ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

ゴム製品自動成型機の導入による製品の精密化、および製造工程短縮

近江化学工業株式会社

成果売上高 100%→150%

この事例のポイント

  • 消防放水器具向けゴム製品は品質の安定と低価格が求められている。
  • 現行の設備に代えて、自動成型機(大容量射出装置)を導入した。
  • 売上高 100%→150%。自動化により手作業が減り、品質の向上と不良発生率の大幅な低減が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名近江化学工業株式会社
所在地滋賀県 米原市
業種化学工業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数70人
資本金5,000万円
設立1961年

事業の背景

当社は消防放水器具向けのゴム製品(ブルータイヤとUパッキン)を製造しており、品質の安定と低価格が求められている。一方で、プレス成型は手作業の工程が多く、労働環境が厳しい。労働力人口減少による人手不足の影響で、従業員の確保も困難な状況が続いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度消防放水器具向けゴム製品は品質の安定と低価格が求められている。
  • 人手・技能プレス成型は手作業の工程が多く、労働環境が厳しい。
  • 人手・技能労働力人口の減少による人手不足で、従業員の確保が困難になっている。
  • 品質・精度不良品発生の要因の大半が手作業によるもので、不良発生率は従来0.1%程度だった。

やったこと

現行の設備に代えて、自動成型機(大容量射出装置)を導入した。導入により、ゴム切断・計量、金型へのゴムセット、脱型の工程を自動化した。金型へのセットは最初にゴム生地を機械へセットすれば以後は自動で行う。設備導入後に人の手が必要なのは、ゴム生地のセットと、脱型後の製品回収およびバリ取りによる軽作業の仕上げのみとなった。導入後は24時間自動稼働が可能になった。

加工機ゴム製品自動成型機(大容量射出装置)

新しい製品・サービス:ブルータイヤ(放水ホースの継ぎ目金具を保護するゴムリング)

事業の効果

  • 売上高 100%→150%

自動化により手作業が減り、品質の向上と不良発生率の大幅な低減が見込まれる。加工時間が短縮され、材料の無駄が減って歩留まりも良くなった。人件費が大幅に削減でき、従業員は危険な発熱体の近くでの長時間労働から解放されて満足度も高まった。一人の従業員を他ラインに配置でき、女性や高齢者を活用する選択肢も広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は読めず、既存のゴム成型事業の延長として自動化を進めたことが述べられるのみで、経営戦略上の位置付けは具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    消防放水器具向けの品質安定と低価格への要望、人手不足という外部環境は書かれているが、競争優位の源泉となる自社の強みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業工程が多い課題を示し、自動成型機で不良発生率0.1%程度を限りなくゼロに近づけ、売上高と利益率の向上を見込むと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上150%アップという目標は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現根拠も示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員の再配置や女性・高齢者のパート活用に触れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブルータイヤとUパッキンが一対の製品であること、品質安定と低価格が顧客要望であること、新規取引が期待できることが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ブルータイヤの着色問題を配合改良で解決する計画と近日中の製品化予定が書かれ、課題と解決方法は示されているがスケジュールは曖昧。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    消防放水器具向けゴム製品の一般的な普及度や高付加価値化の水準についての記述は見当たらず、わずかに高単価化をうかがえる程度。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    労働力人口減少による人手不足への対応や女性・高齢者の雇用機会の広がりが書かれ、地域雇用への効果がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果4

    加工時間の短縮、材料歩留まり改善、人件費の大幅削減、不良率の低減など効果が複数具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動成型機による自動化は書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献、新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県米原市の立地は会社概要にあるが、地域の特性を活かした付加価値創出や地域経済への牽引の記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ブルータイヤの着色問題を材料配合の改良で解決し、近日中に製品化する計画である。ブルータイヤの品質安定と低価格化が達成できれば新規取引が期待できる。今後は全社的な生産工程の自動化を進めたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。