ものづくり補助金平成24年度愛知県

自動車用ランプ向耐熱樹脂部品の歩留り向上を目的とする、CAE解析技術の確立及びコスト低減、短納期化

三恵プラスチックス株式会社

この事例のポイント

  • 肉厚レンズは成形後の反りが大きく技術的に難しいが、CAE解析は供給先任せで自社では行えず、設計の初期段階から提案できなかった。
  • 平成25年9月に約900万円でCAEソフトを導入し、試作用の解析を始めた。
  • CAEにより反りの向きや程度をデータで把握し、顧客へ製品形状や肉厚の変更を提案できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名三恵プラスチックス株式会社
所在地愛知県 愛知県岡崎市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野金型
従業員数41人
資本金1,400万円
設立1964年

事業の背景

同社は国内大手自動車用ランプメーカーに樹脂成形のインナーレンズなどを供給する自動車用ランプ部品の専業メーカーで、肉厚・透明レンズの成形に強みを持つ。導光タイプのランプが増えており、7ミリから10ミリの肉厚導光レンズを受注して伸ばしている。肉厚レンズは5年前ほどから増加傾向にあり、現在は売上の4割弱を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術肉厚レンズは成形後の反りが大きく技術的に難しいが、CAE解析は供給先任せで自社では行えず、設計の初期段階から提案できなかった。
  • 生産能力従来は製品設計がほぼ固まった後の受注競争となり、供給先から受け取った解析データをもとに金型を作って成形するだけの受け身の立場だった。
  • コスト・採算CAEソフトは中小企業にとって高価で、自社導入に踏み切れなかった。

やったこと

平成25年9月に約900万円でCAEソフトを導入し、試作用の解析を始めた。CAEで射出成形時の樹脂の流れ方や圧力のかかり方をシミュレーションし、どちら側にどれだけ反るかを事前に把握して、不具合を抑えられるデザインに設計変更できるようにした。シミュレーションには冷却回路などの数や位置といった金型の構成要件をすべて入力する手間がかかるため、社員を育成してCAEを使いこなせるようにした。平成26年9月からは量産でもCAE解析技術を使えるようにした。平成27年夏には愛知県岡崎市に新工場を建設し、工場面積を旧工場の約2倍の2300平方メートルに拡大した。肉厚の導光レンズ専用として型締め力350トンと450トンの成形機2基を新たに導入した。

  • ソフトCAEソフト
  • 加工機射出成形機型締め力350トン射出成形機型締め力450トン

事業の効果

CAEにより反りの向きや程度をデータで把握し、顧客へ製品形状や肉厚の変更を提案できるようになった。これにより製品設計の初期段階から関わり、受注を獲得できる確率が高まった。取引実績のないランプメーカーからも引き合いが来るようになり、社長は営業力が増したと手応えを感じている。今後は肉厚レンズを中核製品として比率を高める計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    CAEを供給先任せから自前化して上流へ進む方針で、肉厚レンズ比率を4割弱から7〜8割へ引き上げる目標を示している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    競合でCAEを導入する中小企業はほとんどなく、7〜10ミリの肉厚導光レンズ対応を差別化の強みとしている。

  • 課題の認識と解決4

    反りをCAEで事前把握し、形状変更や肉厚低減を顧客に提案して受注確率を高める課題解決の方向が読み取れる。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    肉厚レンズ比率を7〜8割に引き上げる数値目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    CAEを使いこなせる社員を育成し、平成26年9月から量産で活用できる体制にしたと書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    肉厚・透明レンズの成形に強みがあり、顧客へ形状や肉厚を提案できる点が選ばれる理由として述べられている。

  • 事業化までの道筋4

    平成25年9月の導入、26年9月の量産活用、27年夏の新工場建設と時系列で進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    成形が難しい5ミリ超の肉厚品に対応し、肉厚レンズは薄いレンズより付加価値が高いと説明されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車用ランプを国内大手メーカーへ供給する点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出への言及は見当たらない。

  • 費用対効果3

    CAE導入で歩留り向上、コスト低減、短納期化を目的に掲げるが、投入額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAEによる反り予測を顧客の設計段階で活用し、サプライチェーンの上流から関与する点が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    導光タイプのランプが増えているという市場変化に合わせ、肉厚導光レンズへ進出している点が読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    愛知県岡崎市で工場を移転し面積を拡大したと書かれるが、地域の雇用や経済成長への効果は述べられていない。

今後の展望

肉厚の導光レンズの需要は今後も増えるとみており、売上に占める肉厚レンズの比率を現在の4割弱から2017年6月期に7〜8割へ引き上げる方針である。

  • 目標:工場面積は約2倍の2300平方メートルに拡大
  • 目標:肉厚レンズの売上比率 40%→80%

事業者の声

肉厚レンズの比率を高めていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。