ものづくり補助金平成24年度愛知県

永年のノウハウを凝縮した「極細生糸(きいと)」「高密度」「二重織り」を併せ持つ世界に存在しない幻の織物の開発

野口株式会社

成果シルクの艶や風合いを引き出すため系番手100番の細い糸を使用して高密度で設計

この事例のポイント

  • ウールの服地は秋冬の季節性が強く、春夏向けの商品を作りにくく、年間を通じた安定的な仕事が確保できていない。
  • シルクの生糸を使い、極細の生糸(系番手100番)を高密度で設計した二重織りの生地見本を試織した。
  • シルクの艶や風合いを引き出すため系番手100番の細い糸を使用して高密度で設計。シルクを使った高付加価値の生地開発により、春夏にも使える素材で海外への販路拡大を目指す。

事業者のプロフィール

事業者名野口株式会社
所在地愛知県 稲沢市
業種繊維工業
技術分野繊維加工
従業員数5人
資本金2,800万円
設立1949年

事業の背景

野口株式会社は愛知県稲沢市で昭和24年から続く織物商社で、主にウールやレーヨンを使った婦人服地の卸販売を行い、売上高全体の約15%は織物設計と委託工場での生産の請負である。社員は5人。尾州織物産地は明治時代にウール素材を全国に先駆けて採用し国内1位の生産量を誇るが、海外製の安価な製品の流入や後継者不足で規模は縮小傾向にある。ウール服地は繁忙期が毎年5〜8月に集中し、年間を通じた仕事が少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ウールの服地は秋冬の季節性が強く、春夏向けの商品を作りにくく、年間を通じた安定的な仕事が確保できていない。
  • 新製品・新技術春夏でも使え海外でも販売できる、付加価値の高い新素材の生地開発が必要になっていた。
  • 人手・技能尾州織物産地では後継者不足が深刻で、現役職人の年齢が50〜70代が大半を占めている。
  • その他5年前に麻糸を使った生地生産に挑戦したが、大手生地メーカーの安価な製品が多い市場への参入は難しく、本格生産を見送った経験がある。

やったこと

シルクの生糸を使い、極細の生糸(系番手100番)を高密度で設計した二重織りの生地見本を試織した。生地の基本方針は「極細生糸」「高密度」「二重織り」の三つで、委託工場の協力を得て製織に取り組んだ。生糸は伸びが少なく、テンションを一定に保てず緩みが出たり製織時に切れたりするトラブルが多かったため、生糸の仕入れ先からアドバイスを受けながら、工場内の湿度管理や糸のテンションのかけ方などのノウハウを蓄積した。製織した見本はシルクの生糸の二重織りやウールの94番双糸を使ったものなど全7種類にのぼる。

新しい製品・サービス:シルクの生糸を使った極細・高密度・二重織りの生地見本(全7種類を試織)

事業の効果

  • シルクの艶や風合いを引き出すため系番手100番の細い糸を使用して高密度で設計
  • シルクの生糸の二重織りの生地やウールの94番双糸を使った生地など全7種類の生地見本を製織

シルクを使った高付加価値の生地開発により、春夏にも使える素材で海外への販路拡大を目指す。製織のノウハウを蓄積できたことで、今後の製品化に向けた技術基盤ができた。尾州織物産地の後継者不足や活性化にも貢献することが期待される。今後は生地見本の最終的な仕上げ加工に取り組み、不良品や材料ロスの低減と製織効率の改善が課題である。

今後の展望

今後は生地見本の仕上げ加工を行い、シルクの風合いを生かすため柔らかく仕上げる予定。不良品発生や材料ロスの低減、製織効率の改善に取り組み、原材料の仕入れ先とも協力して技術向上に努める方針。

事業者の声

実践を通じてシルクの特徴を理解し、ノウハウを蓄積できた

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。