ものづくり補助金平成28年度建設業山口県

建築鉄骨の自動溶接機導入による高品質化と生産能力の増強による作業環境改善

大和建工株式会社

成果労務費が約3割削減できた。

この事例のポイント

  • 受注工事の大型化に伴い、高い品質・精密さの要求に手作業の溶接では対応しきれなかった。
  • 手作業で行っていた溶接工程に、(株)神戸製鋼所の「鉄骨天吊マルチワークシステムLタイプ」溶接ロボットを導入した。
  • 労務費が約3割削減できた。ロボットによる溶接の自動化・効率化で、均一で精巧な溶接が可能になり、3次元的な構造物の製作にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名大和建工株式会社
所在地山口県 宇部市
業種職別工事業
技術分野精密加工,製造環境,接合・実装
従業員数35人
資本金5,000万円
設立1957年

事業の背景

山口県を中心に宇部興産の化学プラントの鉄骨などを製作してきたが、バブル経済崩壊後は営業範囲を県外に広げ、九州や中四国、首都圏などで大型建築鉄骨の製作を手がけている。建築鉄骨の構造は耐震構造への対応などもあり年々大型化する傾向がある。主要顧客から大型案件・複雑案件に耐える加工品質や短納期を求められ、受注を逃すケースも少なくなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度受注工事の大型化に伴い、高い品質・精密さの要求に手作業の溶接では対応しきれなかった。
  • コスト・採算危険作業の増加により作業時間が長くなり、労務コストが上昇した。
  • 納期・工程製品の納期が長期化し、受注競争力が低下した。
  • 人手・技能若手作業員への技術継承が困難だった。

やったこと

手作業で行っていた溶接工程に、(株)神戸製鋼所の「鉄骨天吊マルチワークシステムLタイプ」溶接ロボットを導入した。高精度・高品質化と加工範囲の広範化、労働時間の短縮によるコスト低減、納期の短縮化に対応できる設備として選定した。新たに導入したロボットの操作にはメーカー指導員による研修を受け、受講した従業員が社内教育研修会を開催した。熟練技能者のノウハウをデータベース化し、製作技術の向上に努める体制を整えた。製造部では生産力向上を図り、溶接ロボット導入による余剰人員は別の製造部署に配置転換した。

  • ロボット鉄骨天吊マルチワークシステムLタイプ溶接ロボット

事業の効果

  • 労務費が約3割削減できた。

ロボットによる溶接の自動化・効率化で、均一で精巧な溶接が可能になり、3次元的な構造物の製作にも対応できるようになった。溶接部門の生産速度が大幅に向上し、大規模建造や複雑な構造物にもスピーディーに対応できるため、競合他社を引き離す強みになった。熟練工のノウハウのデータベース化により設備の精巧性と熟練技術の相乗効果も生まれ、他社に対する優位性の一つになったと考えられる。労務費は約3割削減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性受注競争力低下や主要顧客からの大型・複雑案件要求が書かれ、ロボット導入で競合他社を引き離す強みになったと、外部環境と自社の強みに触れている。
  • 4
    課題の認識と解決溶接手作業による品質・納期・労務コスト・技術継承の4課題を挙げ、ロボット導入で解決を図る流れが具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    新しさ・高付加価値大型・複雑な建築鉄骨の高品質化に触れるが、分野の普及度や高価格化を示す記述はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の鉄骨製作とHグレード認定を活かす機会を逃していたとあり、既存事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    受注競争力低下や主要顧客からの大型・複雑案件要求が書かれ、ロボット導入で競合他社を引き離す強みになったと、外部環境と自社の強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    溶接手作業による品質・納期・労務コスト・技術継承の4課題を挙げ、ロボット導入で解決を図る流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    労務費が約3割削減できたと数字があるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、今後の給与増加の方針にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    一部従業員がメーカー指導員の研修を受け、社内教育研修会を開いたとあるが、人員体制の規模や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    均一で精巧な溶接や大型・3次元構造物への対応が強みとして示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは限定的。

  • 事業化までの道筋3

    建築構造の大型化を見据えた体制整備と熟練技能のデータベース化が今後の方針として書かれるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    大型・複雑な建築鉄骨の高品質化に触れるが、分野の普及度や高価格化を示す記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    首都圏の大型案件への展開や地域を越えた受注が書かれるが、波及効果や社会インフラへの言及は乏しい。

  • 費用対効果3

    労務費約3割削減と生産速度の大幅アップが書かれ効果はうかがえるが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    溶接ロボットとデータベース化によるノウハウ継承に触れるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    山口県宇部市の企業が九州や首都圏で大型鉄骨を手がけるとあり地域性はあるが、地域経済や雇用への波及は具体的に書かれていない。

今後の展望

首都圏からの受注獲得を目指し、既存顧客からまずは受注をこなしたうえで営業を展開する予定。生産性向上による成果は社員の給与増加、賃上げとして還元していく。

事業者の声

「どうしてもその事業を実現したい」という想いがあるのならば、採択されるまで辛抱強く申請を続けるしかないと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。