ものづくり補助金平成24年度静岡県

乾燥中の乾燥物重量を計量し乾燥を制御するマイクロ波真空乾燥機

西光エンジニアリング株式会社

この事例のポイント

  • 乾燥を終えた完全乾燥品の含水率が目的より過度に下がっていることが多く、歩留まりが悪化していた。
  • 平成24年度のものづくり補助金を活用し、マイクロ波減圧乾燥機の新機能として、乾燥中の乾燥物重量を計量して乾燥を制御するシステムの開発に着手した。
  • 乾燥中の重量を計量して乾燥終了を自動で検知するため、目的の含水率や水分活性に合わせた乾燥品を安定して作れるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名西光エンジニアリング株式会社
所在地静岡県 藤枝市
業種生産用機械器具製造業
技術分野発酵
従業員数12人
資本金1,500万円
設立1987年

事業の背景

西光エンジニアリングは、製茶機械メーカーで設計・開発を担当していた取締役が昭和62年に起業した技術開発型の小規模技術集団である。主力製品はマイクロ波減圧乾燥機で、同機は摂氏40度の低温で乾燥でき、素材の色彩や風味を保てる。平成12年からは経営革新計画などの公的認定制度を活用し、ものづくり補助金は平成21年度から申請・採択されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度乾燥を終えた完全乾燥品の含水率が目的より過度に下がっていることが多く、歩留まりが悪化していた。
  • コスト・採算ソフト乾燥では乾度のばらつきが多く、想定した乾度にならないことが多かったため再乾燥が必要になり、乾燥コストが増えて損失が生じていた。
  • 生産能力乾燥途中の乾度を確認するために扉を開けてから、乾燥不足のときは再び減圧して追加乾燥する手間とロスがあった。
  • その他実用化に向けた開発に特化したベンチャー企業であるため、開発に使える資金が乏しかった。

やったこと

平成24年度のものづくり補助金を活用し、マイクロ波減圧乾燥機の新機能として、乾燥中の乾燥物重量を計量して乾燥を制御するシステムの開発に着手した。乾燥途中の素材の重量を常に計量し、重量減少で乾燥の終了時期を検知して自動で乾燥を制御する仕組みとした。これにより、目的とする含水率やソフト乾燥に適した水分活性の乾燥品を製造できるようにした。高精度ロードセルを用いて重量を測定し、試作機として重量制御型マイクロ波減圧乾燥機を完成させた。

新しい製品・サービス:重量制御型マイクロ波減圧乾燥機(乾燥中の乾燥物重量を計量し乾燥を制御するシステム)

事業の効果

乾燥中の重量を計量して乾燥終了を自動で検知するため、目的の含水率や水分活性に合わせた乾燥品を安定して作れるようになる。過度な乾燥による歩留まりの悪化や、再乾燥によるコスト増を抑えられる。ノンフライや無加糖・無添加のドライフルーツなど、従来にない製品の開発が可能になり、高付加価値の乾燥機として食品以外の加工業界からも反応がある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和62年創業の製茶機械設計出身の企業で、平成12年から経営革新計画を活用し、平成19年以降マイクロ波減圧乾燥機を継続開発してきた一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ドライフルーツ業界で無フライ・無加糖品への需要があるという外部ニーズは書かれているが、競合比較や自社の経営資源の強みは具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    完全乾燥品の水分過多による歩留まり悪化や、ソフト乾燥での乾燥ムラ・再乾燥によるコスト増という課題を明示し、重量計測による制御で解決する方針が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    乾燥時間が約1/5、消費電力が約1/50といった実績値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12人の小規模技術集団で、社長自身が書類を記入すると書かれており、開発体制の一端はうかがえるが、人材や事務処理体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットをドライフルーツ業界とし、ノンフライ・無加糖・無添加品へのニーズや、低温で色彩・風味を保てる利点を具体的に述べている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として新感覚ドライフード分野への注力と海産物・医療品への展開が挙げられているが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来のFDに比べ乾燥時間が約1/5に短縮され、重量制御による乾燥終了の自動検知は『いままでに例を見ない装置』と紹介されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    省エネルギーへの寄与や海産物・食品・医療品の広範な加工業界への波及が示されているが、雇用創出や地域経済への波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    乾燥時間が約1/5、消費電力が約1/50に削減され、歩留まり改善や再乾燥によるコスト損失の解消が示されており、費用対効果の方向性は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    重量計測による乾燥の自動制御という先端的な制御技術は示されているが、サプライチェーンや地域全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ドライフード分野の新規需要創造への注力は書かれているが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    静岡県藤枝市の小規模企業で海産物や果実の乾燥に取り組む点は地域特性に沿うが、地域の雇用創出や成長牽引についての記述は薄い。

事業者の声

県や関東経済産業局の方々と親しくなり、メールなどのやりとりをして、情報を得る。常にアンテナを張り、ネットワークを駆使する。応募にあたっては、コンサルに任せっきりにせず、書類は自分自身で記入すること

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。