ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

不織布プリーツマスク国産化による顧客満足度及び付加価値向上事業

株式会社白鳩

成果製造ライン1本あたりの必要人員 10人→4人

この事例のポイント

  • 海外生産に依存していたため対応速度や品質面に課題があり、パンデミック時にはピーク需要に供給が間に合わないケースが発生した。
  • 平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、不織布ロールをプリーツ状に折り超音波で熱着するマスク製造機と耳ひもの溶着機を導入した。
  • 製造ライン1本あたりの必要人員 10人→4人。全製造工程の自動化により、製造ライン1本あたりの必要人員は4人に減り、2交代制での生産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社白鳩
所在地愛知県 名古屋市
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数290人
資本金1,500万円
設立1958年

事業の背景

白鳩は昭和25年創業の老舗マスクメーカーで、木綿ガーゼマスクの製造から始め、使い捨て不織布マスクの生産も手がけてきた。平成に入り大手衛生品メーカーのOEM供給が拡大し、その後は大手メーカーからの受託生産を中心に事業を展開した。生産量の確保と価格維持のため主力生産拠点を中国に移したが、平成15年のSARSや同21年の新型インフルエンザでは需要急拡大に対応しきれず、在庫過多も経験した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力海外生産に依存していたため対応速度や品質面に課題があり、パンデミック時にはピーク需要に供給が間に合わないケースが発生した。
  • コスト・採算パンデミックに備えて大量に作ったマスクはパンデミック後に売れ残り、在庫過多に陥った。
  • 人手・技能国内に新設した製造ラインは材料投入から梱包まで約10人が必要で、顧客ニーズに応える生産性の向上が最大の課題だった。

やったこと

平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、不織布ロールをプリーツ状に折り超音波で熱着するマスク製造機と耳ひもの溶着機を導入した。名古屋市天白区の倉庫として使っていた建屋(天白工場)を改築して専用クリーン工場とし、製造ラインを設置した。製品の数量確認や梱包を機械化し、製品検査には画像検査装置を導入して、全製造工程の自動化を実現した。製造ラインを増設した結果、ライン1本あたりの必要人員は10人から4人に削減でき、2交代制での生産が可能になった。

加工機マスク製造機(不織布のプリーツ成形・超音波熱着)
加工機耳ひも溶着機
検査測定画像検査装置
その他製品数量確認・梱包の自動化機械

新しい製品・サービス:ノウハウを生かした独自構造のマスクを自社製品として開発する計画

事業の効果

  • 製造ライン1本あたりの必要人員 10人→4人

全製造工程の自動化により、製造ライン1本あたりの必要人員は4人に減り、2交代制での生産が可能になった。ライン増設により20人で1日約22万枚のマスクを生産できるようになった。自動化した天白工場は、中国の協力工場製品の検査・梱包に55人を要し1日約39万枚を生産する盛岡工場より高い生産性を実現した。国内生産体制が整ったことで、コロナ禍の需要急増に対しOEMメーカーとして国産マスクを供給している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来マスク事業を展開し、不織布マスクの国産化を決めた経緯が書かれており、過去の取組との一貫性はうかがえる。ただし経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    パンデミック時の供給不足や在庫過多という外部環境の課題が示される一方、競争優位性の根拠となる数字や比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    海外依存による対応速度・品質の課題を特定し、製造工程の自動化で1日約22万枚、ライン当たり4人に削減した点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    20人で1日約22万枚、自動化で必要人員を10人から4人へ削減など具体的な数値目標と実績が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    製造ラインの自動化や工場改築を行ったことは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    手ごろで高品質なマスクという価格と品質の方針、OEM需要の拡大、コロナ禍での需要急増など、ニーズの裏付けと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    天白工場の改築・製造ライン設置、盛岡工場への新棟建築と設備導入など段階的な計画は示されるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    不織布マスクは一般に普及しているジャンルで、独自構造のマスク開発など差別化の取組は示されるが、高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    パンデミック時の供給確保という国内生産の必要性は示されるが、経済波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    補助金を活用した製造ライン設置と自動化で、ライン当たり4人、1日約22万枚という生産性向上の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    画像検査装置の導入や全工程の自動化は示されるが、サプライチェーン全体への貢献を示す記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内生産体制の構築は書かれるが、日本経済の構造転換に資するという記述は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    名古屋市天白区の既存建屋を活用して地域に工場を設けた点はうかがえるが、地域経済の成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

手ごろで高品質なマスクを追求するため、自動化の進んでいない盛岡工場に新棟を建築し製造設備も導入する。自社製品として独自構造のマスクも開発し、海外展開にも意欲を見せている。

事業者の声

マスクは他人に病気をうつさない思いやりの心。世界中の人がマスクの必要性を感じている今が打って出るタイミングだ。これまでよりも多くの人と、マスクを通じて幸せを分かち合いたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。