ものづくり補助金平成24年度静岡県

ボトルクーラー導入による商品の高品質化事業

株式会社大村屋酒造場

成果処理能力 400本/時間→1,000本/時間

この事例のポイント

  • 火入れ工程で加熱履歴による味の劣化を防ぎ、高品質な日本酒を提供したい。
  • 搾り工程が終わった日本酒を一定の温度に温め、その後冷却する火入れ工程に新たな製造手法を導入した。
  • 処理能力 400本/時間→1,000本/時間。ボトルクーラーの導入により日本酒製造の高度化を図り、処理能力、使用水量、省人力化の各面で大きな削減効果を得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大村屋酒造場
所在地静岡県 島田市
業種食料品製造業
技術分野金属プレス加工
資本金1.2億円
設立1955年

事業の背景

静岡・島田宿で天保3年(1832年)に創業した造り酒屋で、約40年前に「鬼ころし」を復活させ、「おんな泣かせ」など数々のオリジナル商品を世に出してきた。純米大吟醸酒など高品質な特定名称の清酒のみを製造し、日本名門酒会に加入して国内外へ販路を拡大していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度火入れ工程で加熱履歴による味の劣化を防ぎ、高品質な日本酒を提供したい。
  • 生産能力従来の製法では発酵が進み、搾った後に後処理をせず保存すると香味が変化し、品質が劣化するおそれがあった。

やったこと

搾り工程が終わった日本酒を一定の温度に温め、その後冷却する火入れ工程に新たな製造手法を導入した。ボトルクーラーを導入し、殺菌のため熱をかけて容器に詰めた後、ビン詰ライン上で3段階の温度の水をビンに浴びせて短時間で熱を冷ます仕組みとした。小さい容量の瓶で火入れを行うことで急速に品温を下げ、理想的な熱処理を可能にした。

加工機ボトルクーラー

事業の効果

  • 処理能力 400本/時間→1,000本/時間
  • 使用水量 12,000L/時間→2,160L/時間
  • 作業人数 3人→1人

ボトルクーラーの導入により日本酒製造の高度化を図り、処理能力、使用水量、省人力化の各面で大きな削減効果を得た。冷却効果が上がって溶存酸素量が低下し、過熟抑制にもつながった。高品質な日本酒を大量生産できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来の酒造事業と高品質路線の延長にある取組とうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外の有名料理店で扱われ、日本酒の消費拡大を背景にした販路拡大が書かれ、外部環境との関係は読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    火入れ工程の温度管理による香味劣化の課題が示され、処理能力2.5倍、使用水量82%減など具体的な効果が書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    処理能力400本から1000本/時、使用水量12,000Lから2,160Lへの減少など、具体的な数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質な日本酒として香味劣化を防ぐ点や海外での取扱いが書かれるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の体制や中長期の遂行計画、スケジュールはわずかにうかがえる程度で明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本酒の中でも純米大吟醸など高品質カテゴリのみを製造し、高水準の高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    和食のユネスコ無形文化遺産登録や国家戦略による輸出促進に触れ、国が支援する背景はあるが波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    処理能力2.5倍、水使用量82%減、3人体制から1人への省人化など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    地域の伏流水や静岡酵母を活かす点はうかがえるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はほぼない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    日本酒の海外需要拡大に触れるが、経済構造転換への言及は限定的でわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及4

    南アルプス由来の大井川伏流水や静岡酵母・誉富士を用いた地域の特性を活かす取組が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外でも日本食と同様に、日本と同質の本来の日本酒の味を届けていきたいと考えている。

事業者の声

日本酒を世界酒にしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。