ものづくり補助金平成24年度福井県

新技術醸造発酵(速醸魚醤)装置の生産性強化による醤油の新開発

株式会社室次

成果醸造期間 180日→1日

この事例のポイント

  • 魚醤を使ってしょうゆの味のインパクトを強くしたいが、魚醤特有の臭いが課題となっていた。
  • 福井県立大学と共同で開発した無臭無塩の魚醤を使った商品を量産するため、量産に対応した設備を導入した。
  • 醸造期間 180日→1日。速醸により醸造期間が約半年からわずか1日になり、魚醤の臭いが出る前に醸造を終えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社室次
所在地福井県 福井市
業種食料品製造業
技術分野繊維加工
従業員数15人
資本金3,800万円
設立1962年

事業の背景

株式会社室次は天正元年創業で、現存する国内のしょうゆメーカーでは最古級の蔵元である。人工調味料で味付けした安価なしょうゆが市場の多くを占める中、天然醸造のしょうゆの味を広めたいと考えていた。平成26年度の売上高は6億5,000万円である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術魚醤を使ってしょうゆの味のインパクトを強くしたいが、魚醤特有の臭いが課題となっていた。
  • 納期・工程通常半年ほどかかる魚醤の醸造期間を短縮する必要があった。

やったこと

福井県立大学と共同で開発した無臭無塩の魚醤を使った商品を量産するため、量産に対応した設備を導入した。導入したのは、魚の内臓などを粉砕して発酵させる容器、ろ過機、魚から出る油分を分離する遠心機などである。研究レベルから発展させ、200キログラムの魚醤を生産できる体制を整えた。大容量でも無臭を維持できるよう、発酵の温度などの研究を重ねた。その結果、無臭無塩の魚醤と天然醸造しょうゆをブレンドした「旨き醤」などを商品化した。

  • 加工機発酵容器原料の魚を粉砕して発酵させる容器ろ過機遠心機魚から出る油分を分離

新しい製品・サービス:速醸により醸造期間を約1日に短縮し、無臭無塩の魚醤を完成させた。アルコール0%のしょうゆとして「ハラール認証」を取得した。

事業の効果

  • 醸造期間 180日→1日
  • 200キログラムの魚醤を生産できる設備を導入

速醸により醸造期間が約半年からわずか1日になり、魚醤の臭いが出る前に醸造を終えられるようになった。無臭無塩の魚醤が完成し、アルコール0%のしょうゆとしてハラール認証を取得した。今後はイスラム圏向けにタイで工場操業を予定しており、粉末化にも対応して増産体制を整える。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    天然醸造のしょうゆを生産し「幕末のソイソース」を平成23年から販売しており、本物の味を広める方針が一貫している。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    人工調味料を使わない天然醸造の強みと、旨味を強める魚醤ブレンドの狙いが書かれている。市場動向との関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    味のインパクトを強める課題に対し、魚醤をブレンドする解決策と200キロ生産設備の導入が書かれている。成長への数値目標は示されていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    タイでの工場操業やイスラム圏での拡販が予定とされるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    福井県立大学との共同研究体制と、研究から量産への段階的な発展が書かれている。従業員15人規模の中での人材体制は具体的でない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無臭無塩の魚醤を使った商品を開発し、塩分ゼロで粉末化やラーメンスープ・菓子への利用を視野に入れると書かれている。ターゲットは一部のみ明確。

  • 事業化までの道筋3

    醸造期間が通常半年のところ1日へ短縮し、大容量でも無臭を維持するため温度などを研究したと書かれている。今後の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    通常半年の醸造期間を1日に短縮し、アルコール0%のハラール認証しょうゆを開発したと書かれている。一般的な普及度が低い分野での差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    福井ブランドとして世界に発信されることへの期待が示されるが、雇用や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    200キロ生産設備を導入したと書かれるが、投入額や付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    速醸技術による醸造期間の短縮と無臭化という新しい製造方法が書かれている。サプライチェーンへの貢献は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    健康補助食品や医薬品分野への発展可能性に触れているが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    創業天正元年の蔵元として福井から世界へ発信する方向性が書かれている。地域の雇用や成長への寄与は数字で示されていない。

今後の展望

イスラム圏での拡販を視野に、タイで工場操業を予定している。無塩魚醤は粉末化やスプレー噴霧にも対応でき、ラーメンスープや菓子などへの利用も視野に入れている。健康補助食品や医薬品分野での発展にも可能性がある。

事業者の声

本物のしょうゆの味を広めていきたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。