ものづくり補助金平成24年度山梨県

半導体レーザーを用いた微細モデル専用の小型3Dプリンターの開発

株式会社アズマ工機

成果光径 300マイクロメートル→35マイクロメートル

この事例のポイント

  • UVランプ光源の三次元光造形機では微細造形精度の光径が300マイクロメートルが限度で、極小微細モデルに対応できなかった。
  • UVランプ光源を半導体レーザーに変更し、エネルギーを確保しながら光径を100マイクロメートル以下に絞る光学系を確立した。
  • 光径 300マイクロメートル→35マイクロメートル。半導体レーザーの採用と光学系の改良により、極小微細モデルに特化した小型で扱いやすい3Dプリンターを開発した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アズマ工機
所在地山梨県 甲府市
業種一般機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数125人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

同社は1973年創業の機械装置・自動化装置の製作会社で、主力は三次元光造形機である。3Dプリンター市場は事業用、大学、研究機関用などで拡大している一方、極小微細分野は一部の高額装置のみが対応していた。同社は一般市場で競合しない先端研究のマイクロ流路や医療MEMS分野などに狙いを定めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術UVランプ光源の三次元光造形機では微細造形精度の光径が300マイクロメートルが限度で、極小微細モデルに対応できなかった。
  • その他大学や研究機関向けの3Dプリンター市場は拡大しているが、極小微細分野は一部の高額装置しか対応していなかった。

やったこと

UVランプ光源を半導体レーザーに変更し、エネルギーを確保しながら光径を100マイクロメートル以下に絞る光学系を確立した。半導体レーザーの355ナノメートル短波UVパルス光をミラーで最終コリメータレンズに導入し、コンパクトな照射構造で組付調整を簡素化した。光学系の見直しと改良により最小径35マイクロメートルを達成した。振動や衝撃に対応した反射ミラーやコリメータ、アクチュエータを確立し、正確で高速性のある制御ソフトを開発した。従来機の構成を見直して超小型化し、部品の軽量化と部品点数の大幅削減に取り組み、試作装置を製作した。

  • 加工機極小微細モデル専用の小型3Dプリンター

新しい製品・サービス:半導体レーザーを用いた極小微細モデル専用の小型3Dプリンター。デスクトップ型で省スペースに利用でき、比較的安価で微細さと精度を追求した装置。

事業の効果

  • 光径 300マイクロメートル→35マイクロメートル

半導体レーザーの採用と光学系の改良により、極小微細モデルに特化した小型で扱いやすい3Dプリンターを開発した。最小光径は従来の300マイクロメートルから35マイクロメートルに縮まり、高い精度を確保した。大学や研究機関の実験研究分野での市場獲得をめざす。展示会などでの披露や外部評価を経て改良を重ね、2015年12月からの展示会披露を計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の特殊機械製作と、15年前から製品化した三次元光造形機の技術を土台に極小微細3Dプリンターを開発しており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手が手がけない極小微細モデルに絞り、硬化幅1ミリ以下も可能と述べており、競合との差別化と自社の光学系技術の強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    現状の微細モデル製品は高級品か精度不足が多いという課題認識と、2015年12月からの展示会披露計画は読み取れるが、売上などの成長目標は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    技術者が開発に取り組んでいることは書かれているが、人員数や事務処理体制など遂行体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    研究者や設計者が手元で制作できる身近な3Dプリンターとして、マイクロ流路や医療MEMS分野を想定し、大学・研究機関を対象に明確に位置付けている。

  • 事業化までの道筋3

    外部評価を経て改良し2015年12月に展示会で披露する計画が示されているが、課題解決の方法や詳細なスケジュールは限定的。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    UVランプの光径限界300マイクロメートルに対し、半導体レーザー化で最小径35マイクロメートルを達成したと数値で示され、同分野で高精度を追求している。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    大学や研究機関の実験研究分野での市場獲得をめざすとあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    半導体レーザーと高速化に対応した制御ソフトを組み合わせた点は技術面の工夫として読み取れるが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    マイクロ流路や医療MEMSなど成長が見込まれる分野を狙う方向はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    甲府市で創業した事業者であることはわかるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は書かれていない。

今後の展望

2015年12月から展示会などで披露し、事業の製品モデル作成や製品開発、大学・研究機関での教育用、実験用などの現場での活用を見込む。

事業者の声

デスクトップ型の省スペースで手軽に利用できるサイズで、比較的安価ながら微細と精度を追求した装置なので、事業の製品モデル作成、製品開発や大学・研究機関での教育用、実験用などの現場で活用してもらえると思います

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。