ものづくり補助金平成24年度石川県

生産リードタイム短縮の為の塗装機の開発

玉田工業株式会社

成果塗装工程時間 12日→1.56日

この事例のポイント

  • 従来のエアレス塗装機やローラーによる内面塗装では、必要塗膜厚さ300μmを得るために3回の塗装作業と3日の乾燥時間が必要で、計12日の塗装工程を要していた。
  • エアレス塗装機を基に温度調整装置を組み込んだホットエアレス塗装機を開発した。
  • 塗装工程時間 12日→1.56日。ホットエアレス塗装機の導入により、塗装工程が88%短縮され、事業目的である生産リードタイムの短縮を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名玉田工業株式会社
所在地石川県 金沢市
業種業務用機械器具製造業
技術分野塗装
従業員数253人
資本金5,250万円
設立1957年

事業の背景

当社は飲料水兼用耐震性貯水槽を製造販売しており、製品の内面には日本水道協会規格に適合した浸出成分の少ない塗装を施す必要がある。従来は通常のエアレス塗装機またはローラーで内面塗装を行っていた。飲料水兼用耐震性貯水槽の市場規模は100億円程度で、東日本大震災以降は防災対策として関東・東北地方を中心に引き合いが増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のエアレス塗装機やローラーによる内面塗装では、必要塗膜厚さ300μmを得るために3回の塗装作業と3日の乾燥時間が必要で、計12日の塗装工程を要していた。
  • 納期・工程日本水道協会規格の改正で長寿命形塗装方法が定義され、塗膜厚さが従来の2倍となったため、従来の方法では工数がかかりすぎ、塗装の効率化が必要になった。

やったこと

エアレス塗装機を基に温度調整装置を組み込んだホットエアレス塗装機を開発した。貯水槽100㎥の吹付面積120㎡、塗膜厚さ600μmに対応できる塗料容器を装置に一体化させた。塗装条件を検証し、吹付スピード0.6±0.5m/s、吹付温度53℃、左右上下吹付、吹付回数8回が必要な塗膜が得られる条件と分かった。塗装装置は3工場で使えるよう移設が容易な小型構造とした。試験片で耐おもり落下性試験とクロスカット試験を行い、品質的に問題ないことを確認した。

加工機ホットエアレス塗装機

新しい製品・サービス:ホットエアレス塗装機

事業の効果

  • 塗装工程時間 12日→1.56日

ホットエアレス塗装機の導入により、塗装工程が88%短縮され、事業目的である生産リードタイムの短縮を達成した。品質は試験で問題ないことを確認している。使用塗料費用と電気代を含めて従来よりわずかに費用を削減できた。今後は生産性向上により将来10%のシェア獲得を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    飲料水兼用耐震性貯水槽の製造販売が本業と読み取れるが、事例は塗装工程の短縮に特化しており、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    東日本大震災後の防災需要の増加や市場規模100億円に触れ、将来10%シェアを目指すとあるが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    従来は12日を要した塗装工程が課題と明示され、ホットエアレス塗装で工程を88%減と示しており、課題と解決の対応が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工程を88%減、使用塗料と電気代を含め費用をわずかに削減と数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    3工場で使えるよう移設容易な小型構造としたと書かれるが、開発の人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    耐震性貯水槽の引き合いが関東・東北で増えているとの記述はあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋4

    吹付条件の検証、試験片での耐お もり落下性・クロスカット試験など、遂行方法と確認手順が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    飲料水兼用耐震性貯水槽の市場規模は100億円程度とあるが、同分野での高付加価値化・高価格化を図る記述はわずかにうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    東日本大震災後の防災対策需要の増加に触れ、耐震性貯水槽の需要拡大という公共的意義が読み取れるが、経済波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果4

    塗装工程を12日から大幅短縮(88%減)し、使用塗料費用と電気代も従来よりわずかに削減したと数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    温度調整装置を組み込んだ塗装機の開発とあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    東北・関東地方の防災需要増に触れるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産性を向上させ、将来的に飲料水兼用耐震性貯水槽市場で10%シェアを目指す。関東・東北地方を中心に増える引き合いに対応するため、更なる生産工程の効率化に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。