ものづくり補助金平成24年度岡山県

ボンド磁石を使用したIPMモータの試作提案

株式会社メイト

この事例のポイント

  • IPMモータの磁石形状を最適化すると性能向上が見込まれるが、形状が複雑になりコストが大きく上昇するため実現が困難だった。
  • 市場に出ているエアコンからIPMモータを取り出し、ターゲット磁石としてその磁力波形を測定した。
  • 射出成型により磁石形状の自由度が高まり、磁石形状を最適化できることが確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社メイト
所在地岡山県 和気町
業種化学工業
技術分野冷凍空調
従業員数94人
資本金9,500万円
設立1970年

事業の背景

当社は各種機能性樹脂複合材料の研究開発・製造を行う専業メーカーである。主力製品はフェライト磁性粉をフィラーに使用したフェライト系射出成型用ボンド磁石材料で、国内市場で60%以上のシェアを持つ。従来、IPMモータは磁石形状の最適化で性能向上が見込まれることが知られていたが、形状が複雑になりコストが大きく上昇するため実現が困難だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算IPMモータの磁石形状を最適化すると性能向上が見込まれるが、形状が複雑になりコストが大きく上昇するため実現が困難だった。
  • 生産能力焼結希土類磁石はロータコアに磁石を組み付ける工数がかかっていた。

やったこと

市場に出ているエアコンからIPMモータを取り出し、ターゲット磁石としてその磁力波形を測定した。その情報をもとに、社内で有限要素法による磁場シミュレーションを行い、提案するIPMモータ用ロータの磁石厚さ、角度、位置などの磁石形状を最適化するとともに、試作用金型の磁気回路を設計した。金型は磁場発生用の永久磁石と磁性鋼材・非磁性鋼材を最適に配置する必要があるため、切削加工など特殊な加工技術を持つ金型メーカーを選定して製作した。従来はスプルーやランナーで無駄になっていた材料を減らすため、ホットランナーシステムと一体となった成型金型を採用し、冷却工程中も一部を溶融状態に保てるようにした。このボンド磁石射出成型金型で試作ロータを作成し、性能評価をメーカーに実施した。

  • 金型ホットランナーシステム一体型成型金型
  • ソフト磁場シミュレーションソフト有限要素法

新しい製品・サービス:ボンド磁石を使用したIPMモータ用ロータ(試作提案)

事業の効果

射出成型により磁石形状の自由度が高まり、磁石形状を最適化できることが確認できた。焼結磁石の組み付けが不要になり、ロータコアへの直接成型により工数が削減される見込みである。ホットランナーシステムの採用により、射出成型時に廃棄されるスプルーやランナーの発生を軽減できた。作成したサンプルをお客様に提供し、好評を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け顧客へのサンプル提供で好評を得ており、コストパフォーマンスの高さという選ばれる理由が事例に示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値焼結希土類磁石の代替として射出成型ボンド磁石をIPMモータ用ロータに適用する点が、一般に普及していない新しい用途として示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標工数削減や廃棄材削減は書かれるが、付加価値額や賃上げにつながる数値目標は示されていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    フェライト系ボンド磁石で国内シェア60%以上とあり主力事業との関係は読めるが、本事業の経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内シェア60%以上と強みは示されるが、市場動向や競合に対する優位性の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    焼結磁石の工数・コスト上昇という課題は示されるが、ボンド磁石化による売上や付加価値の増加額は書かれていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工数削減や廃棄材削減は書かれるが、付加価値額や賃上げにつながる数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    特殊加工を持つ金型メーカーを選定したとあるが、社内の人材や事務処理体制については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客へのサンプル提供で好評を得ており、コストパフォーマンスの高さという選ばれる理由が事例に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    シミュレーション、金型設計、試作、サンプル提供と工程は示されるが、今後の改良計画やスケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    焼結希土類磁石の代替として射出成型ボンド磁石をIPMモータ用ロータに適用する点が、一般に普及していない新しい用途として示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    モータ性能向上やエアコン等の省エネにつながる可能性はうかがえるが、波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    工数削減と廃棄材の軽減が示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    シミュレーションによる磁場設計は用いられているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    希土類系磁石から射出成型ボンド磁石への市場拡大をめざすとあり、わずかに構造転換の方向性がうかがえる。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

今後改良を重ね、より良い希土類系射出成型用ボンド磁石材料の市場拡大を目指し、取り組みを継続する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。