ものづくり補助金平成24年度愛知県

精密切削加工による難削材PCDを用いた大型ブレードの試作開発及び製造設備開発と導入

藤工業株式会社

成果超硬合金製は2カ月に1度交換するが、PCD製は3年後の今も交換なし。寿命は数十倍とされる。

この事例のポイント

  • 芯なし研削盤用に全長800mmのPCD製センターレスブレードを開発したいが、PCDは硬く削りにくいため従来は全長100mmが限界だった。
  • ものづくり補助金を活用し、砥石の回転速度をインバーターで制御できる平面研削盤を約1600万円で平成26年2月に導入した。
  • 超硬合金製は2カ月に1度交換するが、PCD製は3年後の今も交換なし。寿命は数十倍とされる。PCD製の長尺センターレスブレードにより、寿命が数十倍に伸び生産性が上がると見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名藤工業株式会社
所在地愛知県 名古屋市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
資本金2,400万円
設立1965年

事業の背景

藤工業は超硬合金製やセラミックス製の治具を手がけ、センターレスブレードが売上高の7割を占める。得意先はベアリングなど高い形状精度と耐摩耗性が求められる自動車部品用が中心である。超硬合金製ブレードは2カ月に1度交換が必要で、長寿命化が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術芯なし研削盤用に全長800mmのPCD製センターレスブレードを開発したいが、PCDは硬く削りにくいため従来は全長100mmが限界だった。
  • 品質・精度平行度精度5μmを保ちながらボデーとPCDを接着する技術が難所で、正確に接着しないと余分な研磨シロが増え加工時間も増える。
  • 人手・技能PCDの研磨ではダイヤモンドホイールが目づまりしないよう砥石の回転速度を調整する必要があり、加工条件の見極めに経験と勘が求められる。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、砥石の回転速度をインバーターで制御できる平面研削盤を約1600万円で平成26年2月に導入した。伊藤社長ら5人で砥石の粒度や硬さ、回転速度や送り速度を試し、最適な加工条件を求めた。ワークが当たる面の研磨だけで2カ月かかり、接着専用治具を開発して平行度を保った。製品は平成26年6月に完成し、全長800mm、平行度精度5μmのPCD製センターレスブレードとなった。

加工機砥石の回転速度をインバーターで制御できる平面研削盤
その他接着専用治具

新しい製品・サービス:全長800mmのPCD製センターレスブレード(芯なし研削盤用の長尺治具)

事業の効果

  • 超硬合金製は2カ月に1度交換するが、PCD製は3年後の今も交換なし。寿命は数十倍とされる。
  • ブレード全長 100mm→800mm
  • 摩耗分の計測値は、超硬合金製が2カ月で68μm。PCD製は3年で20μmにも満たない。

PCD製の長尺センターレスブレードにより、寿命が数十倍に伸び生産性が上がると見込まれる。展示会での反響もあり、現在までに大手ベアリングメーカーを含む4社から受注を得ている。PCDは磁性を帯びない特性があり、電子部品用治具などへの用途も見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    超硬合金製やセラミックス製の治具を手がけ、PCD製への展開を目指す流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    PCD製は超硬合金製に比べ寿命が数十倍とされ、大手ベアリングメーカーを含む4社から受注を得ており、強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    全長100mmが限界だった課題に対し、全長800mmのPCD製ブレードを開発した経緯と、寿命が飛躍的に伸びるという効果が記載されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    寿命数十倍や4社からの受注はあるが、高付加価値創出や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の数値も限定的である。

  • 事業を進める体制4

    開発は伊藤社長以下5人で取り組み、20年近いPCD加工経験と40年近い現場経験を活かしたことが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療関連や電子部品用治具など用途を具体的に挙げ、展示会での反響と引き合いも記載されており、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    平面研削盤の導入や接着専用治具の開発、2人3カ月の作業など工程は書かれているが、中長期のスケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    平面研削盤を約1600万円かけて導入したと記載されるが、資金調達の方法や財務状況、金融機関の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    長尺PCD製センターレスブレードは全長800mmで超硬製の100mm限界を超えており、同分野で高水準の高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品やベアリングなど幅広い産業への供給はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は明確ではない。

  • 費用対効果3

    ものづくり補助金で約1600万円の設備を導入し寿命数十倍の効果があるとされるが、費用対効果の数値的な算出は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CVDダイヤモンドの活用など技術開発の方向性は述べられているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や電子部品など成長分野への用途拡大の意欲はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとは明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    名古屋市港区の企業で地域の特性や地域経済への貢献は書かれておらず、わずかに所在地のみがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療関連など自動車部品用以外にも幅広く販売し、シャフトやバルブの研磨、さらにCVDダイヤモンドの活用も視野に入れて加工技術を磨いていく。

事業者の声

中国の治具メーカーも超硬合金製を製作するようになった。我々はより先に行く

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。