ものづくり補助金平成24年度静岡県

浴槽内での見守りセンサシステムの試作開発

株式会社メディカルプロジェクト

この事例のポイント

  • 既存の浴室内見守りは転倒など比較的大きな異常動作を光線や画像で判断するもので、浴槽内でお湯につかっている状態の心拍数や呼吸の異常を検出するには限界があった。
  • 浴槽の裏底脚部に設置したセンサーが微弱な空圧の変化で生じる力の変動を計測し、コンピューターで解析して呼吸と心拍の動きを抽出する仕組みを開発した。
  • 市場初となる浴槽内見守りシステムとして、大きな期待が持てる製品を開発できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社メディカルプロジェクト
所在地静岡県 静岡市
業種電気機械器具製造業
技術分野金属プレス加工
従業員数19人
資本金3,700万円
設立1982年

事業の背景

同社は医療関連機器・用品の商社として昭和57年に創業し、平成12年からメーカーに転身した。主力は高齢者・患者の離床・見守りセンサーで、ビームセンサーや赤外線センサー、ベッドセンサーなど多数の種類を製造している。複数の介護福祉施設から、ターミナルケアや要介護度の高い入所者のベッド上の動きを簡易に知りたいという要望があり、センサーシートを開発した。入浴中の死亡は年間1万7000人と交通事故死より多く、その多くが高齢者の溺死であることから、入浴中の見守り需要が急務となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の浴室内見守りは転倒など比較的大きな異常動作を光線や画像で判断するもので、浴槽内でお湯につかっている状態の心拍数や呼吸の異常を検出するには限界があった。
  • 新製品・新技術入浴中の人間の生体情報の異変をいち早く感知し、家族や施設の従業員に知らせて浴槽事故を防ぐ装置を新たに開発する必要があった。

やったこと

浴槽の裏底脚部に設置したセンサーが微弱な空圧の変化で生じる力の変動を計測し、コンピューターで解析して呼吸と心拍の動きを抽出する仕組みを開発した。心停止や無呼吸などの異常状態を検知すると浴室外の報知機を鳴らして家族らに知らせ、同時に自動排水弁を作動させて湯を抜く構造とした。センサーユニットは薄型で、北海道立総合研究機構の工業試験場と共同で生体情報の解析に取り組んだ。開発段階で数多くのテストを実施し、十分な結果を得た。

  • その他浴槽内見守りセンサーユニット薄型
  • ソフト生体情報解析用コンピューター・ソフトウェア
  • その他浴室外報知機・自動排水弁制御装置

新しい製品・サービス:入浴中の高齢者の生体情報を解析し、異常時に報知と自動排水を行う浴槽内見守りセンサーシステム

事業の効果

市場初となる浴槽内見守りシステムとして、大きな期待が持てる製品を開発できた。高齢者の単身・夫婦世帯は約1000万世帯、高齢者住宅や有料老人ホームなどは約18万戸と市場規模が大きい。住宅メーカーや浴槽メーカーを通じて販売し、展示会・見本市にも出展して販路拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    介護施設向けセンサーシートの開発実績があり、その延長で入浴中の見守り装置へ展開したと読める。ただし経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    入浴中の見守りはホ外線や画像モニターに限界があるとし、浴槽内の心拍・呼吸を検出する市場初の製品と説明している。強みは示されるが定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    浴槽事故の予防という課題認識と、センサーで呼吸・心拍を解析し報知・自動排水する解決策が書かれている。成長性の数値は示されていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高い付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。市場規模や販売予定価格8万円台はあるが、実現可能性の検証は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    北海道立総合研究機構の工業試験場と共同で開発し、開発段階で数多くのテストを実施したとある。社内の人材や事務処理体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高齢者の入浴中死亡が年間1万7000人との調査、単身・夫婦世帯約1000万世帯、有料老人ホーム等約18万戸など数字で需要を裏付けている。

  • 事業化までの道筋3

    住宅・浴槽メーカーとの連携、展示会出展による販路拡大など遂行方法は書かれている。ただしスケジュールは販売予定時期が示されるのみで、詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    浴槽内の心拍・呼吸を検出する見守り装置は市場初の製品と説明され、既存の浴室内見守りとは区別される新分野として書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    入浴中事故は高齢者の溺死が多く社会的課題とされ、予防装置の意義が書かれている。経済波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    センサーで微弱な空圧変化を解析し、心停止や無呼吸を自動判定するデジタル技術の活用が書かれている。地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    高齢化に伴う介護・見守り需要への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

住宅メーカーや浴槽メーカーとの連携を中心に調査を進め、製品化を予定している。販売は年間の展示会・見本市にも出展し販路を広げる計画である。価格はセンサーと制御装置で8万円台を想定している。

事業者の声

こうした製品は試作、開発、商品化まで相当時間がかかり、それに伴い費用もかさむので資金的にも、公的な支援補助金は大変ありがたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。