ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

地方発ドレッシング販売量日本一への挑戦~新工場で生産体制刷新~

株式会社 グラッツェミーレ

成果製造量は10倍増まで対応できる体制が整った

この事例のポイント

  • 取引先からの新商品開発や小ロットOEMの依頼が増えたが、食品開発用の設備がなく、レストランキッチンでできる範囲にとどまっていた。
  • 平成28年7月に高知市長浜に新工場を建設し、食材の受け入れから出荷まで徹底した安全管理のもと高い生産能力を持つ体制とした。
  • 製造量は10倍増まで対応できる体制が整った。5機種の導入により品質が向上し、製造量は10倍増まで対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 グラッツェミーレ
所在地高知県 高知市
業種食料品製造業
技術分野材料製造プロセス,製造環境,測定計測
従業員数10人
資本金1,000万円
設立2010年

事業の背景

平成22年7月から高知県産野菜を約40%含有する添加物不使用のチルドタイプのドレッシングを製造・販売している。ヘルシー志向による野菜サラダの販売伸長に伴い、ドレッシングの販売量も増加してきた。当初は母体であるイタリアンレストラン上階のテナントで製造していたが、販売好調により生産が間に合わなくなった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先からの新商品開発や小ロットOEMの依頼が増えたが、食品開発用の設備がなく、レストランキッチンでできる範囲にとどまっていた。
  • 品質・精度他社製品の乳酸菌や酵母の混入を防ぐため火入れの回数を増やして対応した結果、ドレッシングの色が悪くなるなどの問題が生じていた。
  • 生産能力製造を県内食品メーカーに委託しており、生産が需要に追いつかない状態だった。
  • 品質・精度添加物不使用のチルド商品であり、O-157による食中毒や異物混入などへの社会的関心の高まりを受けて、厳しい安全管理体制が求められていた。

やったこと

平成28年7月に高知市長浜に新工場を建設し、食材の受け入れから出荷まで徹底した安全管理のもと高い生産能力を持つ体制とした。導入したのは、原材料受入管理システム付計量管理機器、乾式野菜皮むき器、温度センサー付き蒸気釜、水温管理冷却装置、ラベルチェッカーの5機種である。計量管理機器は原材料の賞味期限や在庫を一括管理し、配合時に正確に計量して記録する。乾式野菜皮むき器は少量の水で野菜を洗浄し皮をむく。温度センサー付き蒸気釜はペースト状の野菜と油、調味料を攪拌しながら火入れする。水温管理冷却装置は0℃の水を循環させ、65℃前後の製品を急速に冷却する。ラベルチェッカーは賞味期限やロットナンバーの記載漏れを検査する。

検査測定原材料受入管理システム付計量管理機器
加工機乾式野菜皮むき器
加工機温度センサー付き蒸気釜
加工機水温管理冷却装置
検査測定ラベルチェッカー

新しい製品・サービス:業務用ドレッシングや、パスタソース、アクアパッツァ、ポトフ、レトルトカレーなどの冬場向け商材の開発・製造を計画している。

事業の効果

  • 製造量は10倍増まで対応できる体制が整った
  • 皮むき工程の処理量は1.4倍となった
  • 下処理のための水道使用量が1/10に減少した
  • 水温管理冷却装置により処理量が約10倍となった

5機種の導入により品質が向上し、製造量は10倍増まで対応できるようになった。原材料管理や安全性が確保され、水道光熱費の削減と人的労力の軽減も図れた。製造工程管理と安全対策が整ったことで製品への信頼が高まり、新規取引先への販路拡大につながっている。蒸気釜による火入れの機械化で品質が安定し、異物混入や品質低下のリスクも軽減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    レストラン商品の自家製ドレッシングを商品化し、2010年から製造販売している経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    野菜を約40%含有する添加物不使用のチルドタイプで差別化に成功し、野菜不足のニーズに合ったと記載されており、強みは具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    製造委託先の火入れ回数増による色悪化や小ロット対応の限界を課題として挙げ、新工場と設備導入で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造量は10倍増まで対応できる体制と記載され、年間150トンの野菜処理や皮むき工程1.4倍など数値目標に近い記述がある。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    FSSC22000認証取得に向けた活動や従業員10名の体制は記載があるが、補助事業の遂行体制を具体的に示す記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    野菜不足に悩む現代人のニーズに合う商品であり、ヘルシー志向による販売伸長が背景として具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    2016年7月の新工場建設、2018年1月のFSSC22000取得予定など時期は示されるが、中長期の課題検証や遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    添加物不使用・野菜約40%含有のチルドドレッシングは市場に類を見ないとされるが、高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    県内一次産品生産者の支援や野菜生産農家の収益アップ、雇用拡大に触れており、地域波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果3

    水道使用量が1/10に減少、電気使用量の抑制、処理量約10倍などの効果は示されるが、補助金投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    原材料管理やトレーサビリティーの仕組みは記載があるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルとしての位置付けは読み取りにくい。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    地方発の食品が国内外へ販路を広げる方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    高知県産野菜を用い、県内一次産品の商品開発や地産外商を担うと記載され、地域の特性を活かした事業であることが具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内民間企業初となるFSSC22000認証の取得に向けて活動している(平成30年1月取得予定)。国内販売量日本一の地方発ドレッシングを目指し、アメリカ市場での販売にも注力する。取引先の需要に応じた小ロット生産や県内一次産品の商品開発支援も行い、雇用拡大と野菜生産農家の収益向上につなげたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。