ものづくり補助金平成24年度岐阜県

レーザー加工機の無監視製造システム導入

新世日本金属株式会社

成果生産性 100%→140%

この事例のポイント

  • 鉄鋼材料を利用した製造業を取り巻く環境は厳しく、ものをつくるための時間の制約はかつての3分の1から4分の1ほどまで短くなっている。
  • 24時間作業ができるよう、高機能の自動材料供給搬送装置「パレットチェンジャー」を導入した。
  • 生産性 100%→140%。夜間に無人で作業を進められるようになり、導入前より10時間から最大12時間分多く作業できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名新世日本金属株式会社
所在地岐阜県 岐阜市
業種鉄鋼業
技術分野切削加工
従業員数53人
資本金5,000万円
設立1987年

事業の背景

鉄道や建物、橋梁、航空機、機械などに使われる鉄を切断・加工している。強みは顧客の注文に素早く対応できる在庫の豊富さと短納期が可能な機動力、鉄鋼に関する専門的な知識である。最大200mmの極厚板も切断でき、中部地区最大級の設備を誇る。10数年前からレーザーによる切断加工の分野に参入し、高付加価値の製品を短期で得意先に納品する必要性が増してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鉄鋼材料を利用した製造業を取り巻く環境は厳しく、ものをつくるための時間の制約はかつての3分の1から4分の1ほどまで短くなっている。
  • 人手・技能従業員の負担や労働時間を減らしつつ、限られた労働力と時間で高い生産性を上げる必要があった。
  • 納期・工程小ロット多品種に対応し、顧客の注文に迅速に応える必要があった。

やったこと

24時間作業ができるよう、高機能の自動材料供給搬送装置「パレットチェンジャー」を導入した。自動で鉄鋼材料を供給する装置で、棚状になっており全部で15段分のパレットがある。各パレットには切断加工用の鉄鋼材料がいくつも載せられている。パレットは自在に脱着でき、パレットごと他の場所に移送して後処理も迅速に行える。作業工程をコンピュータでプログラミングし、既存の高性能レーザー加工機と組み合わせて夜間に無人で加工作業を進められるようにした。

加工機自動材料供給搬送装置(パレットチェンジャー)
加工機レーザー加工機(既存設備との組み合わせ)

事業の効果

  • 生産性 100%→140%
  • 無人稼働時間 0時間→12時間

夜間に無人で作業を進められるようになり、導入前より10時間から最大12時間分多く作業できるようになった。その結果、生産性が4割ほど高まった。短納期にも対応できるようになり、受注があれば機械の稼働率を上げられるようになった。労働時間の削減や人手不足の解消にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄の切断・加工を主力とし、既存のレーザー加工機に自動供給装置を組み合わせる取組で、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中部地区最大級の設備、最大200㎜の極厚板切断、在庫の豊富さと短納期といった強みが書かれ、小ロット多品種への対応が競争優位として示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ものづくりの時間制約が3分の1から4分の1に短縮したという課題を認識し、夜間無人稼働で生産性が4割ほど高まったと成果を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    導入前より10時間から最大12時間分の作業増、生産性が4割ほど高まったと数字で示されており、目標の実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員の負担軽減や作業のプログラミング管理は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期や小ロット多品種への対応という顧客ニーズへの対応は読み取れるが、顧客ターゲットの明確化や選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後はAIによる製品検査の自動化を検討中と書かれており中長期の方向性はうかがえるが、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    極厚板切断や中部地区最大級の設備を持つとあるが、分野の普及度や高付加価値化・高価格化の水準については書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道や建物、橋梁、航空機などの基盤に使われる鉄を扱うとあるが、波及効果や雇用創出についての具体的な記述はない。

  • 費用対効果2

    生産性が4割ほど高まったという成果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    既存レーザー加工機に自動搬送装置を組み合わせ、今後AIによる検査を検討すると書かれ、デジタル活用の方向性はうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岐阜市を拠点とする企業であることはわかるが、地域特性を活かした付加価値創出や地域経済への牽引についての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は現在従業員が行っている製品の検査をAIに委ね、機械による寸法や形状のチェックなどを検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。