ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

地球環境に優しく、安価で品質の向上を図れる製品検査用導光板LED照明の開発

株式会社飯田照明

成果光取り出し効率 88%→93%

この事例のポイント

  • マシンビジョン用LED照明は高出力・高効率・長寿命で安価であることが求められるが、従来の製品ではこれらを同時に満たすことが難しかった。
  • 国産の高性能表面実装型LEDを複数選定し、クラレ社と共同開発した導光板を採用して、導光板型のLED照明を開発した。
  • 光取り出し効率 88%→93%。表面実装型LEDの採用で放熱特性が高まり、素子単体の高出力化を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社飯田照明
所在地京都府 京都市
業種その他の製造業
技術分野精密加工,接合・実装,機械制御,測定計測
従業員数14人
資本金2.5億円
設立2013年

事業の背景

当社は紫外線から赤外線まで各種LED照明装置をカスタム設計・製造・販売しており、主要製品はブラックライト、導光板LED照明、製品検査用LED照明である。製品検査(マシンビジョン)用LED照明の市場は、FA分野での品質管理や自動化の広がりにより伸びている。画像処理用LED照明だけで300億円を超える市場規模に成長しているとされる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力マシンビジョン用LED照明は高出力・高効率・長寿命で安価であることが求められるが、従来の製品ではこれらを同時に満たすことが難しかった。
  • コスト・採算砲弾型LEDを用いた従来構造では部品点数が多く、集光・発散用レンズや組立工程が必要でコストが高かった。

やったこと

国産の高性能表面実装型LEDを複数選定し、クラレ社と共同開発した導光板を採用して、導光板型のLED照明を開発した。試作評価は、LEDの選定から発売まで10工程からなる開発フローを用い、トラブルの内容に応じて各開発ステップにフィードバックをかけ、性能評価に合格するまで繰り返した。熱電対によるチップ放熱面温度の実測と熱抵抗値からジャンクション温度を推定し、ヒートシンクを設計・製造して寿命を延ばした。恒温恒湿槽(いすゞ製作所製:ふたば TPAC-120-20)で温湿度50℃・50%や-10⇔90℃の負荷環境試験を行い、耐環境性を確認した。

検査測定恒温恒湿槽(ふたば TPAC-120-20)
ソフト3D-CAD(ソリッドワークス)
その他3Dプリンター

新しい製品・サービス:表面実装型LEDと導光板を組み合わせた、レンズレスの導光板LED照明。光取出し効率93%、長寿命50,000時間(白色)、発光長100〜3,500mmに対応し、一般照明用導光板の採用で低コストを実現した。

事業の効果

  • 光取り出し効率 88%→93%
  • ジャンクション温度を制御し、設計寿命50,000時間を達成

表面実装型LEDの採用で放熱特性が高まり、素子単体の高出力化を達成した。クラレ社と共同開発した導光板により光取り出し効率が93%に向上した。砲弾型LEDに比べて部品点数が大幅に減り、レンズ不要化とアセンブリ工程の簡素化によりコストが下がった。ジャンクション温度の制御により設計寿命50,000時間を達成し、耐環境性も確認された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組との一貫性は読み取れるが、事例には「設計・技術力」「強みである制御基板・回路設計能力」とあるのみで、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    マシンビジョン用LED照明市場の拡大(300億円超)を踏まえ、社の制御基板・回路設計能力を強みとして開発すると具体的に記載されている。

  • 課題の認識と解決3

    高出力・高効率・長寿命・安価という課題に対応する開発内容は書かれているが、事業計画としての成長見通しや数値目標は読み取りにくい。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    光取り出し効率93%、設計寿命50,000時間、-10⇔90℃の耐環境性確認など数値付きの目標と達成結果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    開発工程10段階や試作評価のフィードバック体制は記載があるが、人材配置や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    マシンビジョン用照明の需要、数万〜数十万ルクスの照度要求、一般照明の約100倍など、ニーズの裏付けが数値で示されている。

  • 事業化までの道筋4

    10工程の開発ステップと性能評価までの繰り返し、試作評価からのフィードバックという遂行方法が段階的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    紫外線・導光板LEDを用いたマシンビジョン用照明は市場で300億円超に成長しており、高付加価値の高性能製品として位置付けられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    省エネ光源への置き換えや品質管理・自動化への寄与はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由の記述は弱い。

  • 費用対効果3

    砲弾型比で部品点数を大幅削減、低コスト実現とあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    AIや撮像カメラの向上と連動した検査用照明の高度化に触れるが、サプライチェーンへの貢献としての記述は限定的。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    市場成長分野であるFA・マシンビジョン分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。