ものづくり補助金平成24年度三重県

機械の正常な状態を自動認識して自動的に良否判定を行う世界で初めての診断装置の開発と試作

中山水熱工業株式会社

成果ハードウェア原価は10万円で可能となった

この事例のポイント

  • 工作機械などの異常を検知するため大量の測定データに対して人手で閾値を設定する必要があり、その操作負担が大きいことが現場での利用を妨げていた。
  • 工作機械の異常を自動で判定する診断装置を試作した。
  • ハードウェア原価は10万円で可能となった。標準偏差を使い閾値を自動設定できる、市場にない機能を持つ診断装置を試作し、運用試験で成果を得た。

事業者のプロフィール

事業者名中山水熱工業株式会社
所在地三重県 鈴鹿市
業種建設業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数18人
資本金1,500万円

事業の背景

主要自動車メーカーを中心に、工作機械の状態監視保全のニーズが多かった。異常診断アルゴリズムの有効性は実験で確認していた。しかし大量データを人手で閾値設定する操作が障害となり、ユーザー評価がボトルネックとなって現場では使えなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力工作機械などの異常を検知するため大量の測定データに対して人手で閾値を設定する必要があり、その操作負担が大きいことが現場での利用を妨げていた。
  • 人手・技能主要自動車メーカーを中心に状態監視保全のニーズが多かったが、パソコン操作による人手の閾値設定が障害となり現場では使われなかった。

やったこと

工作機械の異常を自動で判定する診断装置を試作した。1,000回の測定データのうち異常ケースを除いて正常波形の集合を作り、標準偏差を用いて上限・下限の閾値を自動生成する方式とした。ハードウェアは入出力ボードのゼロ点調節やBeagle Bone Blackの寸法調整を行い、ソフトウェアはOS割り込みやSerial Peripheral Interfaceによるデータ取得の問題を解決した。スカラーロボットでの機能検証と名古屋工業大学での測定実験を行い、試作品を完成させた。その後、現場要望を取り入れて波形解析装置「conandesse(こなんでっせ)」を製品化した。

その他異常診断装置(波形解析装置 conandesse)
検査測定スカラーロボット
ソフト診断用ソフトウェア

新しい製品・サービス:標準偏差を用いて閾値を自動設定し、良否判定を行う異常診断装置(波形解析装置 conandesse)

事業の効果

  • ハードウェア原価は10万円で可能となった
  • ソフトウェア開発費とサポートサービス費用を含め製造原価30万円程度とする目標を実現できた
  • 市場販売価格を50万円とした製品開発を進めることができた
  • サンプリング速度1msecにて10,000データ点の波形測定が問題なくできた

標準偏差を使い閾値を自動設定できる、市場にない機能を持つ診断装置を試作し、運用試験で成果を得た。製造原価は目標の30万円程度を実現し、市場販売価格50万円での製品開発を進められた。ユーザーからは使いやすさや見やすさが高く評価されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の工作機械状態監視ニーズや閾値手動設定の課題が示され、異常診断装置の開発に取り組む流れは読み取れるが、過去の取組との一貫性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    主要自動車メーカー中心の状態監視保全ニーズと、閾値手動設定がボトルネックという課題認識から、自動閾値設定で差別化する優位性が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手動閾値設定が現場で使われない課題を認識し、標準偏差による自動良否判定で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    製造原価30万円程度、市場販売価格50万円、ハードウェア原価10万円など数値目標が示され、達成したと記載されている。

  • 事業を進める体制2

    ソフトロックスや名古屋工業大学への依頼はあるが、社内の人材や事務処理体制についての記述は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザー評価や自動車産業向けの既存取引、食品・鉄鋼分野への展開など顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作後に現場要望を取り入れて改良し製品化したという流れは書かれているが、中長期の検証やスケジュールは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    市場にない正常判定機能を持つ診断装置と書かれ、既存製品にない高付加価値機能で差別化している点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    生産設備の状態監視保全という産業上の意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    製造原価や販売価格の目標は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    自動閾値設定による異常診断というデジタル技術活用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三重県鈴鹿市の企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存取引の自動車産業向け分野に加え、食品や鉄鋼関連分野の機械ユーザーへの新市場や海外市場への事業拡大を目指す。技術の高度化を図りながら市場調査や展示会出展を続け、少なくとも2分野への市場進出と海外販売に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。