ものづくり補助金平成24年度岐阜県

分解期間を制御可能とした生分解性プラスチック容器の開発と製造・販売

日比野化学工業株式会社

成果減容 70袋(70リットルのごみ袋換算)→7袋(70リットルのごみ袋換算)

この事例のポイント

  • シイタケ栽培用の梱包材は収穫後に処分される量が多く、農家にとって処分が悩みの種になっていた。
  • シイタケの菌床栽培に用いる梱包袋の原材料となるペレットの製造工程を改良した。
  • 減容 70袋(70リットルのごみ袋換算)→7袋(70リットルのごみ袋換算)。シイタケ栽培用梱包材の廃棄量を約10分の1に減らすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名日比野化学工業株式会社
所在地岐阜県 安八郡南今ヶ淵
業種化学工業
技術分野プラスチック成形加工
設立1968年

事業の背景

当社はFRP成形製品を主力とし、ユニットバスなど多彩な製品を手がけてきた。近年は生分解性マルチフィルムの製造を行い、その過程で独自の分解剤を開発していた。その分解剤を他製品に活用する道を模索していたところ、経営者の親類であるシイタケ農家から廃棄量と処分の困難さについて相談を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力シイタケ栽培用の梱包材は収穫後に処分される量が多く、農家にとって処分が悩みの種になっていた。
  • 新製品・新技術分解スピードを調整できる生分解性の梱包材の製造技術が確立されていなかった。

やったこと

シイタケの菌床栽培に用いる梱包袋の原材料となるペレットの製造工程を改良した。生分解剤とPE(ポリエチレン樹脂)をルーダー機で溶解、混合する工程に二軸押し出し機を導入し、分解スピードを調整できるようにした。そのペレットをインフレーション機で成形し、ブロウ、ガゼット(折り込み)加工などを経て梱包袋を製造した。寒冷地用、亜熱帯用、自然栽培用、空調栽培用など地域の気象条件に応じた仕様の梱包材を製造できるようにした。

新しい製品・サービス:シイタケ栽培用菌床梱包材(生分解性、減容型)

事業の効果

  • 減容 70袋(70リットルのごみ袋換算)→7袋(70リットルのごみ袋換算)

シイタケ栽培用梱包材の廃棄量を約10分の1に減らすことができた。気象条件に応じた多彩な仕様の梱包材を実現し、販路拡大が期待できる。従来品よりツヤが出て内部が見えやすくなり、菌の育成状況の確認も容易になるという副産物も生じた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のFRP成形事業から生分解性マルチフィルムへ業務拡大し、その過程で分解剤を開発した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    シイタケ農家の菌床栽培で梱包材処分に悩みがあるという市場ニーズは示されるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    農家の処分の悩みを課題として認識し、二軸押し出し機で分解速度を調整した製品を開発し試験使用している点が具体的。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    70枚・ごみ袋3袋分が約10分の1に減ったと数値で示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    創業以来のFRP成形技術や製造体制の記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制は具体的に読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    寒冷地用・亜熱帯用など気象条件別の仕様が実現でき、菌床栽培農家に試験使用されている点でニーズへの対応が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後のバリエーション追加、各メーカー材料での標準品化、他分野への活用が挙げられているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    生分解性梱包材は一般的に普及していない分野で、従来品と比べ減容やツヤ等の性能差が具体的に示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    農業分野の廃棄物処分の課題に触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    廃棄量を約10分の1に減らした効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    生分解剤を活用した素材開発は示されるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンのイノベーションとしての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    生分解性マルチフィルムへの業務拡大は触れられるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    岐阜県の企業である点はあるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は読み取れない。

今後の展望

現在シイタケ栽培農家で試験的に使用しており効果を上げている。今後はバリエーションを増やして販路拡大を図る。どのメーカーの材料でも標準品が製造できるよう調整を進める。シイタケ栽培用以外の一般的な梱包用資材や、短期間での処分を必要とする分野への活用も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。