ものづくり補助金平成24年度愛知県

廃PETを活用した原着中空繊維の試作開発

株式会社髙木化学研究所(旧:株式会社高木化学研究所)

成果繊維単体の重量 100%→80%

この事例のポイント

  • 寝具業界は売り上げが季節によって大きく変動し、安定して販売できないため、事業として相性が悪かった。
  • 廃ポリエチレンテレフタレート(PET)を活用した原着中空繊維の試作開発を始めた。
  • 繊維単体の重量 100%→80%。中空繊維化により、繊維単体で20%の軽量化を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社髙木化学研究所(旧:株式会社高木化学研究所)
所在地愛知県 岡崎市
業種繊維工業
技術分野繊維加工
従業員数124人
資本金3,000万円
設立1973年

事業の背景

創業以来リサイクル技術を研究し、ペットボトルやポリエステルフィルムの再生繊維化が主力事業になっている。昭和47年から再生繊維を主に寝具業界へ販売したが、売り上げが季節で大きく変動した。昭和61年に再生ポリエステルを着色した材料が自動車内装床部に初めて採用され、自動車業界は耐熱性や耐光性を高く評価した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信寝具業界は売り上げが季節によって大きく変動し、安定して販売できないため、事業として相性が悪かった。
  • 新製品・新技術自動車の軽量化が業界の重要課題となり、同社にも製品の軽量化が課された。
  • 品質・精度自動車業界は性能と品質を重視し、同社は高い品質要求に応える必要があった。

やったこと

廃ポリエチレンテレフタレート(PET)を活用した原着中空繊維の試作開発を始めた。ものづくり補助金により、中空繊維を製造する機械などの設備を導入した。試作を繰り返し、平成26年度に素材として完成させた。マイクロスコープで中空繊維を拡大して画像上で確認し、観察倍率3000倍で中空率を観察している。

新しい製品・サービス:廃PETを活用した原着中空繊維

事業の効果

  • 繊維単体の重量 100%→80%

中空繊維化により、繊維単体で20%の軽量化を達成した。あわせて吸音性と断熱性も向上した。自動車メーカーがこの素材を早くも評価し始めている。性能が落ちない製品を求める自動車業界の厳しい評価に応えられる素材になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来リサイクル研究を継続し、再生繊維を寝具から自動車内装へ展開した経緯は読み取れるが、中空繊維がどの経営戦略に位置付けられたかは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車業界は性能・品質を重視し同社製品と相性が良いと記され、高い品質要求に応える原着繊維の強みも示されている。

  • 課題の認識と解決4

    自動車の軽量化が業界課題となり、繊維を空洞化して単体で20%軽量化した点など、課題と解決策の対応が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    繊維単体で20%の軽量化、吸音・断熱性向上など成果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員124人の企業であることは示されるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車メーカーが素材を評価し、耐熱性・耐光性に優れ色が褪せにくい点など、製品価値と選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成26年度に素材完成まで試作を繰り返したと経緯は書かれるが、今後の中長期の遂行スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    廃PET由来の中空原着繊維は一般的でなく、自動車内装で高い品質を評価された点から高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    廃棄物の再生利用という資源循環の意義は述べられるが、波及効果や雇用創出についての具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額と付加価値増加の関係は示されず、費用対効果を示す数字や算出は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    廃PETを活用した循環型事業として自動車業界の軽量化に貢献する点は読み取れるが、サプライチェーンへの波及は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    自動車の軽量化という業界構造の課題に対応し、循環型素材への展開が示されているが、経済構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及2

    愛知県岡崎市に本社があることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は書かれていない。

今後の展望

自動車向けを中心に、良い商品を開発していく方針である。真に世の中に必要とされる用途開発を重視していく。

事業者の声

町工場は人・モノ・カネがない。 あるのはアイディアだけ。こういった支援はありがたかった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。