータ送信により海外現地工場でのサンプル製作や製造も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。