ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

塗装工場設備改装による新規技術製品受入体制構築事業

原馬化成株式会社

成果現在の生産量は約25千個/月で、当初計画の約60%

この事例のポイント

  • 顧客から自動車部品エンジンカバーの塗装と組立の受注要請があったが、高輝度塗装に対応する設備と生産体制が不足していた。
  • 難易度の高い高輝度塗装に対応するため、塗装工程に塗装ロボット、特殊エアガン、塗装ブースを導入した。
  • 現在の生産量は約25千個/月で、当初計画の約60%。塗装ムラと歩留まりが改善され、当初計画どおりの品質向上とコストダウンを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名原馬化成株式会社
所在地滋賀県 長浜市
業種プラスチック製品製造業
技術分野表面処理
従業員数31人
資本金3,000万円
設立1980年

事業の背景

当社は自動車関連部品を中心としたプラスチック部品の受注生産を行い、金型設計、成形、塗装、加工・組立までを一貫して手がけてきた。顧客からエンジンカバーの塗装と組立の受注要請があり、これに応えるため生産体制の強化が必要になった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術顧客から自動車部品エンジンカバーの塗装と組立の受注要請があったが、高輝度塗装に対応する設備と生産体制が不足していた。
  • 品質・精度高輝度塗装は金属(アルミ粉末)の含有量が多く膜厚が薄くなりやすく、均一に塗布することが難しい上、異物やゴミによる外観不良が発生しやすい。
  • コスト・採算塗装ムラと歩留まりの悪さ、原料塗料の多さ、塗装サイクルの長さ、スカム(塗料残の回収物)の多さといった改善すべき点があった。

やったこと

難易度の高い高輝度塗装に対応するため、塗装工程に塗装ロボット、特殊エアガン、塗装ブースを導入した。塗装ブース内の固形物を自動で回収する仕組みを取り入れ、手作業をなくしてクリーン度を高めた。あわせて塗装工程の除塵・除電設備を更新し、組立工程に超音波溶着機を設置した。さらに塗装工程に隣接した組立ラインを専用ラインとして運用し、工程間の同期生産を行った。

加工機塗装ロボット
加工機特殊エアガン
加工機塗装ブース
その他塗装ブース内固形物自動回収装置
その他除塵・除電設備
加工機超音波溶着機

新しい製品・サービス:高輝度塗装を施したエンジンカバーなど、自動車部品の塗装・組立品

事業の効果

  • 現在の生産量は約25千個/月で、当初計画の約60%
  • 外観不良率は改善前と比べて約1/5に低減

塗装ムラと歩留まりが改善され、当初計画どおりの品質向上とコストダウンを実現した。塗装ブース内の固形物を自動で回収することでクリーン度が上がり、除塵・除電や超音波溶着機の導入、専用ラインでの同期生産により外観不良が減って組立の効率も上がった。外観不良率は改善前の約1/5になり、平成28年1月の量産開始以来大きなトラブルなく生産を続けている。顧客との信頼関係も向上し、受注確定と売上の維持・拡大につながると見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の成形加工の強みを活かし塗装・組立へ広げた取組と読めるが、経営戦略上の位置づけは文章から明確には読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からの受注要請に対応し、成形の強みやノウハウ、納期対応力を活かす点はうかがえるが、競合比較の記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    外観不良率が改善前の約1/5、組立の超音波溶着機導入など、課題と対策が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    量産は約25千個/月で当初計画の約60%とあり、付加価値向上や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    多国籍従業員の管理・技能教育を徹底し、量産立ち上げを大きなトラブルなく実施したと記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高輝度塗装という技術的特徴と顧客からの受注確定は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の課題としてコストダウン要請への対応と塗装工程の省人化を挙げているが、スケジュールや方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    アルミ粉末を多く含む高輝度塗装という難易度の高い分野で、外観不良率の低減など高水準の品質確保をめざしている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品の受注確保と売上維持・拡大は述べられるが、国が補助する波及効果や雇用創出への言及はわずかである。

  • 費用対効果4

    塗装ムラと歩留まりの改善、塗料削減、サイクル短縮など改善効果が表1や本文で具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    塗装工程の省人化やラインの機械化を今後の展望で述べるが、デジタル技術の活用や地域への貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県長浜市の企業で多国籍従業員を抱えると記載されるが、地域の特性を活かした成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

プラスチック成形加工の生産体制の構築をさらに進め、競合との差別化を図りつつ、自動車・家電・住宅など幅広い分野に活用して売上高増加を目指す。今後は塗装工程の省人化(ロボット導入)や検査設備の機械化を進めたい。

業種と困りごとが近い成果事例

群馬県製造業平成29年度

冷凍マグロ専用刺身醤油の試作開発

鰹節の厚さと抽出温度を管理するため、ガス式スチームコンベクション、小型鰹節削り機、プレハブ冷蔵庫、冷蔵ユニット、小型軽量充填機、打栓機を導…

効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。