ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

既存の太陽光発電に後付可能な、発電効率改善専用リチウムイオン電池の開発

CONNEXX SYSTEMS 株式会社

この事例のポイント

  • 太陽光発電は出力が自然条件で短時間に変動し、出力抑制による発電ロスが生じている。
  • PVブースターTMに好適なリチウムイオン単セルを選定するため、各メーカーの仕様に基づき候補セルを調達した。
  • 開発したリチウムイオン電池モジュールにより、既設の太陽光発電システムに後付けで設置できるPVブースターの製品化を進めている。

事業者のプロフィール

事業者名CONNEXX SYSTEMS 株式会社
所在地京都府 京都府相楽郡精華町
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装,複合・新機能材料
従業員数27人
資本金1億円
設立2011年

事業の背景

当社はリチウムイオン電池と鉛蓄電池を独自技術で結合するBIND BatteryTM技術を持ち、太陽光パネルからの直流発電を取り込む発電効率改善システムPVブースターTMを開発している。近年は発電量向上のため、パワーコンディショナの出力に対して120%程度のパネルを組み合わせる過積載が一般的になっている。PVブースターを追加すると余剰電力を蓄電池に取り込めるため、年平均10%程度の発電量向上を見込んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力太陽光発電は出力が自然条件で短時間に変動し、出力抑制による発電ロスが生じている。
  • 新製品・新技術PVブースターに適合する、大電力を低損失で入出力でき放熱性に優れ太陽光パネルに適合した電圧特性を持つ新規リチウムイオン電池モジュールが必要だった。

やったこと

PVブースターTMに好適なリチウムイオン単セルを選定するため、各メーカーの仕様に基づき候補セルを調達した。充放電試験やベンダーへのヒアリングを行い、容量、電圧、エネルギー密度、パワー密度、調達性を評価要素とした評価チャートを作成して最適なセルを選定した。次に、冷却ファン等の強制冷却を使わずに放熱できる筐体を開発し、熱伝導率、耐薬品性、加工性、材料コスト等を考慮して材料を選定した。アルミニウム製外装部品にフィン構造を施し、セル保持構造を工夫して筐体へ熱が効率よく伝わる構造とした。開発したモジュールを充放電試験装置で評価し、PVブースターの動作を想定した充放電パターンを2.5時間連続で負荷しても電池モジュール温度が安定していることを確認した。

検査測定蓄電池および蓄電システムの試作・評価に係る設備
検査測定充放電試験装置

新しい製品・サービス:PVブースターTM専用リチウムイオン電池モジュール

事業の効果

開発したリチウムイオン電池モジュールにより、既設の太陽光発電システムに後付けで設置できるPVブースターの製品化を進めている。充放電試験で放熱特性が確認され、30kWhクラスの蓄電池を用いたPVブースターシステムの小規模実証試験を実施した。今後はメガソーラー施設などでより大規模な実証を行い、製品開発と事業開発を同時に進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    事例は蓄電技術の開発を述べるが、過去の取組や事業の一貫性に触れる記述は読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    太陽光の出力変動や過積載の普及という市場動向と、リチウム電池・放熱筐体の独自技術の組み合わせが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    発電ロスという課題は示されるが、高付加価値化や成長につながる計画は具体性が薄く読み取れる程度である。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    発電量向上を年平均10%程度と見込み、2.5時間連続負荷試験で温度安定を確認したと数値で示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既設太陽光に後付け可能という価値、過積載システムという対象、発電効率向上の目的が明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    30kWh実証試験の実施や大規模実証への展開が述べられ、段階的な進め方は読み取れるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    太陽光発電向け世界市場が約5,000億円から2020年に1兆3,150億円へ拡大と予測され、新市場性が数字で示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    再生可能エネルギーの普及や電力系統の安定化への貢献は述べられるが、雇用や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    発電量向上の効果は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数値は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    既存太陽光への後付けでデジタル技術を使うとあるが、サプライチェーン全体への貢献は具体性が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    再生可能エネルギーの普及と蓄電分野への進出が示され、成長分野への関与はうかがえるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の技術は事業所や工場の電力バックアップ、ピークカット、ピークシフトを行う中大型蓄電システムにも応用でき、事業拡大を図りたいとしている。将来的には高出力のHYPER BatteryTMを用いた蓄電システムやPower NETTMの構築を目指している。

  • 目標:PVブースターによる発電量向上は年平均10%程度と見込まれる
  • 目標:太陽光発電システム向け世界市場 5,000億円→13,150億円

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。