ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

新規コンビネーション育毛剤(医薬部外品)の生産体制樹立と上市

コスメディ製薬株式会社

成果マイクロニードル基盤の厚さ 100%→60%

この事例のポイント

  • 新規コンビネーション育毛剤は全く新しい製品であり、専用の製造装置が必要だった。
  • 溶解型マイクロニードルを養毛剤として製品化し、スキャルプケア成分を含むマイクロニードル(スキャルプパッチ)と、モズクエキスや育毛有効成分を配合した独自の育毛トニックを併用する製品…
  • マイクロニードル基盤の厚さ 100%→60%。マイクロニードルの基盤を従来品より約40パーセント薄く生産でき、溶解時間は約30秒となった。

事業者のプロフィール

事業者名コスメディ製薬株式会社
所在地京都府 京都市
業種化学工業
技術分野バイオ,精密加工
従業員数40人
資本金3,000万円
設立2001年

事業の背景

当社は経皮吸収システム(TTS)を基盤に、マイクロニードル技術を独自に発展させてきた。2008年にはマイクロニードル化粧品を上市し、大手化粧品メーカーにOEM供給するほか、自社ブランド「Quanis」を展開している。女性の社会進出に伴いストレスによる抜け毛や薄毛に悩む女性が増えており、従来の育毛剤は副作用や効果が出るまでの長い期間が課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術新規コンビネーション育毛剤は全く新しい製品であり、専用の製造装置が必要だった。
  • 生産能力養毛剤専用のマイクロニードルとオリジナル育毛トニックの二つを、スムーズに生産する方法が課題だった。
  • 品質・精度頭皮では毛髪に邪魔されて薬剤が浸透しにくく、パッチを薄くして短時間で溶かす必要があったが、基盤を薄くすると破れやすくバラつきも出やすかった。
  • 品質・精度育毛トニックは高粘度の溶剤を均一かつ高速に撹拌する必要があったが、当社には初の試みだった。

やったこと

溶解型マイクロニードルを養毛剤として製品化し、スキャルプケア成分を含むマイクロニードル(スキャルプパッチ)と、モズクエキスや育毛有効成分を配合した独自の育毛トニックを併用する製品を開発した。専用の金型処理機と精密塗布機を導入し、様々なパラメータを最適化してマイクロニードルの基盤の薄さとバラつきを改善した。また、オリジナルスペックの乳化分散機および高速撹拌機を導入し、溶液の混合から撹拌、濾過、容器充填、包装までの生産ラインを組み上げた。2016年12月に機械設備を導入・設置し、2017年春にはテスト販売用の1000セット分の生産を開始した。

加工機金型処理機
加工機精密塗布機
加工機乳化分散機
加工機高速撹拌機

新しい製品・サービス:マイクロニードルと育毛トニックを組み合わせた新規コンビネーション育毛剤(医薬部外品)

事業の効果

  • マイクロニードル基盤の厚さ 100%→60%
  • マイクロニードルの溶解時間は約30秒と瞬時の溶解、浸透を実現した。
  • 2017年秋からの本格稼働で工場は月産1000セットからの本格稼働となった。

マイクロニードルの基盤を従来品より約40パーセント薄く生産でき、溶解時間は約30秒となった。育毛トニックは粘度の高い成分を微粒化しスプレーボトルへの充填が可能になった。テスト販売では使用後3〜6か月で効果が出てきたとの声が多く寄せられ、メディアでも注目された。今後は海外販路の拡大と、全社売上に占める当製品の割合を20パーセントまで高めることを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のTTS・マイクロニードル技術を基盤に育毛剤へ展開したとあり、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来美容液より効果に大差をつけた点や、先行メーカーとしてトップシェアを目指す方針から、競争優位の考え方が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    量産時の針基盤の薄さや溶剤の均一撹拌といった課題認識と設備導入は書かれているが、事業計画の数値的な実効性は限定的。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    基盤を約40%薄く、溶解時間を約30秒とする具体的目標を達成し、月産1000セットからの本格稼働も記載されている。付加価値・賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    生産技術担当者と機械メーカー担当者が打ち合わせて仕様を決めたとあるが、体制や事務処理能力の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    理美容店での使用後3〜6ヶ月で効果が表れたという声やメディア露出など、ニーズの裏付けと製品の特徴が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    2017年春のテスト販売、秋の本格販売、海外展開の段階的な計画が示されているが、課題解決の方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    マイクロニードルと育毛トニックの組み合わせは世界初とされ、先行者として高付加価値の新分野を狙う点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    海外展開や雇用・需要創出への言及はあるが、川上川下への波及や国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    設備導入後の効果として基盤薄型化や溶解時間の改善はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医薬部外品の新分野への進出とはあるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内外への販路拡大を進め、グローバルに展開する製品に育てるとともに、先行者としてトップシェアの獲得を目指す。将来は化粧品や医療分野へのコンビネーション製品の応用も計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。