ものづくり補助金平成24年度三重県

縦型NC旋盤導入による増産体制の確立

株式会社續橋製作所

成果チャック径 305mm→700mm

この事例のポイント

  • 既存の横型CNC旋盤では加工能力に限界があり、大口径薄肉の超精密減速機用部品は加工できなかった。
  • 大口径の製品を加工できる立型CNC旋盤を機械メーカー数社から選定して導入し、製品の試作に取り組んだ。
  • チャック径 305mm→700mm。治具の固定と立型旋盤の採用により、チャッキング圧力を下げても製品が飛び出さず、加工条件を上げても無理なく加工でき、イビ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社續橋製作所
所在地三重県 三重郡川越町
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数38人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は大手電機メーカー向けに電動機部品加工、一般工作機械部品、モーター部品の製作などを行っている。電動機部品(フレーム)加工では技術向上に取り組んできたが、既存設備は横型CNC旋盤のみだった。国内の電動機部品市場は競争が厳しく、取引先からの要求に応えるため新たな設備投資が必要不可欠だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の横型CNC旋盤では加工能力に限界があり、大口径薄肉の超精密減速機用部品は加工できなかった。
  • 新製品・新技術受注が確定している電動機部品は製品重量が大きく、横型CNC旋盤での加工が困難だった。
  • コスト・採算電動機部品市場は加工精度の向上とコスト削減で企業間競争が厳しく、取引先の要求に応えるには新たな設備投資が必要だった。

やったこと

大口径の製品を加工できる立型CNC旋盤を機械メーカー数社から選定して導入し、製品の試作に取り組んだ。製品は異形(足つきフレーム)で約140kgあり、機械の負担を抑えるため治具の形状と軽量化を図った。治具には重量過大を避ける設計、締め付けが緩まないダブルナット、摩耗しにくい材質を用いた。黒皮素材の肉厚不均一によるビビリには3点支持と固定押エ金(上部・下部)を用い、特殊工具も使った。

加工機立型CNC旋盤
その他加工用治具

新しい製品・サービス:大口径薄肉の製品を加工できる立型CNC旋盤による加工技術と、軽量化された加工用治具。

事業の効果

  • チャック径 305mm→700mm
  • 回転数 180rpm→200rpm
  • 加工時間 226秒→203秒
  • 取付時間 270秒→240秒
  • 生産台数 7台/時間→8台/時間
  • 寸法不良の発生割合 2%→0%

治具の固定と立型旋盤の採用により、チャッキング圧力を下げても製品が飛び出さず、加工条件を上げても無理なく加工でき、イビツも許容範囲内に収まった。製品1台あたり約30秒の時間短縮となり生産性が20%向上した。寸法不良はなくなり、軽量化と加工物へのキズの低減で歩留まりと品質が向上した。取付け取外しが容易になり作業の標準化と作業時間の大幅な短縮が見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の横型CNC旋盤では大口径薄肉品が加工できず、立型旋盤導入で増産体制を確立したと読めるが、過去取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大口径薄肉品が加工不可だった既存設備の限界と、大手電機メーカー向け需要に応える立型旋盤導入が述べられ、強みと課題の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    取付時間4分30秒が4分へ、加工時間3分46秒が3分23秒へ、寸法不良2%が0になるなど数値で課題解決と生産性向上が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産台数が7台/時から8台/時へ20%アップなど目標に対する実績数値はあるが、賃上げ目標や付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業者38名と治具開発の取り組みはあるが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大口径製品は単価が高く、主要顧客の大手電機メーカーとの取引が大幅に拡大しているなど、顧客とニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として受注拡大や新規顧客の発掘に取り組むとあるが、遂行スケジュールや中長期の課題検証は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超精密減速機用の大口径薄肉部品は既存設備では加工不可だったとあり、同分野で高付加価値の加工に踏み込む内容がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    産業ロボット用精密減速機・電動機市場の規模拡大と日本の技術力向上に寄与するとあるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    加工時間短縮・生産性20%向上・寸法不良の解消など、投資に対する効果が数値で示され費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    治具開発や新技術開発環境の構築に言及があるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内生産に残る減速機分野への対応が述べられているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    三重県の地域企業であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存製品の受注拡大、既存取引先との試作製品類似品の受注獲得、新たな顧客の発掘に取り組んでいる。大口径製品の取引は大幅に拡大し、業容拡大に伴い新たな立型CNC旋盤も導入している。減速機は国内生産が続くため、取引先との中期的な良好な関係構築が必要である。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。