ものづくり補助金平成24年度三重県

高効率浸漬塗装装置の試作開発

株式会社エース設備

成果処理能力 1倍→2倍

この事例のポイント

  • メッキ工程ではクロムフリー化が強く求められているが、浸漬塗装は認知度がまだ低い。
  • 従来の傾動型浸漬塗装装置の長所と短所を検証したうえで基本設計を行い、浸漬塗装工程と余剰液排出工程を装置内で分離して同時作業を可能にするシステムを検討した。
  • 処理能力 1倍→2倍。脱液傾動機能により不良率が下がり、自動搬送機能によりサイクルタイムも短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エース設備
所在地三重県 鈴鹿市
業種一般機械器具製造業
技術分野塗装
従業員数9人
資本金370万円

事業の背景

環境対応として安全性の確立が求められる中、メッキ工程ではクロムフリー化が強く求められている。浸漬塗装方式はクロムを使用せずに重防食処理ができ、環境への影響も少ない。浸漬塗装市場はメッキ処理に比べて認知度がまだ低いが、塗料メーカーからシステム連携の依頼が増えるなど、徐々に認知されつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度メッキ工程ではクロムフリー化が強く求められているが、浸漬塗装は認知度がまだ低い。
  • 生産能力不良を減らし、システム全体の自動化も図れる多品種少量生産に対応した高効率浸漬塗装装置が求められていた。

やったこと

従来の傾動型浸漬塗装装置の長所と短所を検証したうえで基本設計を行い、浸漬塗装工程と余剰液排出工程を装置内で分離して同時作業を可能にするシステムを検討した。その最適システムをもとに不良低減機構と自動搬送機構を取り入れた機構設計を行い、フィードバックを重ねて最終機構図を決定した。試作品では本体装置部品と購入品の最適性を検証し、試作装置に対応するバスケットの最適形状も検討して試作した。運転制御ソフトを設計し、ハードおよびソフトとのマッチングを検証したうえで運転制御盤と操作盤を試作した。制御盤・エアー盤・操作盤を設置して電気配線とエアー配管を行い、運転制御システムを投入して試運転と効果の検証を実施した。既存の傾動タイプに自動送り装置を付与した試作品を完成させ、従来装置に比べて処理能力は2倍を実現した。

  • 加工機高効率浸漬塗装装置傾動型に自動送り装置を付与した試作品
  • ソフト運転制御ソフト
  • その他運転制御盤・操作盤サーボモーターパワーチャックエアー式リフター

新しい製品・サービス:高効率浸漬塗装装置

事業の効果

  • 処理能力 1倍→2倍

脱液傾動機能により不良率が下がり、自動搬送機能によりサイクルタイムも短縮された。装置としての能力は十分に達成された。パスケット形状の比較で不良率が下がり、これまで形状により不可と考えられていたワークの浸漬塗装も可能になると見込まれ、品種のバリエーションが増える見通しが立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    メッキのクロムフリー化要請を背景に浸漬塗装装置を試作したと書かれ、過去の取組との連続性は読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    浸漬塗装の認知度は低いが塗料メーカーからの依頼が増えている、と外部環境に触れている。自社の強みの詳細は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    不良率低減と多品種少量生産対応という課題認識があり、処理能力2倍という成果も書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    処理能力2倍を実現したと書かれ、数値目標の達成は読み取れる。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    基本設計から試運転まで段階的に実施したと書かれるが、従業者9人での体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品・マリン系・建築部品をターゲットとし、クロムフリーで環境影響が少ない点を強みとして示している。

  • 事業化までの道筋3

    試運転と効果検証、今後の機械商社との連携による販路拡大と技術応用の計画が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    浸漬塗装は市場認知度がメッキ処理に比べて低いと書かれ、新市場性は読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    クロムフリー化による環境対策や内製化による波及が書かれるが、国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    処理能力2倍という効果は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動搬送や制御ソフトの活用はあるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルとしての記述は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境対応のクロムフリー化という方向性がうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    三重県鈴鹿市の企業であることは書かれるが、地域特性を活かした効果の記述はわずかにとどまる。

今後の展望

浸漬塗装の認知は広がっており、今後確実に受注は増加すると見込まれる。機械商社も強い興味を示しており、商社と連携して販路拡大を図っていく。今回開発した技術を応用して様々な塗装が可能となる目途がついたため、その展開も図っていく。既に完成車メーカーなど大手を含む多方面から試作の依頼を受け、海外を含め数件納入している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。