ものづくり補助金平成24年度三重県

ブローバイヒーターの小型軽量化・性能・生産性向上とコスト低減による販路拡大

ケー・アイ技術株式会社

成果製品重量 107.6g→71.8g

この事例のポイント

  • 現行モデルのブローバイヒーターは小型・軽量化により製造コストを下げる必要がある。
  • 現行モデルから蓄積したデータを基に構想を検討し、模型試作品で一次試作品を製作した。
  • 製品重量 107.6g→71.8g。製品重量の削減と部品点数の削減により、小型・軽量化と製造コスト低減を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名ケー・アイ技術株式会社
所在地三重県 松阪市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数40人
資本金1,000万円

事業の背景

同社の開発商品ブローバイヒーターは、PTC特性を利用して低温時のブローバイガスの凍結を防ぐヒーターで、現在量産中である。国内自動車メーカーから搭載車が発売され、販売台数は当初予想を大きく上回っている。ニッチ分野ではあるが、海外メーカーの搭載車も国内で販売される傾向にあり、今後の需要拡大が期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現行モデルのブローバイヒーターは小型・軽量化により製造コストを下げる必要がある。
  • 販路・情報発信ブローバイヒーターの販路はクリーンディーゼルエンジン搭載車に限られており、新たな販路の開拓が必要である。
  • 新製品・新技術小型・軽量化を含む技術要素について独自技術を確立する必要がある。

やったこと

現行モデルから蓄積したデータを基に構想を検討し、模型試作品で一次試作品を製作した。社内で電流・電圧・抵抗・温度プロファイルを記録できる検査機を製作し、基本性能を評価した。二次試作品では部品を実際に組み込んで動作させ、通電による動作確認を行った。三次試作品では試作金型品を製作し、量産品同等の11項目の環境試験を外部機関に依頼した。ヒーター特性と車載部品の専門知識については外部から技術指導者を受け入れた。

検査測定検査機(電流・電圧・抵抗・温度プロファイルのモニタリング・記録が可能な検査設備)
金型試作金型

新しい製品・サービス:ブローバイヒーターの小型・軽量化モデル(三次試作品)

事業の効果

  • 製品重量 107.6g→71.8g
  • 温度特性(-30℃環境での先端温度) 3.5℃→10℃
  • 金属部品重量 41.2g→18.2g
  • その他部品重量 66.4g→53.6g
  • 部品点数 16点→8点
  • 組立工程数 26点→18点

製品重量の削減と部品点数の削減により、小型・軽量化と製造コスト低減を実現した。温度特性は現行モデルと同等以上となり、環境試験の全項目で製品仕様を満足した。全項目平均(温度特性を除く)では37.84%の削減となり当初目標を達成した。試作品の市場として、既存の自動車エンジン部品、エンジン以外の自動車部品、医療・家電分野などの新分野への展開が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    現行モデルから蓄積したデータを基に構想を検討し、先行開発の有利さを活かす方針が記載されている。経営戦略上の位置づけは具体的。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    クリーンディーゼル車搭載の販売台数が当初予想を大きく上回り、海外メーカー搭載車も日本で販売される傾向があると記載されている。

  • 課題の認識と解決4

    小型化・軽量化で製造コストを下げ販路を広げる課題認識があり、重量33.3%減や材料費削減の目標が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    重量35%減、製造コスト35%減、生産性35%増などの目標を設定し、全項目平均37.84%削減で目標達成と数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    外部から技術指導者を受け入れたことや社内で検査機を製作したことは書かれているが、人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブローバイヒーターの用途と現行モデルとの性能比較、ターゲットとなる納入先が記載されている。

  • 事業化までの道筋4

    一次から三次試作までの段階的な工程と、各段階での評価・改善の進め方が順序立てて示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    クリーンディーゼル車搭載のPTCヒーターはニッチ分野と明記され、温度特性で約2.8倍の性能向上を実現している。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療分野や家電分野への展開が書かれているが、国が補助する経済波及や雇用創出への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    製造コストの削減率や部品点数の削減は数値で示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    PTC特性を活かした新分野参入の可能性は示されているが、日本経済の構造転換に資するとの記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存の自動車分野ではエンジン部品としての市場とエンジン以外の自動車部品市場を狙う。自動車メーカーからは高い評価と改良の打診を受けており、新規取引先には提案営業と改良設計を交えて採用を目指す。新分野では医療分野や家電分野でのPTC特性を活かした商品化を進め、自社商品としての販売開始を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。