ものづくり補助金平成24年度愛知県

マシニングセンタによる微細・精密部品加工技術及び測定技術の確立

株式会社蒲郡製作所

成果主軸の最高回転速度 20,000回転/分→80,000回転/分

この事例のポイント

  • 精密・微細加工の需要が高まり、より難易度の高い要求が増えていた。
  • 既存のマシニングセンター1台を改造し、主軸の最高回転速度を毎分2万回転から毎分8万回転に高性能化した。
  • 主軸の最高回転速度 20,000回転/分→80,000回転/分。マシニングセンターの主軸高性能化により微小穴加工の効率が上がり、微小穴加工ができる体制を2台に強化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社蒲郡製作所
所在地愛知県 蒲郡市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
資本金1,500万円
設立1954年

事業の背景

蒲郡製作所は多品種少量のアルミニウム部品加工を主力としている。光学、医療、計測、OA、半導体製造、光通信、燃料電池、航空宇宙機器、ロボットなど用途は幅広く、企業の開発部門や大学・研究機関からの受注も多い。約10年前に精密部品・微細部品への取り組みを本格化し、現在は寸法精度プラスマイナス10マイクロメートル以内、表面粗さ1マイクロメートル以下の部品を提供できる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力精密・微細加工の需要が高まり、より難易度の高い要求が増えていた。
  • 納期・工程短納期で精度保証を付けて提供するには、新たな設備の導入が必要だった。
  • 生産能力微小穴加工は工具の周速が遅く加工効率が落ちるため、主軸回転速度の向上が求められていた。
  • その他3次元形状の評価は、30キロメートル離れた愛知県刈谷市の研究機関に出向いて測定機を利用しており、効率と短納期化に課題があった。

やったこと

既存のマシニングセンター1台を改造し、主軸の最高回転速度を毎分2万回転から毎分8万回転に高性能化した。既存の毎分3万回転のマシニングセンターと合わせ、微小穴加工ができるマシニングセンターを2台とし、体制を強化した。マイクロスコープを導入した。1マイクロメートル単位でピントを調整でき、精密加工・微細加工の実際の形状を拡大して画像で表示でき、計測装置のデータによる評価に加えて目視でも確認できる。3次元測定機用のオプションソフトウエアも導入した。加工後の実際の3次元形状と3次元CADデータを比較し、差異の程度を色分けして表示する。

  • 加工機マシニングセンター主軸の高性能化改造
  • 検査測定マイクロスコープ
  • ソフト3次元測定機用オプションソフトウエア

事業の効果

  • 主軸の最高回転速度 20,000回転/分→80,000回転/分

マシニングセンターの主軸高性能化により微小穴加工の効率が上がり、微小穴加工ができる体制を2台に強化できた。マイクロスコープと3次元測定機用ソフトの導入により、加工と評価を自社で行えるようになり、従来の外部測定に比べて効率化と短納期化ができた。これにより最先端の研究分野で使われる高難易度の部品や、最先端の医療機器用の微細部品を受注できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    約10年前から精密・微細部品に取り組み、今回の設備投資がその延長にあることは読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    精度は±10マイクロメートル以内、表面粗さ1マイクロメートル以下、最小直径50マイクロメートルの穴加工など数字で強みが示され、難題受注が強みとして書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    短納期に精度保証を付ける必要があったという課題認識は書かれているが、高付加価値化や成長の具体的な数値目標は示されていない。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。医療機器用微細部品の早期量産を期待するとの記述のみ。

  • 事業を進める体制4

    既存MC改造と合わせ微小穴加工用MCを2台に強化したと具体的に書かれ、大学・研究機関との協力実績も示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    光学・医療・半導体など用途分野が挙げられ、研究機関からの難題受注が選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    30キロメートル先の研究機関での測定を自前設備に替えて効率化する方針や、今後のロボット関連・海外販路の取組は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    最小直径50マイクロメートルの穴加工や1ミリメートル角の18金部品への微細貫通穴加工など、高難度の微細加工に取り組んでいることが具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器や研究分野への部品供給に触れているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元測定機のソフトで実形状とCADを比較する評価の効率化は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・半導体・航空宇宙など成長分野への部品供給はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    愛知県蒲郡市の企業で地元の愛称で親しまれていると書かれるのみで、地域の経済成長や雇用創出への具体的記述はない。

今後の展望

自由曲面を高精度で加工して自社で評価できることを証明できたため、今後はロボット関連など多方面に技術力をPRする。英語版のホームページや海外での製品PRの外部委託にも取り組んでおり、海外販路開拓も狙う。

事業者の声

「今後も難しい加工に挑戦していきたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。