ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

自動車部品用の鋳物鋳造製品に係る試作品製作の迅速化

株式会社朝日製作所

成果鋳造初品検査リードタイム 7日→2日

この事例のポイント

  • 自動車の軽量化・低燃費化に伴うモデルチェンジの短サイクル化で試作品の短納期要求が強まっていたが、鋳造初品検査と出荷前の全数検査にそれぞれ約7日を要していた。
  • 検査工程の短納期化のため、GOM社製の3Dデジタイザ ATOS Ⅱを導入した。
  • 鋳造初品検査リードタイム 7日→2日。検査リードタイムが大幅に短縮され、試作品の短納期要求に応えられる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社朝日製作所
所在地京都府 京都府久世郡久御山町
業種非鉄金属製造業
技術分野測定計測
従業員数48人
資本金7,000万円
設立1970年

事業の背景

創業は大正12年で、銅合金鋳物による仏像製作から始まった。約40年前から大手メーカー向けにアルミ鋳物の住宅設備・自動車部品の試作を受注するようになり、現在の主力事業となっている。主力取引先はリョービ株式会社で、自動車用の駆動系部品やトランスミッション関係部品の試作を多く請け負っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程自動車の軽量化・低燃費化に伴うモデルチェンジの短サイクル化で試作品の短納期要求が強まっていたが、鋳造初品検査と出荷前の全数検査にそれぞれ約7日を要していた。
  • 納期・工程検査工程が最大のボトルネックとなり、そのため受注を見送る案件が生じていた。
  • 生産能力現有のレーザー式測定機は測定対象の各面にレーザーを当てる方式のため測定に時間がかかり、さらに図面から数値を拾って検査データを作成する手順にも長い時間を要していた。

やったこと

検査工程の短納期化のため、GOM社製の3Dデジタイザ ATOS Ⅱを導入した。レーザー式の点の集まりで測定する方式から、カメラ式で面を読み取る方式へと切り替えた。動作検証では光沢物や複雑な形状の製品をスキャンし、計測操作、計測結果の精度と時間、レポート出力時間を測定した。鋳造初品検査と全数検査の各工程の所要時間を測り、全数検査では専用ソフトを導入した場合と導入しない場合の両方を検証した。専用ソフトを導入すると自動制御で測定でき、手動測定と比べて計測時間が大幅に短縮できることを確認した。

検査測定3Dデジタイザ ATOS Ⅱ(GOM社製)
ソフト検査用専用ソフト

事業の効果

  • 鋳造初品検査リードタイム 7日→2日
  • 全数検査リードタイム 7日→2日

検査リードタイムが大幅に短縮され、試作品の短納期要求に応えられる体制が整った。全数検査は自動測定により省力化され、残業の減少と生産コストの低減にもつながった。カメラ式測定により検査結果の原点ずれが色で判別できるようになり、品質面の懸念も解消された。同業他社にはまだ少ない設備であることから看板として新規受注や工場見学、展示会での問い合わせにもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ISO9001取得や一貫生産を特長とし、今回の検査強化がその延長にあることはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車の軽量化・低燃費化による短納期試作需要と、一貫生産・高品質の強みを踏まえ、検査リードタイム短縮に取り組んだと具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    検査リードタイムが7日から2日へ短縮する目標と結果が数字で示され、ボトルネックの原因も①測定機性能②検査データ作成として特定されている。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    鋳造初品検査と全数検査のリードタイムを7日から2日に短縮する目標を設定し、結果も2日と実績で示されている。

  • 事業を進める体制4

    代表取締役をリーダーに品質保証部長以下の体制を組み、メーカー研修や検証を行ったと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客の短納期要求と受注見送りだった案件の受注可能化が示され、試作の短納期ニーズという対象と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    試運転、操作研修、業務体制の検討、専用ソフト有無での検証など遂行手順が段階的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    3Dデジタイザは他社導入が少ないとあり、看板効果が述べられるが、ジャンルの普及度や高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用や波及効果の記述は乏しいが、残業減少や生産コスト低減への貢献が述べられている程度である。

  • 費用対効果4

    リードタイムの7日から2日への短縮、残業減少、クレーム解消など効果が複数の数字や事実で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    カメラ式3Dデジタイザによる自動測定でデジタル技術を活用しているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ロボット等の新技術分野への挑戦が今後の構想として述べられているが、経済構造転換との関連は明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    京都府久御山町の立地は示されるが、地域の特性を活かした経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

これまで検査工程の制約で受注を見送っていた案件も請けられるようになり、今後は顧客ニーズへの対応を当面の目標とする。ロボットなどの新たな技術分野への挑戦も考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。