ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

超精密電子機構部品への顧客ニーズ対応を可能とする新インサート成形システムの導入

株式会社富山技研

成果金型取り付けのねじ止め箇所 8カ所→0カ所

この事例のポイント

  • 超精密電子機構部品の顧客要望に応えるため、安定性と生産効率に優れた新しいインサート成形システムが必要だった。
  • 新型の電動竪型射出成形機を導入し、2014年7月より試験運用を開始した。
  • 金型取り付けのねじ止め箇所 8カ所→0カ所。成形サイクルが短縮し、不良率が下がり、段取り時間も半減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富山技研
所在地富山県 富山市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数120人
資本金3,620万円
設立1975年

事業の背景

当社は1975年の創業以来、コネクター・フィルター・圧電・チップなどの電子機構部品用精密金型の製作を行い、プレス加工、成形加工、インサート成形加工も手掛けている。同業他社の生産部門が海外移管を進める中、工程の省力化や無人化で差別化を図っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力超精密電子機構部品の顧客要望に応えるため、安定性と生産効率に優れた新しいインサート成形システムが必要だった。
  • 品質・精度旧来の油圧式射出成形機は成形に時間がかかり、製品の安定性も課題となっていた。

やったこと

新型の電動竪型射出成形機を導入し、2014年7月より試験運用を開始した。試験直後は送り装置と成形機動作の連動起動などのソフト上の問題で金型が破損し、品質も安定しなかったため、金型の合わせ具合、樹脂の溶融温度、流し込む速度などの成形条件を調整し、金型を見直して改善した。2015年1月21日には試作金型での試験生産を開始し、ホットスプールから樹脂が射出されない新たな課題が生じたが、樹脂素材との適合を調査して改善を続けた。従来ねじ止めしていた金型を磁石で固定する「マグネットクランプ」を特別付属品として導入し、それまで8カ所のねじ止めが必要だった金型の取り付けをスイッチひとつで可能にした。

加工機竪型射出成形機(電動)
金型マグネットクランプ

新しい製品・サービス:ホットスプールを用いた新しい射出成形の部品

事業の効果

  • 金型取り付けのねじ止め箇所 8カ所→0カ所
  • 同一製品の不良率が従来機に比べ35%の改善効果があった

成形サイクルが短縮し、不良率が下がり、段取り時間も半減した。交換頻度の負荷が軽減され、フープの波打ちを抑えた安定送りが可能になった。金型の改善により一定の効果が出て低コスト化にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来コネクター・フィルター等の精密金型製作を行ってきたと書かれ、過去の事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外移管が進む中で工程の省力化・無人化で差別化を図っていると書かれ、外部環境への対応は読み取れるが、具体的な競争優位の数字はない。

  • 課題の認識と解決4

    試験生産で金型や成形条件を改善し、成形サイクル短縮・不良率35%改善・段取り時間半減など具体的な効果が記載されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良率35%の改善や段取り時間半減など実績の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    試験運用時のトラブルへの対応は書かれているが、人材や事務処理体制について記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高度な技術を要する製品や短納期製品で国内需要が高いと述べられ、顧客ニーズは読み取れるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ホットスプール適応樹脂の検討を今後続けるという課題と方針は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超精密電子機構部品の精密金型で、高度な技術を要する製品の国内需要が高いと書かれ、同分野での高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外移管の中で国内需要が高いと述べられるが、雇用創出や波及効果の記載はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    不良率や段取り時間の改善と低コスト化につながったと書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    省力化・無人化を進めたと書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外移管が進む中で国内の精密金型・高付加価値製品の需要が高いとあり、構造転換との関連がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    富山市の地域企業であることは書かれるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は当社の技術力をアピールし、製造品目と取扱量を増やすとともに、増えると予想される需要に質量ともに応える製品を提供し続ける。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。