ものづくり補助金平成24年度三重県

きのこ(食用担子菌)から得られる抽出物を利用した免疫強化補助剤(サプリメント)等の開発

株式会社シエン

成果試作品の溶解度は1分以内で問題なかった

この事例のポイント

  • きのこの有効成分を免疫細胞の活性化に使える形で取り出し、製品化する技術が必要だった。
  • 熱水抽出物のフリーズドライ加工について5回の製造プログラムを検討し、製造時間を大幅に短縮した。
  • 試作品の溶解度は1分以内で問題なかった。免疫強化補助剤は、賦形剤を加えない真空凍結乾燥品として他社がまねできない製品となった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シエン
所在地三重県 津市
業種食料品製造業
技術分野切削加工
従業員数15人
資本金9,500万円

事業の背景

株式会社シエンは2003年より岩出菌学研究所で研究開発したキノコを製品化し、キノコを通した社会貢献に取り組んでいる。グループ企業の岩出菌学研究所が開発するヒメマツタケの有効成分(FⅢ-2b)が、免疫細胞の中でも重要な役割を持つ樹状細胞を非常に活性化させることが三重大学との共同研究で確認された。医療をはじめ多くの産業で放射線が利用されており、被ばくのリスクを軽減する製品の開発が望まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術きのこの有効成分を免疫細胞の活性化に使える形で取り出し、製品化する技術が必要だった。
  • 納期・工程熱水抽出物のフリーズドライ加工に時間がかかっていた。

やったこと

熱水抽出物のフリーズドライ加工について5回の製造プログラムを検討し、製造時間を大幅に短縮した。官能試験と溶解度試験では全プログラムで問題ない結果が得られた。アルカリ抽出物は真空凍結乾燥機で乾燥させ、10mlバイアル瓶に充填した試作品を製造し、賦形剤を加えない形で製品化した。試作品は製造直後と1〜3か月後に官能試験と溶解度試験を行い、いずれも問題なかった。熱水抽出物はカプセル充填用に真空凍結乾燥させて溶解しながら濃度調整を行い、高濃度の熱水抽出物を液体充填カプセルとして試作した。

その他真空凍結乾燥機

新しい製品・サービス:免疫強化補助剤(アルカリ抽出物を真空凍結乾燥した製品)と、放射線防護剤(熱水抽出物を充填したカプセル・バイアル瓶製品)

事業の効果

  • 試作品の溶解度は1分以内で問題なかった

免疫強化補助剤は、賦形剤を加えない真空凍結乾燥品として他社がまねできない製品となった。試作品は官能試験と溶解度試験で形状・臭い・溶解度ともに期待通りの結果が得られた。熱水抽出物は高濃度のカプセル製品化に道筋をつけ、放射線防護作用の確認を進めた。今後は高品質なフリーズドライ品の拡販や、他素材の加工、受託加工の拡大を進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    グループの岩出菌学研究所で研究したヒメマツタケ有効成分を製品化する流れが書かれ、2003年からのキノコ研究が背景にあるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    癌治療での免疫療法の広まりや放射線防護製品の需要に触れるが、市場規模や自社の強み・弱みの記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決3

    新市場開拓や受託加工の拡大を今後の展望として挙げ、課題と方向性は読めるが、売上や付加価値の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、製品化の成果のみが記載されている。

  • 事業を進める体制3

    協力会社への抽出外注、三重大学・千葉大学との共同研究体制が書かれ、体制の一部は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    免疫強化補助剤と放射線防護剤の用途や賦形剤なしの真空凍結乾燥品という差別化は書かれるが、顧客ターゲットは明確でない。

  • 事業化までの道筋4

    官能試験・溶解試験を製造直後と1〜3か月後に実施し、5回の製造プログラム検討など段階的な進め方が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    賦形剤を一切加えない真空凍結乾燥品は他社がまねできない製品と記載され、高付加価値化の方向性が読める。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    放射線被ばく低減製品の開発が望まれるという社会的必要性が書かれ、国が補助する理由の一端がうかがえる。

  • 費用対効果2

    投資額や費用対効果の数値は書かれておらず、効果は動物実験の有意差に限られる。

  • イノベーションへの貢献2

    大学との共同研究によるイノベーションはうかがえるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三重県津市の企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用創出や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

学術研究を元に、他社がまねできない高品質のフリーズドライ(真空凍結乾燥品)の拡販、及び他の素材の製品化やフリーズドライによる原料の加工など、受託加工などの業務拡大を進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。