ものづくり補助金平成24年度静岡県

卓上に乗る小型・軽量でありながら、軽金属まで加工できるマシニングセンターの開発

株式会社静岡鐡工所

この事例のポイント

  • 既存の小型・軽量マシニングセンターは高額か、安くても軽金属を加工できず、学校の要求を満たせなかった。
  • 軽量化のため、通常は鋳物(鉄)を使う本体にアルミ材を用いた。
  • 従来の卓上マシニングセンターでは難しかった軽金属の加工が可能になり、教育機関の要望に十分応える製品になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社静岡鐡工所
所在地静岡県 静岡市
業種生産用機械器具製造業
技術分野動力伝達
資本金1億円
設立1936年

事業の背景

当社は明治10年創業の工作機械メーカーで、CNCフライス盤やマシニングセンターの開発・製造を主力としている。静岡市葵区の本社工場のほか、東北・関東・長野・名古屋・大阪・福岡に営業所があり、全国規模で事業を展開している。技術系教育機関には1台あたり1000万円ほどの工作機械を納入しているが、教育機関から、小型で設置しやすく比較的安価な機械を求める声が寄せられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の小型・軽量マシニングセンターは高額か、安くても軽金属を加工できず、学校の要求を満たせなかった。
  • 新製品・新技術従来機は性能に申し分はないものの、ニッチなニーズには対応できていなかった。
  • 生産能力教育機関に納入している大型の工作機械は設置台数が限られ、生徒が作業する機会も少なくなっていた。

やったこと

軽量化のため、通常は鋳物(鉄)を使う本体にアルミ材を用いた。軽量なシステムで大きな力を得るために、偏心カムを利用したツールロックシステムを採用し、安定した切削ができるようバランスを調整した。アルミ材では機械の剛性が不足するため、切削や精度に影響する部分のみを鉄製の部品に差し替えた。素材の熱膨張率の違いによる歪みを抑えるため、軸心の合わせを精密に行った。これらの細かい調整には三次元測定機を導入して対応した。

検査測定三次元測定機

新しい製品・サービス:小型・軽量で軽金属まで加工できるマシニングセンター。基本スペックのモデルは価格を400万円以下に抑え、家庭用電源対応モデルも製造している。

事業の効果

従来の卓上マシニングセンターでは難しかった軽金属の加工が可能になり、教育機関の要望に十分応える製品になった。価格は基本スペックのモデルで400万円以下に抑えられ、コストや設置の簡便さを重視する層に評価されている。展示会への出品を通じて、当初想定していなかった業界からも引き合いを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業明治10年・140年の歴史と工作機械製造の実績が書かれ、今回の開発は教育機関からの要望が起点だが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来の卓上機では軽金属加工が不可能だった点や価格を400万円以下に抑えた点は読み取れるが、競争優位の定量的根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    教育機関から台数確保や設置しやすさの要望があったことは書かれるが、課題解決が売上や付加価値にどうつながるかの計画は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値増加や賃上げの目標値は記載がなく、価格400万円以下という数字はあるが目標値としての扱いではない。

  • 事業を進める体制2

    従業員の技術力維持のための訓練に触れるが、補助事業を遂行する体制や人員についての具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    教育機関の要望や業界からの引き合いを基に、軽金属加工・低価格・設置の簡便さという選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作改良や展示会での反応は書かれるが、今後のスケジュールや課題解決の方法は『改良が進められている』程度の記述にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    軽金属加工が可能な卓上型は従来存在せず、基本モデル400万円以下で差別化していることが具体的に書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    教育機関での生徒の技術力向上や地域の工業人材育成につながる可能性がうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    アルミ材と偏心カム、鉄部品の差し替えなど工夫は書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や化粧品、自動車業界への提案が書かれるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及2

    静岡市の本社工場と全国の営業拠点は書かれるが、地域特性を活かした雇用創出や成長牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

家庭用電源対応モデルの製造を始めており、医療機器や化粧品、自動車業界など幅広い顧客層に向けて提案を続ける。新型マシニングセンターは現在も改良を進めている。

事業者の声

県内外の展覧会に出品してみると、当初想定もしていなかった業界からのお声も頂けたんです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

愛知県平成24年度

消防用可変ノズルの事業化

放水形態を広角から棒状まで切り替えられる独自機構のからくりノズルを開発した。

効果:遠近距離から15〜20メートル先の広い火元に対応

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。